【ndjc】そぼろごはん | これ観た

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基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『そぼろごはん』(製作2009)

ndjc(New Directions in Japanese Cinema)

文化庁委託事業・若手映画作家育成プロジェクトの作品

 

監督・脚本 遠山浩司

 

田舎で一人暮らしをしている母方の祖母(草村礼子)が足を痛めてしまった。離婚した父親に似て仕事が長続きせず現在無職の哲生(細山田隆人)は、忙しい母親(松本圭未)と妊娠中の姉(原南海子)の代わりに様子をみにいくことになった。足が痛いのに孫のためにせっせとお得意のそぼろご飯を作る祖母。そのそぼろご飯が哲生は大好きだった。すぐに帰るつもりだったが、祖母と手芸教室で一緒だというあいこ(大谷英子)に、足を痛めた原因はぐらついた縁側の靴脱ぎ石のせいだと、新しく踏み台を作ることを頼まれる。なんとなくあいこに好意を持った哲生は、居心地の良さもあったし、踏み台をいくつか作るためにも、しばらく滞在することを決める。ところがある日、なんと元父親の明彦(小野了)がやって来て、ちゃっかりそぼろご飯を食べているではないか。聞けばよく来ているという。明彦もまた祖母お手製そぼろご飯が大好きだったし、義理の母親宅とはいえ居心地が良かったのだ。けれどそんな朗らかな日はそう続かず…。

 

本当に哲生が気が利かなくてイラッとした。なんのために祖母宅へ派遣されたのか、その目的が「そぼろご飯」になってることに、足を痛めてる祖母が気の毒になった。湿布ひとつまともに貼れないばかりか、率先して貼ってやろうという気持ちもない。でも、祖母は祖母で、かわいい孫がわざわざ様子を見にやってくる、だったら好物のそぼろご飯をごちそうしたい、という愛情に満ちていて、「まあ、こんなもんだ、みんな」という祖母と孫の関係(に限らず親子関係も)がよく描かれていた。

そんな哲生も湿布をうまく貼れるようになり、踏み台も一作目よりは二作目、と見栄えよく出来上がっている、という成長を遂げる。あいこさんの存在は大きいな。

そしてそぼろご飯は母親に継がれているというあたたかい締め。

良かった。

 

★★★(★)

 

 

そぼろご飯、好きではないんだけど食べたくなって作ったよね。たぶん哲生のおばあちゃん、お母さんが作るのとは違う味。人参ではなくほうれん草だし。

 

 

制作プロダクション ニューシネマワークショップ