『Bad Moon Rising』(2015)
監督 喜多一郎
脚本 倉田健治
菅田俊、菜葉菜、他
寝たきりの母親の介護をヘルパーを頼みながらも献身的にする独り身の男ケイジ。母親の介護にも疲れが出てきた時、母親から「もういいよ」と殺してくれと頼まれる。ケイジは母親の遺体を乗せた車で最後の2人旅に出かける。
ある日目覚めると病院で、ある時から記憶を失っていた女トワコ。自分には夫と10歳になる息子がいたはずとフラフラの体で病院を抜け出し家に帰るが、誰もいない。途方に暮れるトワコ。
そんな2人が偶然出会い、ケイジは別れた妻子への清算、トワコは記憶探し、の旅が始まる。
途中、事件事故の現場を写真におさめるカメラマンの男と知り合い、思わぬ展開、結果となる。
いかなる事情があるにしろ人命について考えさせられる作りになってる。
色の少ないモノクロでもセピアでもない微妙な色合いの映像で、だけど風景は美しく、人の住む家は暗く、言葉少なに映像で語りかけてくる映画。
しかし、題材のわりに菅田俊がかっこよすぎて人間臭さがないのが残念だった。例えば別れた妻はだいぶ身を崩している。1人娘も風俗嬢だ。そして男やもめで母親の介護に疲弊している。のに、清潔感があっていちいち渋かっこいい。違和感でしかない。「高倉健かよ!」とツッコミたくなった。
★★★