チチを撮りに | これ観た

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基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『チチを撮りに』(2013)

 

監督・脚本・編集 中野量太(『沈まない三つの家』『浅田家!』他)

 

渡辺真起子、柳英里紗、松原菜野花、滝藤賢一、二階堂智、小林海人、今村有希、宇野祥平、他。

 

昼風俗でこっそり働いてはいるがフリーターの葉月(柳英里紗)と高校生の呼春(松原菜野花)、宝くじ売り場で働く母(渡辺真起子)父親(二階堂智)が女とともに家を出て行ってから14年、三人で暮らしている。ある日、叔父(滝藤賢一)から父親が危篤状態との連絡が入り、葉月と呼春は母の命令で父の故郷の病院へ見舞いに行くことになる。それも、余命いくばくもない苦しみにもがく父親の写真を撮ってきてくれとデジカメを渡されて…。

記憶も曖昧だしたいした感慨もなく旅行気分で出かけるが、途中で父親が昨日のうちに亡くなった知らせを受ける。二人は見舞いではなく葬式に向かうことになる。駅に着くと父と女との間にできた子供である千尋(小林海人)が迎えに来て、実家に案内される。勝手もわからず、親族から嫌な思いをさせられる二人。千尋の肩身も狭そうだ。なんだかんだありながらも二人は父を見送り…。

 

生前に何があったにしろ命が消えるということは心に大きく響く。残された側にもひとつの歴史が終わるということだし。

父親のことはあまり記憶になくても、自分の中に父親の影を見つけた時は嬉しいような嫌なような複雑な感じ、それがとてもよく出ていた。葉月は頭を撫でられることに父を見ていた。また、母親もちゃんと自分の人生を歩んでいて、辛いだけじゃなかったんだなと人間味あった。そして葉月や呼春はたいして変わらないと思うけど、千尋の将来が心配…。そんな作り、良かった。

 

コメディタッチで軽快、でもじんわりくる、考えると深い。

 

そうそう、叔父の家庭での立場、というか嫁(叔母)からどう見られているのかも想像できて面白かった。

 

★★★★(★)

 

 

 

配給 デジタルSKIPステーション