芸術とスポーツの秋:ライブコンサート・結婚式・そしてNHK杯ライスト観戦に忙しい | 覚え書きあれこれ

覚え書きあれこれ

記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

皆様、NHK杯が終わりましたね。選手にとっても、ファンにとっても、大変充実した週末であったと思います。

 

日本で開催される大会というのは、カナダからライストでフォローしている者にとってすごく辛いのですが、それでもリアルタイムで何とか観たいという気持ちには勝てず、パソコンの前で、あるいは寝室にスマホを持ち込んで寝落ちするまで解説だけでもイアフォンで聴いたりしていました。

 

おかげで次の日の寝不足は半端じゃあありません。

 

しかも何故かこの週末に限ってとんでもなくタイトなスケジュールでした。

 

木曜はNHK杯のペアと男子のSPを何とか観ました。

 

翌日の金曜日は夫の膝のリハビリに帯同(別にもう付いて行かなくても大丈夫なんですが、何となくこういうの好きなんですよね、私)、そして午後からはトロント市内でピアノリサイタル鑑賞。

 

 

 

 

 

イギリス人のピアニスト、ベンジャミン・グロヴナーがブラームス、シューマン、そしてムソルグスキーのプログラムを披露してくれました。

 

夫が一番聴きたがっていたのが「展覧会の絵」で、これはライブで鑑賞するのが初めてだったのですが、ものすごい迫力で感動しました。

 

グロヴナーはまだ32才、とにかく彼の全身から発せられるパワーとエネルギーがムソルグスキーの曲調と相まって、観客が興奮の坩堝に巻き込まれました。いや、凄かったわ。

 

 

そしてこのコンサートから帰るとまたペアのフリーを観ました。途中、三浦&木原組の演技で夜中であるにも関わらず「ヒエッ!」と奇声を発する場面もありましたが、何とか最後まで見届けました。

 

男子も、女子も観たい、でも眠い。

 

そして土曜日の午後は美容院に行って、夕方から結婚式に出席してきました。


新婦が長年、お付き合いのあるYちゃん。彼女が高校生としてカナダに留学してきた時に私が個人教授を引き受けたのが出会いとなったのでした。

 

その後、Yちゃんは立派にこちらで大学を卒業して仕事も続けて来ていたのですが、2018年辺りからスケート大会でのボランティアに誘ったのがきっかけですごく密に会うようになりました。

 

まずは2018年のバンクーバーでのJGP・GPファイナルから始まって、その後は2019年のさいたまワールド、オータムクラシック、GPスケートカナダ。

 

2022年のGPスケートカナダ、2023年のさいたまワールドとGPスケートアメリカ、そして直近では2024年のモントリオールワールドで一緒にメディアの対応、通訳などを受け持ちました。

 

うちの息子たちと同世代の彼女がいてくれたおかげでスケート大会のお手伝いが何倍も楽しくなり、感謝しています。

 

 

Yちゃん、おめでとう!!

 

 

テーブルのお花は全て白と緑で統一

 

 

Yちゃんの親友のパティシエが焼いた招待客の

名前入りのアイシングクッキーもお洒落でした

 

 

結婚式の後はさすがにエキシビションまで見る元気がありませんでしたが、翌日にはチェックしましたよ!

 

 

そして日曜(つまり昨日)はまたまたコンサート。今度はギリシャ人のヴァイオリニスト、レオニダス・カヴァコスがバッハの無伴奏ソナタとパルティータを弾く、というプログラムでした。

 

 

 

 

 

 

前日に第一部がすでに演奏され、我々が聴きに行ったのは第二部でしたが、私としては「Sonata No. 3 in C Major, BWV. 1005 」の最後の「シャコンヌ」が一番聴きたかったので良かったです。

 

以前も書いたと思いますが、うちの長男はまだ2歳にもならない頃からやたらヴァイオリンに惹かれていた時期がありました。親バカにありがちですが、「これはきっと天才なんだわ」と思い込んだ私はすぐに楽器を買い与え、ヴァイオリン音楽を終日聴かせたものでした。(結局は12才頃までしかレッスンは受けなかったんですけどね)

 

中でもなぜか息子はヤシャ・ハイフェッツにとても憧れて、彼の弾く「シャコンヌ」のビデオを繰り返し観ていたんですよね。

 

 

 

 

この1970年撮影の動画に登場するハイフェッツは当時、すでに70才でしたが、彼のエレガントですっきりしたフレージングは変わらず。私にとってハイフェッツの演奏がこの曲のスタンダードとなっているので誰の演奏を聴いても、残された彼のレコーディングと比べてしまいます。

 

ハイフェッツの演奏中の姿も美しい。ヴァイオリンはずっと肩の高さで水平に保たれ、弦を押さえる左手もボウを持つ右手も動きがあくまで滑らか。無駄な前後左右の身体の動きはなく、音で全てが表現されているという点も私の好むところで、やたら動き回るヴァイオリニスト(他の楽器でもそうですが)は苦手です。

 

その点で言うとカヴァコスもあまり動かず、ただただストイックに、かと言ってもちろん情感を込めて弾いてくれました。

 

たった一人で壇上に立ち、チャレンジングなプログラムに挑む奏者を観るのはそれなりの緊張感が伴います。気が付けばつい肩に力が入っていました。

 

シャコンヌの最後の音が響くと、(横のお爺さんが鼻歌をかすかに漏らしたのが鬱陶しかったですが)観客は総立ち。大きな歓声が上がりました。

 

これまた良いものを聴かせていただきました。ライブって良いわ。

 

というわけでとっても充実した、寝不足の週末となりました。

 

スケートに関する雑感はまた別の記事にて。