グランプリ大会のアサインがそろそろ出ないとおかしいのは分かっていても、いざ出て来ると
「あら、出たわ」
という驚きの混じった気持ちになりました。
実は昨年の6月に同じ言葉をタイトルにした記事を書いているのですが、もちろん、全く違う状況でした。
https://ameblo.jp/mkp2012/entry-12483915526.html
あの当時は羽生選手がケロウナのGPスケートカナダに出る、というニュースを受けてとても喜んだのを思い出します。
さてその羽生選手が出ない今年のGPシーズンですが、ラインナップを見ると(大勢の人がすでに言っている通り)「グランプリって言っても名前だけで、国内大会プラス招待選手やん」という感想です。
でもこれはずいぶんと前からISUも言っていたことだし、こちらも分かっていたことなので、現状の中では精一杯の苦肉の策、と捉えた方が良いのでしょう。TIFF(トロント国際映画祭)の時も思ったことですが、こういう苦境だからこそやる意義がある、というのも事実です。
本当に厄介なコロナの奴めは、ブスブスと燻っている火種の様に、ちょっと気を許すと勢いを増す。疫学では「第二波」というと、いったん収まった感染症の流行がまた新たに始まることを指すようですが、新型コロナの場合は感染者数が減る時期があっても第一波の流行が終焉したわけではなく、こっそりずっと続いているのだそうです。
そんな中、グランプリシリーズを開催しようと言うのですから、主催者たちはさぞ緊張していることでしょう。
GPスケートカナダに話を絞りますと、会場となるオタワはオンタリオ州の非常に厳しい制限の中、もちろん無観客開催。会場内では選手やコーチ、オフィシャル、そして大会運営スタッフなどがいかに効率的に行き交うかが注目されます。
ISUのカナダ大会のページを見ると:
チーム向けの文書が載っています。
これの8ページ目に感染症対策の項があって、人の出入りについて記載されています。
Skater & Coaches, Officials, Volunteers, OC Staff, Television Production and Venue Operations Staff/Suppliers will be separated into specific Cohorts and will be required to stay within their assigned Cohorts for the duration of the event. Each Cohort wil have defined areas, within the venue, where they will be permitted to enter, and each area will be strictly monitored. The time of entry and exit of the venue for each Cohort will be strictly observed as will the movement within the venue.
「コーホート」というあまり見慣れない言葉が使われています。どういうことなのかちょっと考えたんですが、何となく「決められたグループごとに行動して、むやみに接触する人の数を増やさないための策」かな、という気がしています。つまりいつも同じ面々でホテルと会場を行き来して、会場内でもうろつかず特定の場所から出入りして、しかも一緒にいる時間を最低限に保つ、とかそういうことじゃないかと。
十月の半ばにはもう少し細かい所まで、選手やコーチたちにも指示が行き渡るのではないかと思います。
現時点で出場するのは
男子:
Nicolas Nadeau (CAN)
Nam Nguyen (CAN)
Conrad Orzel (CAN)
Joseph Phan (CAN)
Roman Sadovsky (CAN)
Mark Gorodnitsky (ISR)
Junhwan Cha (KOR)
Jason Brown (USA)
1月のカナダ選手権に出ていた選手たちと同じような顔ぶれですが、アラスカで練習中のキーガン・メッシング選手はスケアメに出場。そして同じくアメリカで練習中のスティーブン・ゴゴレフ選手もスケアメということです。
逆にカナダで練習しているジェイソン・ブラウン選手はスケカナに出場。
ちょっとびっくりしたのは、スケカナのラインナップに韓国のジュンファン・チャ選手が含まれていたことです。クリケット・クラブに所属している選手はなるべくスケートカナダに出るように奨励している、とオーサーさん達が言ってた気がするんですが、それはそれとして、チャ選手はいったん韓国に帰っていたのが果たしてカナダに戻って来れるのかな?とか。
未だにカナダは(特にアメリカ以外からの)入国審査が厳しいのでちょっと不思議に思いました。
女子:
Emily Bausback (CAN)
Alicia Pineault (CAN)
Madeline Schizas (CAN)
Alison Schumacher (CAN)
Beverly Zhu (CHN)
Satoko Miyahara (JPN)
Ekaterina Kurakova (POL)
宮原選手の名前があるのは本当に嬉しいです。ずっとトロントに残ってロックダウンの間も頑張っていた彼女ですから、ぜひぜひこの大会が実現して、彼女の滑りが披露されることを祈っています。
そしてチャ選手同様、ポーランドのクラコワ選手の名前があるのが驚きでした。まあ今後の展開を見るしかないですね。正式なエントリー表が出るのはもうちょっと先ですものね。
アイスダンス:
Holly Harris / Jason Chan (AUS)
Laurence Fournier Beaudry / Nikolaj Sorensen (CAN)
Alicia Fabbri / Paul Ayer (CAN)
Piper Gilles / Paul Poirier (CAN)
Marjorie Lajoie / Zachary Lagha (CAN)
Molly Lanaghan / Dmitre Razgulajevs (CAN)
Haley Sales / Nikolas Wamsteeker (CAN)
Carolane Soucisse / Shane Firus (CAN)
Lilah Fear / Lewis Gibson (GBR)
Olivia Smart / Adrian Diaz (ESP)
(青字は Ice Academy of Montreal 所属選手)
驚きと言えばアイスダンスの出場選手たち。私はてっきりデュブルイユ&ローゾン夫妻のアイス・アカデミー・オブ・モントリオールにいるトップ選手たちが皆、スケカナに顔を出すのかと思っていたのですが、予想は外れました。
パパダキス&シズロン組はフランス杯に出るらしいし、ハベル&ドノヒュー、ハワエク&ベイカー、そしてチョック&ベイツ達は皆、スケアメに出ると言うではないですか。
いったん自国に戻ったら、たとえアメリカからでも、カナダに必ず再入国できる保証はないでしょうに。
ただまあ、ワールドランキングの上位を占めるたくさんの組が一つの大会で総当たりになるっていうのは確かに良い策とは言えないですよね。いくら「なんちゃってGPシリーズ」だったとしても。
そしてコーチの移動に関して言えば、
例えばマリー・フランスさんが最初の大会でアメリカに行ったとして、彼女はカナダ人だから大会が終わればまたこちらに戻って来れる(帰国後の自主隔離期間はあるでしょうけど)。
翌週、ローゾンさんは奥さんが自粛している間、カナダの大会で教え子たち(何だかんだ言って出場10組中6組)に帯同する。
ロマン・アグノエルさんもスケカナに来るかも知れないですね、たとえその後でフランス大会にパパシズ達(そしてラリオー&ルガック組もいましたね)と赴くにしても。
フランス人のロマンさんがカナダに戻って来るとなるとどうなるのか知りませんが、もしかすると永住権を持っているかも知れないし、少なくともコーチとしての就労ビザがあるでしょう。もちろん、そのままフランス人選手たちとフランスに残るとすれば問題ない。
モントリオール・チームにはそういった意味で色々と選択肢があります。しかも彼らは比較的、年齢的にも若いですからね(そこがクリケット・クラブのコーチ陣とはちょっと違う)。
補足:ヨーロッパと北米についてしか書いていませんでしたが、良く考えてみればモントリオールからは中国杯とNHK杯にも所属チームが出場するのでした。この場合、コーチ陣はアジアまで遠征するのでしょうか?
さあ、そしてペア:
Lori-Ann Matte / Thierry Ferland (CAN)
Kirsten Moore-Towers / Michael Marinaro (CAN)
Natasha Purich / Bryce Chuda (Can)
Camille Ruest / Andrew Wolfe (CAN)
Evelyn Walsh / Trennt Michaud (CAN)
Riku Miura / Ryuichi Kihara (JPN)
おおー、リクリュウ達の登場です。良かった良かった。彼らも宮原選手同様、ずっとカナダに残って練習していたので、こういった形でその努力が報われればベストです。
それにしてもこのメンバーを見ると、外国人選手を含めてほぼ全員がモントリオールとトロント近郊を練習拠点にしていることが分かります。例外はブリティッシュ・コロンビアから参戦する女子のバウスバック選手とアイスダンスのセールス&ワムスティーカー組、かな?
かなりの偏り方ですよね。
