りくりゅうファンの皆様
今週はもっと早くに記事をアップする予定でしたが、共訳者と取り組んでいる翻訳の作業にえらく手間取ってしまっていました。(この本は10年前に初版が出たのですが、ありがたいことに改訂版が出ることになり、現在ゲラの校正をやっている最中です。めでたく出版された暁にはまたこの場でご紹介させていただきます)
いよいよ来週はグランプリファイナルですね!
日本からは過去最多人数のチームがトリノに集結するわけですが、ジュニア(女子3人、男子3人)・シニア(男子4人、女子3人、ペア1組)と合わせて15人もの大所帯。。。
と思ったらなんと、ここに補欠繰上りでジュニア・ペアの村上遥奈&森口澄士組も加わって17人に!
これはもう、チームリーダーさんたちがツアコンと化して、中継地の空港やトリノでのバス乗り場(かどうかは知りませんが)をあたふたと引率する姿が目に浮かびますね。
ただ、三浦&木原ペアは、ブルーノコーチとリンクメイトでカナダのジュニアペア代表クロエ・パネッタ&キラン・スラッシャー組と、トロントからトリノに向かうことになります。
おそらくチームカナダと同じ旅程だとは思いますが、いずれにしても賑やかで良いですね。
クロエちゃんはイタリアにルーツを持つ家系なので、今回のファイナルはいっそう、楽しみにしているとのことです。
練習を覗きに行くたびに思うことなのですが、同じリンクにペアが複数組いるのは良いことですねえ。毎日、お互いのプログラムの曲かけ練習の場に居合わせるわけですから、他のチームメイトがどこでどういった技を入れるのか自然と憶えてしまうのでしょう。
最もしんどい局面になると手を叩き、滑っているペアを鼓舞する。エレメンツが決まると声を出す。そして終わると拍手する。
りくりゅうも、クロエちゃんたちもきっと、良い遠征になるでしょう。
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ところでNHK杯が終わった直後、二人は東京に行って一仕事をこなしてきたようでしたね。「朝、4時起きで移動です」と木原選手が言っていたのはこのことだったのか、と合点がいきました。
新しい木下グループのウェアが出来上がってそれをまとっての撮影会。
そしてりくりゅうの応援用バナータオルが作られたと聞いてとても嬉しかったです!
早速、地元の友人のNちゃんが私の分もあわせて2枚、注文してくれたそうです。たくさんのファンがオーダーを入れたため、生産が間に合わないという事態が起きたそうですが、すごくないですか?
その上、テレビ東京スポーツのチャンネルに撮影の模様やインタビューがてんこ盛りの動画が掲載されて、ファンは狂喜乱舞。
皆さん、それぞれの「ツボ」がおありかと思いますが、私は璃来選手の冒頭のメイクの場面でのやり取りに笑いました。
木原選手が「左半分、俺がメイクしようか」と提案したのに対して、三浦選手はたとえば「やだそんなの」とか「いらないよ」と言うのではなく、ただ「ううん」。
そしてアイシャドーの色を選ぶくだりで、「緑が好きなんでしょ」と言われ、また「うん」とだけ。「そうそう」とか「そうなんだよね」とかではなく。
何故だかは説明しにくいのですが、滅茶苦茶ウケました。
あと、2分50秒辺りですが、撮影中に璃来選手を肩に乗せた木原選手が、すぐに彼女のジャケットのシワを伸ばすところ。
これはNHK杯のSPのキスクラで、彼がジャケットの襟が開いていてスポンサーのロゴが隠れていることに気づき、璃来選手のジッパーを上げてあげた時のしぐさを思い出させます。
木原選手のまめまめしさが「過保護なオカン」っぽいのも面白いのですが、その一方で璃来ちゃんがスマした顔でされるがままになっているのがサイコー。
これ、正直海外(つまり日本以外)の選手や視聴者が見たらどういう感想を持つのか知りませんが、微笑ましいのは間違いない。
なお、インタビューではNHK杯のためにトロントから札幌へと移動した際に、木原選手が色々とハプニングがあって落ち込んだ、と言っていましたね。
大会が始まる直前にアイスダンスの小松原尊選手がツイッターでロスバゲで困っているとつぶやいていましたよね?実は木原選手も同じく荷物が一つ、出てこなかったのですが、衣装やスケートの入ったスーツケースではなかったため、あまり表沙汰になっていませんでした。
出てこなかった、というよりも、そもそもカナダからのフライトに乗っていなかったんですよね、荷物が。トロントの空港に取り残されていた、と聞きました。
これは数カ月前から続いてる事態なのですが、特にトロントやモントリオールなど、カナダの主要な国際空港では荷物の積み間違い、積み損ない、が多発しています。なので、当然のことながら被害に遭うと大変な迷惑ですが、サボタージュなどの問題ではなく、荷物を扱うスタッフが人手不足なのでなかなか今後も改善されそうにありません。
小松原選手も、木原選手も、とにかく最終的には荷物が届いて良かったですね。
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さて、最後になりましたが、ブルーノからのお言葉。
シーズン前半の最も大きな大会が迫っている中、りくりゅうの仕上がりについては通し練習での出来栄え、そしてリンクでの姿勢・態度が良いことに満足しているようです。
なのでトリノで
「リクとリュウイチは、ただ自分達らしくあれば良い」
と言っていました。
以前のインタビューで言っていたことと同じですね。誰か別の選手たちと比べるのではなく、自分たちの出来る最善の演技を目指すことに集中する。
そこで何となく、私の脳裏に浮かんだのが
No fear
という言葉でした。
直訳すると「恐れは存在しない=怖くない」みたいになるかしら。
怖がることはない、のとちょっと違って、そもそも、恐れはないのだから、感じることもあるはずがない。
(ちょっと古くてマニアックですが、「ロッキーIV」でシルベスター・スタローンが試合中にセコンドと合言葉のように掛け合う「No Pain(痛みなんかないぞ!痛くないぞ!)」みたいな感じで)
準備としてやるべきことはやり、自分たちの力はすでにGP2戦で確認し、証明している。高スコアはまぐれではなく、実力を反映しているに過ぎない。
だから
No Fear.
Nちゃんがプリントしてわざわざ日本から送ってくれたスポニチ号外
両方の写真とも、長久保カメラマンのナイス・チョイスです