2022年4月8日・9日とシンクロナイズドスケーティングの世界選手権を手伝いに行ってきました。
私の家から高速を飛ばして行けばだいたい35分ほどで着く距離のハミルトン市で行われていたので、気軽に参加できたのが良かったです。
すでに書きましたが2015年にも全く同じ会場でワールドが開催されていたこともあり、何だかとても馴染みやすい現場でした。
ただ、やはりまだコロナ禍の影響があって、受付で事前に受けて来たPCR検査の証明書を提出し、しかも抗原検査を受けることが義務付けられていました。
これって正直、1月のナショナルズより厳しい?かと思いましたが、世界中から選手が来ているので、ボランティアと言えど(特にメディアゾーンで選手に近い持ち場では)必要なのだとは思います。(ナショナルズの時はPCR検査の結果だけを提出しました)
さて、一日目のショート・プログラムの日は試合開始2時間程前に会場に到着しました。必要以上に現場に入る人数を増やさないよう、ということもありましたが、練習中はメディアに対応することがないので私もやることがないのです。
チームが演技後、取材を受けるミックスゾーンはすでに設置されていて、ナショナルズでも活躍したニール君がリモート取材のセッティングや、インタビューの段取りを完璧に準備をしていました。
(以下、写真はSkate Canada Media Team: uploaded with permission ということになります。)
7年前の大会よりもかなり広々とスペースが取られている感じです。選手たちも速やかに演技と取材が終わるとその場を離れるよう、促されていました。
ニール君はインタビュアーの役割が大好きらしく、スーツを着込んで髪の毛もピンク色に染めています(ヘアカラーは普段でもしてるんでしょうけど)。
大会自体はオーストラリア、ベルギー、カナダ(2)、クロアチア、チェコ、スペイン、フィンランド(2)、フランス、イギリス、ドイツ、ハンガリー、イタリア(2)、日本、オランダ、ポーランド、スイス、スエーデン、トルコ、そしてアメリカ(2)の19カ国から23チームが参加するという、ワールドだけあって大掛かりなものでした。
イマイチ不勉強でどういうルールに従って枠取りが決まるのか分からないのですが、カナダ、アメリカ、フィンランド、そしてイタリアが2チームを派遣していました。
シンクロで伝統的に強いとされているのはフィンランド、スエーデン、カナダ、アメリカ、そして近年はロシア(今大会は不参加)です。2000年から開催されるようになった世界選手権ではこの5国だけでメダルを独占しています。
また2020年のワールドはアメリカのレイクプラシッドで開催される予定でしたが、コロナ禍のために中止となり、今大会が二年ぶりの世界選手権となったのでした。
ライブストリーミングは皆様ご存知のテッド・バートンさんが担当。ISUからはメディア・チームが来ていて、同じミックスゾーンで楽しく仕事をしました。
ビデオグラファーが活発に選手たちを追って撮影した映像が、楽しいモンタージュになって早速ISUの動画チャンネルに上がっています。
久しぶりにシンクロの大会の現場に立って、「ああ、そういえばそうだった」と思ったのは通常のフィギュアスケートの大会と比べて「騒々しい」(別に悪い意味じゃありませんよ)ということでした。
まず、舞台裏でもずっと音楽が流れていて、ウオーミングアップ・エリアではチームがプログラムをリハーサルしたり、踊ったり、檄を飛ばすために叫び合ったり、とそれはそれはものすごい賑やかさです。
また、試合中もキスクラでスコアが出ると、良かったチームは大喜びして跳んだり跳ねたり抱き合ったり。そして裏でも順位が決まると遠慮なく叫び声が上がります。
例えば初日のトップグループではフィンランドの「ヘルシンキ・ロケッツ」がとても良い演技をして高得点をマークし、あと1チームを残した時点で暫定首位になりました。そして最後に滑った同国の「マリーゴールド・ユニティ」(優勝候補)のスコアが出て予想よりも低く、4位となったのを知るや
「ひょおおおおおおおおっ!」
とも
「ふほ~~~~~~っ!!」
とも知れぬ(興奮と喜びの)嬌声がロケッツのメンバーから上がってビックリしました。
こういうのがもしもフィギュアスケートで起こったら、どうなるんだろう、とか思いながら、しかしこれがシンクロではあまり珍しくない光景なのかも、などと一人で(マスクの裏で)クスクス笑っていた私でした。
ISUチャンネルに「マリーゴールド」のSPの動画が上がっていますが、6分10秒辺りからスコアのアナウンスがあり、良ーく聞いていると拍手に混じって裏の叫び声が聞こえてくると思います。
(つづく)