『キングダム 運命の炎』(2023)
原作は原泰久の漫画。
監督 佐藤信介(『BLEACH』『いぬやしき』『デスノート』『GANTZ』シリーズ、『今際の国のアリス』他)
脚本 黒岩勉(『悪と仮面のルール』『累』『LIAR GAME』シリーズ、『マイファミリー』『TOKYO MER』『グランメゾン東京』『消えた初恋』『ストロベリーナイト』シリーズ、他)、原泰久
山﨑賢人、吉沢亮、大沢たかお、橋本環奈、清野菜名、満島真之介、高嶋政宏、要潤、岡山天音、三浦貴大、杏、佐藤浩市、玉木宏、加藤雅也、高橋光臣、山田裕貴、片岡愛之助、山本耕史、長澤まさみ、浅利陽介、杉本哲太、萩原利久、濱津隆之、やべきょうすけ、田中美央、櫻井日奈子、小栗旬、吉川晃司、佐久間由衣、村川絵梨、渡辺邦斗、平山祐介、真壁刀義、栄信、佳久創、他。
(グラシネIMAXにて観賞)
500年にも及ぶ中国春秋戦国時代。魏との蛇甘平原の戦いから半年、大将軍王騎(大沢たかお)のもとで修行を積んだ信(山﨑賢人)。荒野での戦いを経験し着実に腕をあげていった。そんなおり、秦国とは因縁のある趙国が攻め入ってくる。馬陽の戦いだ。
王室では将軍らの確執がある中、中華統一を目指す若き王嬴政=えいせい(吉沢亮)は王騎を呼び寄せ総大将を打診する。王騎にとっても趙とは因縁があった。大事な戦いということで、王騎は今一度中華統一にかける嬴政の覚悟と思いを問う。ここで嬴政の不幸な子供時代、それを助けた闇商人紫夏=しか(杏)との出会いと思い出、そこからの統一を目指す理由が明かされる。
納得した王騎は部隊を組む。その中に信を隊長とした100人の兵を携える百人隊を作る。名前は「飛信隊」。一本の矢の如く少数を武器に切り込む隊だ。副長は渕=えん(田中美央=たなかみおう)と羌瘣=きょうかい(清野菜名)。若すぎる信に不満顔の者もいたが、戦ううちに、また王騎を始めとする武将らとの関係性に、その実力を認めていく。王騎の作戦のもと、大将軍を目指す信の才能が開花していく。
そしてついに飛信隊に任された趙荘軍の一人、馮忌=ふうき(片岡愛之助)の首を取り、信率いる飛信隊の名を上げる。しかしまだこの戦いが終わったわけではない。軍師として戦場の成り行きを見ていた河了貂=かりょうてん(橋本環奈)とその同僚蒙毅=もうき(萩原利久)の前には趙国の軍師李牧=りぼく(小栗旬)とカイネ(佐久間由衣)が現れ、まだ趙荘軍の武将二人、趙荘(山本耕史)と万極(山田裕貴)が控えているし、隠されていた趙国の武将、王騎との因縁のある龐煖=ほうけん(吉川晃司)の影も迫る。
ズシンとくる嬴政と紫夏とのエピソードや手に汗握る戦闘シーン、ところどころ笑いもあったし(尾平:岡山天音と尾到:三浦貴大兄弟や王騎と謄:要潤の会話にも)、漫画原作映画として素晴らしい出来だった。それは1の頃よりの山﨑賢人の持つ少年漫画のキャラクター性が功をなしてる感が強い。本3作目は1作目に続くその漫画っぽさがとてもいい味を出していた。
シーンで言うと、羌瘣と二人、多勢の中を抜けていくアクションシーン、馮忌を討つ上から降り降りてくるシーンはかっこよかったし感動的だった。
紫夏の亡くなるシーンもジーンとした。杏の演技を初めてうまいと思った。
それにしてもこれが国内ロケだけで、中国とはリモート、合成とVFXだとか、すごい時代になったもんだ。(今期、テレビドラマ『VIANT』を見てるのだけど、これ、本当にモンゴルロケなの? その必要あったの? と思ってしまう)
配役でがっかりしたのは李牧が小栗旬だったこと。1はもとより2でももったいないくらいの俳優を出してきた。一体この先誰が残っているだろうかと心配になるくらいだ。だからって、龐煖に吉川晃司は(今でこそ)あるとしても、李牧に小栗旬はない…もう少し若手で期待値の高い人を当てて欲しかった。同じく、若手では難しい面もあろうが、万極も山田裕貴では役足らずのように思う。並んでいるのが山本耕史と片岡愛之助だ。同等の俳優はいなかったのか(綾野剛とかいいと思うのだが)。ただ、原作漫画に近いキャラ作りは出来ているようだ。4できっと素晴らしい万極を見せてくれることを期待するしかない。
面白かった。確かに2を超えてる。私はやっぱり1が一番好きだけども。馬陽の戦いも途中なので当然4も作られるだろう。こんな豪華なキャストで毎年作るのは無理かもしれないが、歳をとることを考えれば、毎年やっていかないと…。原作はまだ続いているようだから、映画は映画なりの終わり方を考えなければならないと思う。それが4に来てもいいと思う。王騎と共に終える。どう締めるのかが楽しみだ。
★★★★★
制作 CREDEUS
配給 東宝、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
(すんません、吉沢ファンなので記録のためリンク貼ります)