パレードの成功を祈っています(カーマイケルさんからのお写真とともに) | 覚え書きあれこれ

覚え書きあれこれ

記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

先週末の羽生選手のアイスショーについては、私自身、現地でも、生放送も、録画も観ていないので、ごくざっくばらんな感想しか書けないのですが。

 

2016年のNHK杯で、FSを滑り終えた後の羽生選手の表情を思い出します。

 

 

おおおお~~

 

 

この時の彼の顔が全てを物語っている、と私には思えるのです。

 

愛する日本で、ファンの暖かい声援に包まれる時、彼の心は一番喜びを感じる。そんな様子がにじみ出ています。

 

過去6シーズン、カナダのクリケット・クラブに練習拠点を置いて過ごしてきたけれど、スケートをするために体は外国にあったけれど、羽生選手の心はいつだって日本に留まっていた。そして年月がいくら経っても、母国への思慕は薄れるどころか募るばかり。

 

若者らしい日常は諦め、プライバシーの侵害の危機にさらされ、怪我や病気にも耐え、ただひたすら練習と研究に明け暮れてフィギュアスケート界の頂上を目指した。そして見事、それを成し遂げた。今となっては誰も、男子フィギュア史上における羽生結弦の"Greatest Of All Time" の地位を疑う者はいない。

 

しかし夢がかなってようやく、自分の支払って来た代償の大きさを振り返る時間ができたのかも知れない。オリンピックで大きな「HIGH=高揚」を感じた者は、それに比例して直後に感じる「LOW=落ち込み」も尋常ではない、とアスリートたちは口々に言います。羽生選手の場合、この度の平昌五輪でソチの時とは比べ物にならないほどの達成感と安堵を味わったあと、途方もない疲労と脱力感に襲われたことが推測されます。

 

それでも気を取り直してContinues~With Wingsのアイスショーを企画し、全ての段取りを整えて挑んだ三日間。溢れるほどのファンの愛と暖かいエネルギーを一身に受け、いったんは落ち着いたかのように思えた激情が押し寄せて来たのでしょうか。

 

ただいま。本当に辛かったよ。でも、今、こうやって皆の前に立っている。やっと帰って来れたよ。待っててくれてありがとう。

 

 

*****

 

それにしてもつくづく、あのショーは羽生ファンにとって極上のプレゼントでした。普段はほとんど触れることの出来ない、羽生選手の生の話し声、編集なしのコメント、滑っている時以外の彼の姿。なんと貴重だったことでしょうか。

 

そう考えると、彼の口から次々と零れ落ちて来る言葉を、日本語で理解できることの有難さが感じられます。以前の記事で「海外のメディアと羽生選手の関係」について書きたいことがある、と言いましたが、彼のアスリートとしての考え方や言葉の数々が、もっともっと世界中に広く知られたら良いのに、と思うことがしょっちゅうあります。でもそれはなかなか実現しない。なぜなら私が目撃しただけでも、大会中は日本以外のメディアの入り込む隙がないから。

 

 

Photo by Skate Canada

 

どれだけ海外メディアが羽生選手に取材したくとも、その機会が与えられないから。取り上げたくとも、記者会見でのほんのわずかな質問しかできず、データが圧倒的に足らないから。そういった意味では大手の海外メディアが今後、羽生結弦というアスリートの素晴らしさを存分に伝えられるよう、それなりのアクセスが与えられることを期待しています。

 

*****

 

 

さて、いよいよ4月22日はまさに「ホーム」の仙台でのパレードが開催されますね。お天気も良いとの予報で何よりです。羽生選手が、自分の成し遂げた偉業によってどれほどの人々を幸せにしたのか、どれほどの喜びと勇気を与えることが出来たのか、集まった観衆の数と声援によって最もダイレクトに実感してくれれば、と祈っています。

 

最後にカーマイケルさんが平昌で撮った何千枚もの写真を必死で整理して送ってくださったものの中から、心から感謝して、ほんの数枚だけご紹介させていただきます。

 

いつものように、シェアなさる場合は必ずカーマイケルさんのお名前を添えてくださいね。

 

 

これもすでに以前書いたことですが、カーマイケルさんの写真はあまり多くの編集を施さないためか、その試合・その演技におけるその選手の「素のまま」をよく反映していると思います。

 

すでに平昌での羽生選手のFSの写真は数多く、出回っていますが、カーマイケルさんから届いた以下のショットはそれらとはかなり違う気がします。羽生選手の気迫に満ちた、青ざめた表情がこちらの胸に訴えてきます。どれだけの思いを込めて演じたのか、もちろん後になってこちらが感情移入していることもあるでしょうが、よく伝わってくると私には思えるのです。

 

 

Photo by David Carmichael (February 17, 2018 - PyeongChang Olympics)

 

 

Photo by David Carmichael (February 17, 2018 - PyeongChang Olympics)

 

 

Photo by David Carmichael (February 17, 2018 - PyeongChang Olympics)

 

 

その一方で、エキジビションでのスワンの演技では頬に血の気が戻り、表情も一変して穏やかで神々しい。

 

 

Photo by David Carmichael (February 25, 2018 - PyeongChang Olympics)

 

 

Photo by David Carmichael (February 25, 2018 - PyeongChang Olympics)

 

 

Photo by David Carmichael (February 25, 2018 - PyeongChang Olympics)

 

 

Photo by David Carmichael (February 25, 2018 - PyeongChang Olympics)

 

 

Photo by David Carmichael (February 25, 2018 - PyeongChang Olympics)

 

 

↑ この最後の写真には、思わず映画「愛と青春の旅立ち」のサウンドトラックとしてヒットした "Up where we belong" の歌詞を(かなり)もじって

 

LOVE WILL LIFT YOU UP WHERE YOU BELONG

WHERE THE EAGLES CRY, ON THE MOUNTAIN HIGH

 

 

という言葉を捧げたくなります。

 

仙台に足を運ばれる皆さん、遠くから声援を送っている私たちの分も精一杯、大きな声で叫んできてくださいね。

 

羽生選手、おめでとう。ありがとう。あなたの幸せを祈っています。