その前にスケカナに関する最後の記事をアップしたいと思います。
あ、ところでメディアセンターで今年も一緒に楽しく仕事をした広報のEさんからケヴィン・レイノルズ選手のKILLARNEYでのスケート教室の模様がツイッターで流れましたね。
スケートカナダ(連盟)は日本の皆さんの声をとっても真剣に聞いてますよ!!
さて、前述のベヴァリー・スミスさんの書いたもう一つの記事、Skate Canada International a weekend of golden firstsにもありましたが、今大会の記憶に残るハイライトとして無良選手の優勝時の様子と並んで、宮原選手の3位獲得が挙げられていました。
宮原選手にとって「ミス・サイゴン」はいわゆるハマリ役、だと思います。
衣装よし、コレオグラフィーよし、そして曲中の歌詞の入りどころが絶妙でした。
実際、インタビューされている宮原選手の言葉に、「歌詞の入っている部分を特に気を付けて表現した」ということがありましたが、まだ幼い彼女に子供を想う母親の心情が演じられるのかどうか、と思われたかも知れません。
しかしあの場面を見るともう胸が詰まると言うか何と言うか、思いつめた表情が素晴らしかったです。
自宅に戻って観たTSNの放送ではトレイシーさんとロッドさんが彼女の演技を絶賛していました。
技術は「EXQUISITE」、そして何と言っても「腕と手の表情が素晴らしい」とトレイシーさんが言ってました。
確かに宮原選手の手は美しいです。爪の先まで気持ちがこもっていて、観ている者を魅了します。
そして彼女のフリー演技が進むにつれ、ロッドさんは
「どんな大会でも、一つは『A-HA MOMENT』を期待したいものなんだけど、どうやらこれがそれのようだね」
と言ってました。「A-HA MOMENT」とはこの場合、人を「おおお~」と唸らせるような瞬間、ということだと思いますが、宮原さんが最後のポーズを決めたとたん、ロッドさんが
"A-HA!!"
と叫んだのが面白かったです。
それにしても宮原選手が非常に聡明な少女であることは間違いありません。口数は少なく、極めて静かでありながらも内には凛としたものが感じられます。
そんな宮原選手の三位入賞が決まり、さあ記者会見のためにメディアセンターに連れて行く途中のことでした。
コーフンした私は何度も彼女の方を振り返って
「本当に良かったです。感動しました。」
と言いました。
それに小さな声で、はにかみながら
「ありがとうございます」
と答えるサトコちゃん。
それでやめときゃいいのに私は調子に乗って
「すごいですよね、初めてのGPS大会で3位に入るなんて」
と言ったのでした。
すると宮原選手はほんの数秒の微妙な沈黙のあと:
「え、あのでも、私、去年もグランプリには出てるんです。ロステレコムとNHKと」
...
おおおおお~~~ッ!!!なんという失態!!!!なんという失礼!!!
「ごめんなさい、ごめんなさい」を連発しつつ、
「ほんとにねえ、訳の分かってないオバちゃんだからねえ」
と関西人特有の「これでもか・たたみかけ」攻勢。
宮原選手はさぞかし不信感を募らせたことでしょう。
ああ今思い出しても顔から火が出ます。ファンの皆様も本当にすみません。
まあそれでも何とか記者会見にこぎつけ、席に着くと宮原選手はしっかりとした口調で質問に答えていました。他の選手たちが答えている間も聞き入り、真剣な面持ちだったのが印象的でした。
若いのにすごい落ち着きです。将来が楽しみですね。
さて、2014年スケートカナダのレポートをここいらで終えるにあたり、急遽の参加依頼にも関わらず、一緒にエンジョイしてくれたお友達のSさんのことを書かずにはいられません。
Sさんはこのブログでも度々ご紹介しているように、カリスマ・アーティストなのです。今年のハロウィーンはお子さんのために驚異のパンプキン彫刻とコスチューム作りをなさったにも関わらず、本番の31日を不在にさせてしまって申し訳なかったです。
これ ↓ 分かりますか?カボチャの皮を彫り、ほんの少しの果肉を残すことによって
↓ 中にロウソクを灯すとバットマンの絵が透かして浮かび上がるんです!!
そして息子さんが着る「ロビン」のシャツもSさんの作。あまりの上手さにただただ驚嘆です。
こんな特技を持つSさんとは2013年のロンドン・ワールドにご一緒しました。あの当時は羽生選手のための応援バナーを彼女の協力を得て創り上げ、興奮のるつぼに陥りながらの観戦となりました。(2013年3月頃の記事をご参照ください)
今回はしかし、私が金曜日、土曜日とボランティアとしてずっとメディアセンターに詰めていたため、Sさんは二日間、単独行動になってしまいました。それでも文句を言わずに、一人で楽しんでくれた彼女に感謝します。
Sさんによると、観客席では横に座ったカナダ人のオジサマ・オバサマたちがものすごくスケートに詳しく、とっても勉強になったそうです。本当にこちらでは大会を観に来る人たちはほぼ全員が何らかの形でスケートに携わっています。自身が、兄弟が、子どもや孫がスケートをしている、という風に。そんな人たちに囲まれて楽しかったと言ってました。
私としては、朝ご飯を一緒に食べ、夜はなんだかんだと報告を聴いてくれる人がいると本当に和みました。
最後の朝に食べたホテルのご飯。3日とも堪能しました!!
行き帰りの飛行機の旅も本当に楽しかったです。ありがとう。
カルガリー経由して、ケロウナまではプロペラ機!!
Sさんが観客席から撮ってくれた写真も載せておきます。私が全然、見れなかったシーンがよく分かって嬉しかったです。
もうすでに今から来年も行こうね、と言い合っています。
きっと実現させるぞ!
最後に、本当に美しかったケロウナのホテルからの景色。
今年も行って良かったです。スケートカナダ万歳!
皆様も最後までスケカナレポートを読んでくださってありがとうございました。
さあ、羽生選手、いざ出陣!