いらっしゃいませ。そしてお帰りなさいませ。
庄内多季物語工房へ、ようこそおいで下さいました。
さて、今宵は、物語収穫人である私、佐藤美月による、心の王国の育て方を、ご紹介してみたいと思います。
今回取り上げるテーマは、グレーゾーンを認められるようになると、淡々と前に進めるようになるということについてです。
この世界には、両極として、プラス側とマイナス側が存在していますが、その間には、どちらとも言えないグレーゾーンが、海原のようになみなみと広がっていると感じます。
そのゾーンの真ん中辺りを、中庸と呼ぶことがありますが、個人的には、中庸を保てている状態が、最もエネルギー値が安定していて、生きやすい状態にあると感じています。
私自身、今は特に意識しなくても、自然と中庸を保てるようになりましたが、そうなるまでには、プラス側とマイナス側を、忙しなく行ったり来たりしていたものでした
それというのも、プラスであれマイナスであれ、行き過ぎると、反対の極に戻そうとする法則が、働くようになるからです。
例えば、仕事が忙しくなるのは、実入りが増えるので良いことなのですが、その一方で、自分自身のメンテナンスを怠っていると、そのうち心身の調子を崩す場合があります。
これは、収入が増えるというプラス側に針が振れたものの、それが行き過ぎると、心身の調子を崩すというマイナス側に戻すことで、エネルギーのバランスを取ろうとするからですね。
そんな調子で、快調にプラス側を目指していると、そのうちマイナス側に引き戻されるということが起こってきます。
それと同じようにして、マイナス側に針が振れたとしても、そのうち光明が見えてきて、プラス側に引き戻されるという法則が働きます。
これは、プラス側にしろマイナス側にしろ、エネルギーが大きく動くことになるので、どちらに転んでも、結構疲れる生き方なのです。
そんな感じで、数十年生きてきて、漸く辿り着いた結論は、どうせエネルギーのバランスを取ろうとする法則が働くんだったら、最初から中庸を目指した方が、効率が良いんじゃないかということでした。
そこで、実際に中庸を保ちながら進んでみると、追い風も向かい風もない状態になるので、淡々と前に進むことが出来るんですよね。
そうなってみて感じることは、プラス側にしろマイナス側にしろ、どちらかに振れていると、そこからのエネルギーの影響が強いので、結局は翻弄されやすくなるということです。
しかも、どちらか片方に偏っていると、その片方からの捉え方が強くなるので、視野も狭くなりがちになります。
これが安定して中庸を保てるようになると、グレーゾーンの真ん中から、プラス側もマイナス側も、見て取れるようになります。
そうすると、どんな時でもプラス側にいることが、必ずしも良いわけではないし、そうかと言って、どんな時でもマイナス側にいることが、必ずしも悪いわけではないということが分かってきます。
私達の人生には、押した方が良い場面もあれば、引いた方が良い場面もあるからなんですね。
それが分かってくると、今はプラス側で対処した方が良いなとか、マイナス側で対処した方が良いなという判断も、付けられるようになります。
要するに、中庸のポジションにいると、状況によって、プラス側にいるか、マイナス側にいるかを選べるようになるのです。
この自分で選択出来る状態こそが、最も能力が発揮出来る状態ではないかと、今では思っているところです。
状況的に流されて、プラス側で対処せざるを得なかったとか、マイナス側で対処せざるを得なかったということになってしまうと、後悔の念が付き纏(まと)うこともあります。
そうではなく、たとえマイナス側で対処するにしても、それを自分で選択していると思うことで、人生に対する納得感も変わってくると思うのです。
自分で納得出来る場面が増えてくれば、あの時こうすれば良かったなあと後悔することが減り、そのことによるエネルギー漏れも防げるようになります。
エネルギー漏れが少なくなれば、今この瞬間に集中しつつ、淡々と前に進めるようにもなっていきます。
そういった効用がありますので、ぜひあなたも、少しずつでも、グレーゾーンを取り入れてみて、あなた自身が最も生きやすいと思うゾーンに、チューニングしていきましょう
あなたと同じ時代を生き、あなたと出逢えたことに、心から感謝しております。
今宵も最後までお付き合い下さいまして、誠にありがとうございました。
またのご来訪を、心よりお待ち致しております
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佐藤美月は、小説家・エッセイスト・ライター・コラムニストとして、活動しております。
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