絶叫 | これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『絶叫』(2019)WOWOWドラマ全4話

原作は葉真中顕(はまなかあき)の小説。

 

監督 水田成英

脚本 池田奈津子(『4月の君、スピカ』他)

音楽 林ゆうき(『アオハライド』『エイプリルフールズ』『僕だけがいない街』『フォルトゥナの瞳』他)

 

尾野真千子、安田顕、小西真奈美、麻生祐未、要潤、酒井若菜、小柳友、前川泰之、片桐仁、崎山つばさ、濱津隆之、一ノ瀬ワタル、遠山俊也、六角慎司、生島翔、西原誠吾、郭智博、高松咲希、莉子、他。




 

東京国分寺のアパートの一室で死後半年ほど経過した女性の腐乱死体が発見される。死肉を食べてとりあえず命をつないでいたのか、まわりには10匹ほどの猫の死骸もあり、顔はもちろん女性の死体はほとんど原型を留めていなかった。孤独死として片付けられることになったが、なんとなく違和感、そしてその女性鈴木陽子(尾野真千子)が同い年の独身だったこともあり、国分寺署の刑事奥貫綾乃(小西真奈美)は、NPO法人代表の神代武(安田顕)惨殺事件が発覚する中、部下の町田(小柳友)と共に鈴木陽子の人生を追う…。

話は神代の事件と、鈴木陽子の幼少期からの人生を絡める形で進み、やがて奥貫は神代と鈴木陽子が繋がっていたことをつかむ。

 

鈴木陽子は母親妙子(麻生祐未)に精神的虐待を受けて育ち、それは妙子が愛してやまない弟の事故死で家庭崩壊まで進む。母親からの愛を得ることなく大人になった鈴木陽子は簡単に搾取の対象になってしまう。保険外交員から風俗、ホスト(郭智博)と同棲、そして神代と出会い、「換金」と呼ぶ保険金詐欺へと落ちていく。

鈴木陽子の足跡が見えてくるほどに、奥貫は本当に腐乱死体が鈴木陽子のものなのか疑問が湧いてくる。だが、手元にあるのはデータだけ。奥貫は生きていた鈴木陽子を知らない。見たことがない。それはほぼ完璧な完全犯罪となる…。

 

ラスト、鈴木陽子は奥貫と顔を合わせる。他人の人生を生き疲れ切っていた鈴木陽子だったが、全てが明るみになるのかどうなのか、それは描かれない。犯罪ではあるけれど、鈴木陽子はそのまま社会に埋没していて欲しいと思った。

 

鈴木陽子が幼い頃、お祭りですでに神代と会っていて、力になる言葉をもらっていた。最後の最後で鈴木陽子はあの時のテキヤの人だと気づく。ずっと虐げられていた母に、それまでは口を開けば弟の名前だったのが、最後の最後で「陽子」と名前を呼んでもらえる。このふたつが悔いと罪を背負って生きていくことの覚悟を選んだ瞬間なのがなんとも痛々しい。それでいて過去があるから今があると言わんばかり、家族で暮らした今は無き実家の近くのアパートに母親は住んでいたし、家の跡地に鈴木陽子は戻っていた。人の思いの強さがうかがえる。

 

クライムサスペンスで、社会派でもあり、面白くないわけがない。見進めているうちに予想が立ち、ナレーションが鈴木陽子の尾野真千子である点で生きてることはわかるし、そういう面では驚きはないが、鈴木陽子がたどり着いた先は納得がいく作りだった。終始筋が通ってる。面白かった。

 

小西真奈美、いいんだけど、時々不安定になる。

 

WOWOW、Netflixなど配信業のドラマと同等くらいレベル高いのでは? 尺に決まりがないのかな? 無駄ほぼない。テレビドラマのお粗末さが嘆かれる。予算がないなら作らず過去作再放送だけしてればいいのに。

 

★★★★