2016年NHK杯総括ポッドキャスト:抜粋と「ツボ」レポート | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...




11月27日にアップされたカートさんとクオンさんのNHK杯総括ポッドキャストについての記事です。

男子の結果についてのところだけ、抜粋してお伝えしますね。

(ってか、はっきり言ってほとんど羽生選手のことしか話してないんですが。。。)





まず、-13:15(終わりから何分、と言う風にカウントダウン式に表示されるので)のところから、クオンさん

I said in my predictions, "This is where Hanyu wakes up. And guess what? He woke up"

CBCのホームページに載っているクオンさんの大会プレビューで、彼女はNHK杯で「ハニュウが覚醒する」と予想して、「で、どう?彼、目を覚ましたでしょう!」と自画自賛。



ここからの二人のやり取りが面白い:

"His third highest in the Short Program, 103.89"
 "Third highest, for him?"

 "Yes"
 "That day!"


"That day"


クオンさんが羽生選手のSPスコアが「103.89であったことに触れ、それが上から三番目(実際は4番目、ですが)に高いスコアであった、と言うと、カートさんは「三番目に高い、って、彼にとって?」と言う。

つまりこれまで羽生選手が何度も自身の持つSP最高記録を塗り替えてきていることを踏まえて、さらに(彼にとって)その日の(三番目に高いスコア)、って話だからね」とあたかも羽生選手にとっては日常茶飯事であるかのように言う。


その後、フリー演技後の羽生選手のインタビューに話が移行します。




(ここでクオンさんが「日本のファンからそのインタビューの翻訳が届いたんだけど」と言ってますが、実はそれ、アタクシのことなんです。。。


「その中で特に印象に残った言葉は?」とクオンさんに聞かれ、カートさんがまず挙げたのは:

羽生選手が四つのクワッドをフリーで入れて、「しっかり回りきっての四つ、というのは初めてですし」と言ったくだりについて:

He is really hard on himself.
「自分に対して、本当にすごく厳しいね。」


と、感心する。

四つ入れて来ただけでもすごいのに、ということでしょう。


また、インタビューの冒頭で「昨日のリベンジがしたくて、ループはなんとか耐えたんですけれども」と言っているのも、カートさんにはウケたらしく:



Love that terminology: "exact revenge". He wanted revenge on the quad loop.
あの言葉使い、すごく良いねえ
「リベンジを必ずしてやる」って。クワッド・ループにリベンジしたかったんだって、彼。

ちなみにこの部分、私は単に"I wanted to take my revenge on yesterday's performance"って訳したんですが、それを読んだカートさんの頭の中ではすっかり"EXACT REVENGE"にすり替わっていたようです。

(なお、この場合のEXACTは他動詞であって形容詞ではありませんので、念のため。)

もちろん、カートさんの解釈の方がすごく強い思い入れを表しているので、この続きからも分かるように、自分が羽生選手の気持ちになり切っていることの証明かも知れませんね?

Like, that's the kind of language, like...
こういう言葉遣使いっていうのが、なんだろう。。。

I remember what is was like to compete,  and you were competing in two competitions. One, against everyone else, and one against yourself.
ぼくも自分が現役だった頃のことを憶えてるんだけど、闘いっていうのは二つあるんだよね。一つは他の皆が相手、そしてもう一つは自分自身が相手。



And nobody's hitting the tennis ball at me, and I gotta run over and hit it back. And counteract his spin, and blablabla blah blah. It's MY MOMENT.
テニスボールを誰かがぼくをめがけて打って来て、ぼくもそれを必死で追いかけて打ち返さないといけない、ってわけじゃない。「あいつのスピンに対して俺はこう返してやるんだ」、とかね。じゃなくて、これは「自分の、出番」なんだよ。

So figure skaters are like, it's all like this mind-game stuff that's going on in your head.

だからフィギュア・スケーターっていうのはもう全て、ここの頭の中での頭脳作戦みたいなのが展開されてるわけでしょ。


It's not like it's Fernandez going like "Hey Hanyu! Woohooohooo!" and you know, trying to distract him.
で、例えばフェルナンデスが「おーい、ハニュウ、ヤッホー」とか言って、気を散らそうとかしてるわけじゃない。

この時、カートさん、手を大げさにバタバタ振り回す


He is in the back,
違う、フェルナンデスは裏に控えてるわけで。

ここでクオンさんもノリが良く:

That would be funny.

でもそんなのだったら面白いわよね。

That would be AWESOME, wouldn't it?
だったら超・面白いよね、確かに。



カートさん、ちょっと真面目に話を戻して:

But it's internal. So there's two competitions, against them and against yourself.  And Hanyu's competition against himself, IS IN-TENSE. Patrick's is too.
まあとにかく、闘いは内面的なもの、なわけ。二つの闘いね、他の奴ら相手と、自分相手との。そして羽生の自分相手の闘いは、アツイ。パトリックも似たような感じだけど。

I think they're all pretty intense.
(他の選手も)皆、けっこうアツイと思うけど。

Hum, not Javi. Javi Fernandez is pretty chill when it comes to himself. He goes "Aaah, I'll get it next time."
いやー、ハビは違うな。ハビ・フェルナンデスは自分のこととなるとけっこうリラックスしてるタイプ。「あー、まあ次、頑張るわ」みたいな感じ。


と、カートさんはハビエルの人格をよく知っているだけに茶化す。そして話はまたちょっと変わり、


Hanyu said he felt like a rockstar out there. What do I call him all the time?
ところでハニュウは自分がロックスターみたいな気分になれた、って言ってたよね。で、ぼくはいっつも彼の事をなんて呼んでる?


"A rockstar" (Whisper)
(ささやき声で)「ロックスター」でしょ。


So Yuzuru, heard Kurt, as we all do.

というわけで、ユヅルはカートの言ったことをちゃんと聞いてる、ってことよね。ま、みな、カートの言うことには一目置いてるけど。


Well, when I choreographed for him, I kept telling him "You're a rockstar", this Doors' number that we did together, he did, I helped,
うん、まあぼくが彼の振付をしたとき、ずっと言い続けてたんだ。「君はロックスターなんだよ」って。あのドアーズのナンバーを一緒にやった時ね、まあ、やったのは彼で、ぼくは手助けしただけ、だけど。


と、嬉しそうに述懐する。

確かにカートさんは大昔から、羽生選手がロックミュージシャンのようなスターパワーがある、と言い続けて来ました。なので今回、初めて本人の口からその言葉が聞けて嬉しかったのだと思います。


そして最後の締めくくりで:

Congratulations on your success Yuzuru, and the fact that you woke up.
とにかくユヅル、本当に良かったわね、素晴らしい成績だったこと、そして目を覚ましたこと、に対しておめでとう!


と、クオンさん。


以上、私のカート&PJのポッドキャストにおける「ツボ」レポートでした。