カナダの有名人とアスリートとオリンピックとツイッターと | 覚え書きあれこれ

覚え書きあれこれ

記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

今週はまだ記事を書いていなかったので、なんぞ良いネタはないかと考えていたんですが、せいぜい思いつくのが

 

「意外とカナダ人だと知られていない有名人」

 

といった無難なトピック。

 

それじゃあちょっと物足りないわ、と思ってもうひとひねりしました。

 

 

発端は先週末のスーパーボウルを見たことでした。試合は大差でトム・ブレイディ率いるタンパ・ベイが昨年の覇者カンサス・シティを破ったのですが、私が注目していたのはハーフタイムショーを任された「The Weeknd」というアーティストでした。

 

正直、彼の曲や人となりを良く知ってるわけではなかったんですが、さんざんその前の週は新聞やメディアで

 

「カナダ人のアーティストがソロでスーパーボウルのハーフタイムショーを演じるのは初めて」

 

という風に騒がれてていたので、これは見ないと、と思ったのです。

 

 

 

 

結果的にはなかなか見ごたえのあるステージとなりました。NFLの公式チャンネルにもその模様がアップされています。

 

 

 

 

実を言うと私はこの「The Weeknd」がカナダ人であることも知らなかったんですよね。それで、良く考えてみたら昔から今に至るまで、北米の人気アーティストにはカナダ人がけっこう紛れ込んでることがあるなあ、と思ったのです。

 

もちろん、ファンは好きなアーティストがどこの出身であるか、を知っているでしょうけど、なんとなく一般的には北米の音楽界や芸能界と言うと、「=アメリカ人」と見なしがちじゃないでしょうか。

 

そこでパッと思い浮かぶところを挙げてみると:

 

Justin Bieber

 

(Photo from Daily Mail)

 

Shawn Mendes

 

 

(Photo from Billboard.com)

 

 

などの若手スーパースターは二人ともオンタリオ州の小さな町の出身です(ジャスティン・ビーバーはストラットフォード、ショーン・メンデスはピカリング)。

 

二人でコラボもしてたりして:

 

 

 

 

ラッパーのDrakeはトロント出身でそれを作品の中でも良くアピールしています。

 

 

(Photo from Rolling Stone Magazine)

 

 

2016年のアルバム「Views」のカバーには、CNタワーのてっぺんに座っている(様に見える)ドレイクの画像が採用されています)

 

 

 

 

 

ドレイクはNBAのトロント・ラプターズのサポーターとしても有名。

 

 

Photo from Sportsnet

 

 

この他にも Celine Dion Avril Lavigne、そしてKD Lang (彼女のバージョンの「ハレルヤ」はよくフィギュアスケートのプログラムにも使われています)などもカナダのアーティストです。大昔で言えばポール・アンカ、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェルブライアン・アダムズなんかもいます。

 

で、そう言えばカナダ人の俳優もちょくちょく有名な人がいるんだった、と思い当たります。ジム・キャリー、マイケルJ.フォックス、ドナルド・サザランドはちょっと古いですが、最近で言うと Ryan Gosling Ryan Reynolds などは日本でもお馴染みではないでしょうか。

 

「ラ・ラ・ランド」に出演したゴスリングはオンタリオ州ロンドン市出身

 

 

 

 

「デッドプール」シリーズに出ているレイノルズはバンクーバー出身。

 

 

 

 

この二人、よく似てると言われててギャグのネタにもなるほどです。ファーストネームが同じなのもよけい紛らわしい。

 
(確かに似ています。左がレイノルズ、右がゴスリング)
 
 
さて、ここまで長い前置きがいったい、記事のタイトルとどう関係しているのか、と疑問に思われるかも知れません。
 
でもちゃんと繋がりはあるんです。
 
(まあ、こじつけと言えばそうとも言えますが)
 
ライアン・レイノルズは昨年の三月、母国のカナダでパンデミックの影響から医療現場が苦境に立たされているのを助けようと、とあるリツイートをしたのです。
 
それがこちら:
 

 

 

 
ファンに呼びかけて、病院で使う防護服やマスクなどの寄付を募っています。そして応じてくれた人には「僕から素敵なプレゼントをする。カスタマイズされた動画だとか、サインだって何にでもする。デッドプールのボブルヘッド人形や映画関連グッズも送るから」とえらく大盤振る舞いをしたんですね。
 
で、レイノルズが助けたいと思った「@wick_22」とはヘイリー・ウィッケンハイザーという、カナダの女子アイスホッケー界ではまさにレジェンド級の存在です。
 
ウィッケンハイザーはカナダ代表として冬季オリンピックに出場すること5回(内、4度優勝)、夏季オリンピックにもソフトボールで出ています。引退後、改めて大学に戻って救急医の道を目指し、現在は医学部最終学年に在籍して医療の現場に携わっています。
 
そこで防護服などさまざまな資材が不足していることに危機感を持ち、ツイッターで寄付を呼び掛けたところにレイノルズが乗って来た、という経緯があります。
 

 

 

 

レイノルズのサポートもあって、寄付はしっかりと集まったことで大きなニュースになりました。カナダと言えばホッケー、ホッケーと言えばカナダ、というつながりが上手く実を結んだ良い例として、心温まるニュースでした。

 

そのウィッケンハイザーが現在、日本のメディアで取り上げられているのを見かけました。

 

ウィッケンハイザーはIOCのアスリート・コミッション(選手委員会)のメンバーとして2014年から8年の任期をもって選出されているため、当然のことながら東京オリンピックの開催にも関係しています。

 

そこで昨年は自らの医療現場での体験から、2020年3月17日付で以下の様なツイートを発信しています:

 

 

 

 

東京五輪がパンデミックのさなか無事に開催されるのか、について疑問を呈したこのツイートによって、ウィッケンハイザーはかなり各方面から「見切り発進」などと非難を受けました。しかしこの五日後の2020年3月22日にはカナダのオリンピック委員会が正式に代表チームを派遣しない、と発表しています。

 

それから一年が経とうとしていますが、先だってこのブログでも記事にした森喜朗氏の発言について、ウィッケンハイザーが数日前に発信したツイートが話題になっているようです(コメント欄ではめいこさんにも教えて頂きました!)。

 

 

 

 
最初にこのツイートを見た時、私はウィッケンハイザーが東京五輪の会場のどこかで、IOC委員が集まるような朝食バイキングがあった場合、
 
(実際はソーシャルディスタンスの関係でそういったバイキング形式はないでしょうけどね)
 
森会長を見つけて、「ところであのご発言について、ぜひとも伺いたいんですけどっ!」と詰め寄る図を想像して笑えたのですが、どうやら日本の一部のメディアでは彼女の発言を訳す際に妙なニュアンスを付け加えていて、それが気になりました。
 
特にスポーツ報知のこの二つの記事:
 
 

 

にはちょっと違和感。

 

 

ウィッケンハイザーが橋本聖子五輪相に例えられたことに私がよけい敏感になっているのかも知れませんが、

 

冬季・夏季のオリンピックに出場してアスリートとして成功したという点は共通しているのは事実でも

 

ウィッケンハイザーは政治家ではありません。

 

あくまで五輪開催に関してはアスリートに正式に選ばれた代表委員として発言しているわけで、そこはちょっと押さえておきたいポイントです。

 

またこの度の件ではオリンピック組織の中心的な委員会に参加している女性としての立場からも森氏の言った一連のことに異議を唱えているのであって、ごく妥当な反応ではないかと思います。

 

さらに言えば、「朝食のバイキング会場」、というシーンを想定している時点で、「definitely going to corner」「~~を絶対に追い詰める」と、なんだか物騒な訳にしてしまうのは妙な気がします。

 

せいぜい、森さんがお皿を持って料理の前で並んでいるのを良い事に、ヘイリーが呼び止めて問い詰めてタジタジとさせる、くらいの感覚です。

 

 

 

 

 

まあ大会開催まであと5カ月、という切羽詰まった時期に組織委員会に変動が起こり、色々と緊迫した状況であるというのは分かるのですが。。。

 

というわけで、紆余曲折を経てゴール地点に到着、本日の記事とします。

 

 

次はスコット・モイヤーがヘッドコーチに任命された新しいスケートクラブについて、書くつもりです。