オトナ女子、高校入試 | これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『PICU』スペシャルが放送されるにちなみ、吉沢亮、高杉真宙の過去出演作がTVerで配信となったようで。どちらも記憶がないので視聴してみた。

 

 

『オトナ女子』(2015)フジテレビ系列

脚本 尾崎将也泉澤陽子

脚本協力 穂科エミニシオカ・ト・ニール

演出 田中亮関野宗紀

 

篠原涼子、江口洋介、鈴木砂羽、谷原章介、吉瀬美智子、斎藤工、平山浩行、千葉雄大、吉沢亮、池田成志、丸山智己、市川実和子、平山あや、藤村聖子、堀口ひかる、東加奈子、平埜生成(ひらのきなり)、矢部昌暉、浦上晟周、前川泰之、朝加真由美、他。

 

アプリ開発会社「フルテージ」の恋愛アプリ開発チームトップの中原亜紀(篠原涼子)、亜紀の高校時代からの友達でフラワーショップオーナーの大崎萌子(吉瀬美智子)、その二人と友達の三人の息子を育てるシングルマザーで弁当屋で働く坂田みどり(鈴木砂羽)は同じ40歳。仕事は順調だが男運はよろしくない。そんな三人に新たな出会いが訪れる。

亜紀はヒモ状態の山岡伸治(斎藤工)と別れたあと、仕事で知り合った作家・脚本家の高山文夫(江口洋介)、高山の担当編集の出版社の池田優(平山浩行)、萌子は「フルテージ」社長栗田純一(谷原章介)、レンタル彼氏の田代(丸山智己)、みどりは三男陵(浦上晟周)の中学の担任沢田健太(千葉雄大)とすったもんだある。また、亜紀はアプリ開発チームメンバーの後輩前川亮介(吉沢亮)に恋心を抱かれ、そのことで同じチームの女性社員立花沙織(平山あや)から反感を持たれたりと、恋愛の他、それぞれ仕事や家庭の諸事情、年齢的な制約、将来に向き合い、前進する話。

 

目的は吉沢亮で、やはりその役以上でも以下でもない好演だった。ぴたりハメてくる技術は毎度感心する。


亜紀の飼い猫のちくわ(エキゾ)は覚えているので、当時このドラマはチラッとは見たことはあるのだろうけどほとんど覚えてなかった。

9年前の作品だけど、こんな時代だったっけかなぁと流行りの先端をいく女性陣に変な感じ。90年代の流れと変わらない気がする。長く生きてると時代の区別が出来なくなるんだろうか。80年代には明らかな境界線は感じるのだけど。

でもまあ、面白かった。

 

★★★★

 

 

 


 


 

 『高校入試』(2012)フジテレビ系列全13話

原作・脚本 湊かなえ

演出 星護北川学

音楽 佐橋俊彦

 

長澤まさみ、南沢奈央、中尾明慶、徳山秀典、篠田光亮、小松利昌、斉木しげる、阪田マサノブ、羽場裕一、高橋ひとみ、清水一彰、山本圭、山崎紘菜、入江雅人、生田智子、美山加恋、柾木玲弥、高杉真宙、清水尋也、姜暢雄(きょうのぶお)、中村倫也、荒木宏文、倉貫匡弘(くらぬきまさひろ)、横山幸汰、他。

 

地元では有名な県立高校の進学校(一高)の入学試験で様々な妨害が起こる。話は前日の準備段階から始まり、当日の事件、事後の対策と犯人捜し、というミステリードラマ。


帰国子女で旅行会社勤務の春山杏子(長澤まさみ)は修学旅行を担当し、その時知り合った教師寺島俊章(姜暢雄=きょうのぶお)と交際が始まる。しかし寺島はある年の入学試験の採点ミスで自殺者を出してしまい、アルコール依存症に陥り事故死する。高い理想を持った寺島の影響もあり、杏子は高校の英語の教師に転身し、一高の2年B組担任となる。

一高出身の教師が多い中、音楽教師の滝本みどり(南沢奈央)は女子高出身でフラットな付き合い方をし、杏子にも親切。一高出身体育教師の相田清孝(中尾明慶)と交際中だが、その相田は2年B組生徒の石川衣里奈(山崎紘奈)と二股をかけている。石川は一高入学試験時、携帯電話が鳴るという騒ぎを起こし、入学後クラスに馴染めずにいたところ、相田に部活に誘われ救われたのだった。

杏子の指導担当で英語教師の小西俊也(徳山秀典)も数少ない非一高出身者。頭の回転が速く、仕事も出来る。一高より落ちる三高出身の数学教師村井佑志(篠田光亮)は自分に自信が持てず空回りばかりしている。一高出身の英語教師松島崇史(羽場裕一)の教え子でもある。その松島は息子良隆(高杉真宙)が受験生であることから入試管理員にはつけず、滝本と一緒に入試当日は試験会場には出入りせず保護者の案内係につく。良隆は一高出身の同窓会会長でありプライドの高い沢村幸造(入江雅人)の息子翔太(清水尋也)と同じ中学で、翔太からずっといじめを受けている。第一志望校に落ち、一高にかけるしかなくなってる。翔太は翔太で親や一高出身だが二流大学に進んだフリーター兄哲也(荒木宏文)のプレッシャーからいじめや自己弁護に走る歪みを持っている。

一高出身の英語教師坂本多恵子(高橋ひとみ)は一高至上主義者。どんな良い大学や企業だとしても一高出身じゃないと下にみる。言い訳やミスが多く、過去に採点トラブルも起こしているクセの強い人物。

一高出身社会科教師の水野文昭(坂田マサノブ)は東京大学を出て、次期管理職候補ナンバーワン。真面目が服を着て歩いているような人物で冷静沈着。

受験生の麻美(美山加恋)の母親芝田昌子(生田智子)は過保護で、夫が県会議員なこともありモンペの様相。その麻美は携帯電話を持っていないことで同級生から仲間外れにあった過去があり、さらに親の圧に苦しみ、携帯電話が手放せなくなってしまった。そのため入試当日にトラブルを起こす。

麻美、翔太、良隆と同じ教室で受験する田辺淳一(柾木玲弥)は成績優秀ですでに一高よりレベルの高い高校に合格しているが、5年前一高を落ちて人生が狂いかけてる兄光一(中村倫也)を思いやり一矢報いようと考えている。

その他、一高出身の美術教師宮下輝明(小松利昌)、同じく一高出身の入試部長を務める荻野正夫(斉木しげる)、一高出身教頭の上条勝(清水一彰)、やはり一高出身の校長的場一郎(山本圭)、杏子の元同僚旅行会社の徳原優介(倉貫匡弘=くらぬきまさひろらを絡め、犯人捜しとその目的が明らかになっていく。

 

犯人はひとりではなく、それぞれの思惑が交錯し、先が読めず面白い。家族や人間関係の複雑さ、学校という立場、教師という役割、受験の厳しさが見て取れる。そしてラストはしれっとぼやかし、さすが湊かなえという感じ。

良かった。


高杉真宙はもちろんだが、驚いたのは清水尋也の幼さ。二人とも「東京リベンジャーズ」に出てるけど、よくぞ育った感でいっぱいになる。12年前だものな。

 

★★★★

 


コメンタリー