ルノワール RENOIR | これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『ルノワール RENOIR』(2025)

 

監督•脚本 早川千絵(『PLAN75』他)

 

鈴木唯、石田ひかり、リリー・フランキー、中島歩、河合優実、坂東龍太、西原亜希、谷川昭一朗、宮下今日子、中村恩恵(なかむらめぐみ)、高梨琴乃、Hana Hope、他。

 

舞台は1980年代後半。小学五年生11歳の沖田フキ(鈴木唯)は空想好きでその突飛さは母親詩子(石田ひかり)が学校に呼び出されるほど。世間を賑わしていた超能力に興味深々で、習い事の英語教室で知り合った気の合う友人(高梨琴乃)と共に呪術的な世界に夢中になる。など、年頃的には特別変わりはない。

父親圭司(リリー・フランキー)が末期の癌で入院生活に入ることになった。そんな圭司の面倒をみながら忙しく働く詩子は、会社で部下を詰めすぎてしばらくセミナーに通うことを強いられる。そしてそこで講師の御前崎(中島歩)にほのかな恋心が芽生える。

その詩子の気持ちにうっすら気づくフキの心情、圭司の生きたいという切願、ケンカした翌日夫を亡くしてしまった女性(河合優実)の後悔、詩子と御前崎との関係に釘を刺しに来る御前崎の妻(宮下今日子)の虚栄心、フキが伝言ダイヤルで出会う青年(坂東龍太)との危険な逢瀬、フキによって発覚した友人の父親の浮気は離婚から引越しという急展開を呼び、その他担任の先生(谷川昭一朗)英会話教室の先生(Hana Hope)との会話、キャンプなど、フキ11歳に起こる一夏の出来事を通して、たんたんとその年代の日常が描かれる。

 

子供は何気に大人の行動、仕草から内心を読み取り意図せずか意図してか対応策を起こす。考えてみれば自分もそうだった。みんな通ってきた道で、それを大人なっていつの間にか忘れて、子供だからとたかをくくる。とは言っても、所詮子供だというそぶりがうかがえるのもそこかしこにある。そんなヒヤリとしたりハッとしたりほっとするシーンがいくつも散りばめられている。

 

何も起こらないようで小さく何かが変わっていっている、進んでいっている、人と人との摩擦が時間を作っているのが実感できる作品だった。

 

フキは父親が大好きなのだろう。フキの年齢には合わない年齢。ずいぶん年上の旦那さんなのだろう。だから同級生とすれ違った時、フキはつないでた手を離し他人のフリをする。でも通り過ぎると再び手をつなぐ。父親の命がもうすぐなくなることもわかっているからなお、父親との時間を持とうとするんだろつ。

 

ラストシーンはおそらく父との別れ。それが明け方フキが海に向かって手を振っているわけで、これは対象は違えど同じような年代になる『こちらあみ子』と同じだと思った。海に何かあるんだろうか。

 

ルノワールは画家のルノワールのようだ。病院に展示されていて、フキが係の人に聞いていた。父親が亡くなって家にルノワールの絵が飾られた。

 

★★★★

 

 

 

 

配給 ハピネット・ファントム・スタジオ