Endless SHOCK 帝国劇場 | これ観た

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基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『Endless SHOCK』(2023)帝国劇場

『Endless SHOCK』を本編とし、同時上演の『Endless SHOCK -Eternal-』はそのスピンオフ版となるとのこと。(残念ながら今回エターナルの方は観ず終いですが、本編の答え合わせ、穴埋め的お話が展開されているようです。観劇なさった方、そうですか?)

 

エターナルプロデューサー ジャニー喜多川

作・構成・演出 堂本光一

 

主演(コウイチ)=堂本光一

 

ライバル役=佐藤勝利(Sexy Zone)、北山宏光(Kis-My-Ft2)

オーナー=前田美波里、島田歌穂

(↑以上ダブルキャスト↑)

 

リカ=中村麗乃

 

越岡裕貴(ふぉ〜ゆ〜)、松崎祐介(ふぉ〜ゆ〜)、高田翔原嘉孝深田竜生(少年忍者)、阿達慶

(↑以上全員ジャニーズ↑)

 

石川直(パーカショニスト)、日野一輝(和太鼓奏者)、田矢聡(和太鼓奏者)

 

植竹奈津美、Siho Tabata、岡本真友、岩瀬光世、加藤楓(ふう)、豊田由佳乃、星野匠美(なるみ)、森田万貴、小野礼実、松村しおり、天野夏実、竹一穂香、廣瀬水美(みなみ)、馬屋原涼子、大橋美優、鈴木彩海、武市悠資(ゆうすけ)、木原裕希、高嶋雄一、鈴木直幸、岡本拓也、今田和季、広瀬斗史輝、黒田陸、佐藤義夫、向田翼、松本城太郎、佐々木駿也、鈴木翔流(かける)、松岡凛、テレンス・ポプラー、ブラッドリー・ジョンソン、ジャドン・ハリス、ダボン・ラショーン・ファーマー

 

(基本的に役名は自身の名前と同じ)

 

 

 

 

(※以下、ストーリーは私が観た感想&解釈を交えているので、相違があるものとして見てください。)

 

 

オーケストラがオープニング曲を奏でる前の絶妙なタイミングで拍手が起こる。そして映画さながらのオープニングロールがあり、演者やスタッフの名前が映し出される度に拍手が起こるという…20年も続けているだけあってか、それともジャニーズのスタイルなのか、お決まりになっているのだろうか、驚いた。

 

きらびやかな階段から宝塚のごとくコウイチ(堂本光一)始め、演者らが踊りつ歌いつ現れる。そこはニューヨークはオフ・ブロードウェイのシアターで、ショーの真っ最中のようだ。

 

好評のうちに千秋楽を迎えたコウイチが企画&演出、出演するショー。楽屋裏では思い思いに演者たちが労いふざけあい和気あいあいと互いを称え合う。

その中にコウイチに嫉妬心を持つカンパニーNo.2の後輩ショウリ(佐藤勝利)がいる。シアターオーナー(前田美波里)の娘リカ(中村麗乃)にプロポーズを決めようとしているのだが、リカの心にはコウイチしかいない。昔、まだ子供の頃はコウイチを慕い、ダンスも教えてもらっていた良い関係だったが、自分に力がついてくるに従い、カンパニーのみんながコウイチを中心に動くのが鼻につくようになっていった。そこには努力を惜しまないコウイチへの敗北感もあった。

大成功に終わったショーに、オン・ブロードウェイのインペリアルガーデンシアターからオファーがある。コウイチはその先に何があるのか、自分のやりたいことがその先に見えるのか二の足を踏むが、ショウリのせっかくのチャンス、今やることやるべきことをやるのが大切という考え、そして沸き立つカンパニーのみんなに促されるように挑戦することを決める。

しかして、その滑り出しは良かったが、評価もカンパニーの意識も全てがコウイチに向くことが面白くないショウリ。

半年ほどしたある日、ショウリは失敗をしてしまう。リカとのダンスのシーンの出番に間に合わなかったのだ。「ショー・マスト・ゴー・オン(Show Must Go On)」を矜持としているコウイチはショウリの穴埋めをする。しかし、出番を奪われたと、ショウリは当たり散らしてカンパニーの空気を悪くしてしまう。そして演目「ジャパネスク」で、ショウリは小道具の剣を真剣と差し替えてショーの中断を図る。しかしコウイチが取った行動はやはりショー・マスト・ゴー・オンで、対峙する役どころのショウリはコウイチを刺すこととなってしまう…。

危険な状態が続くコウイチは意識不明のまま1年を病床で過ごす。ショウリは罪悪感に苛まれ、悪夢にうなされる日々が続き、ブロードウェイでのショーは終盤を迎えていた。そしてついにコウイチの訃報が届く。

ところが泣き崩れるリカとオーナーの前にコウイチが現れる。カンパニーのみんなは大喜びだが…リカはそれが幻影だと気づく。でもコウイチ本人は自分が死んだことに気づいてない。それをリカやオーナー、そしてショウリとのやりとりから理解した時、いつ消えるともわからないが、今一度舞台に立ちたいと願うコウイチにカンパニーのみんなは応え、コウイチのラストショーの幕が開く…。

 

コウイチという一人のショーマンの物語。

 

コウイチは何もかも自分が決め、みんなを引っ張っていたつもりだったが、本当はみんなの支えがあったからこそやってこれたんだということに気づき、ショウリは認められたい気持ちが先立ち、自分のことで頭がいっぱいになっていて他を見てなかったことに気づく。コウイチはショウリのフォローまでちゃんと考えていてくれていたのに…。

 

そのショウリのキャラクターは青く若く欲望に前のめり、とにかく世間に認められたい、No.2とはいえ後輩感が強い。感情がほとばしるわかりやすいキャラクターだった。

相対するコウイチは大人でショウリを包み込むような暖かさがある、先輩というより親みたいな感じ。でもコウイチもカンパニーを背負っている責任と自分のやりたい事とのはざまで葛藤する感じもあり、ついショウリの若さに苛立つ人間らしさもある。

また、リカはコウイチを愛していることに変わりはないが、その根幹はコウイチを尊敬していてその才能についてけるだけで幸せというスタンス。控えめで少女っぽくもあり可愛らしい。オーナーはコウイチの才能に惚れ込んでいて、好きなようにやらせながらもマネージメントがうまい、といった印象。

 

ショーを織り交ぜる形で物語が進み、見どころがひっきりなしにやってくる。ダンスやアクロバット、フライング、殺陣、イリュージョン、太鼓の演奏、もちろん歌も、舞台美術、演出、早着替え、笑い、アンサンブルもシチュエーションに合わせて動くので目が忙しい。演者の身体能力の高さに驚く。ミュージカルではあるけれど、ジャニーズの、堂本光一の企画プロデュースした「ショー」と言った方がしっくりくる。

 

本当にこの数ヶ月でジャニーズを知った(まだ浅い知識)ので間違いも多々あるだろうけど、ジャニーズの世界を見た気がした。アイドルはショーのアイコンであること、ショーは観客に楽しさや喜び感動を与えるものであること、そのために演者=アイドルがやるべきことは何かを日々探求し努力を怠らない、ただただ前へ。という姿勢。

 

初めて観たわけだけど、ステージそのものは素晴らしかった。(下衆だけどかなりお金かかっている、今まで観た何よりもかかっている舞台だと思った。)

冒頭の前田美波里の歌唱(わずかだったけど)に鳥肌が立った。口跡もやっぱり素晴らしい。『ピピン』ほど歌わなかったのが残念で、またどこかで観たい聴きたい。

でも、ごめんなさい、堂本光一の歌は…たぶん声質が悪いんだと思う。ショウリとの言い合いの場面でのドスの利いた声は良かったので、色々変えているんだと思うけど。佐藤勝利の方が口跡、歌唱ともに良かった。

中村麗乃はお初だけど、生田絵梨花とかぶる。生田絵梨花で観てみたいなと思った。(以前は神田沙也加が演った役だったそうで、神田沙也加も観てみたかった。本当に残念。)

 

 

(観劇日20230412)

 

 

東京:帝国劇場 0409~0531(『Endless SHOCK -Eternal-』含む)

 

 

 

ところで、和太鼓はジャニーズの定番なの?