今日は敬語のお話。
「ご」とか「お」をつけると丁寧になりますよね。
でも、この付け方が結構難しい。
この前、メールの返事に
「ご丁寧なご連絡ありがとうございます。」
と書こうとして、「ご」が2つはしつこいな、と思い、
片方の「ご」を削って
「ご丁寧な連絡ありがとうございます。」
としたら、
「あれ?」って思ってしまった。
これ。なんかやな感じしません?
一度気になると、どうもそのまま送るのも気が引ける。
で、ちょっと考えて
「ご丁寧に連絡してくださって、ありがとうございます。」
としたら、もっとやな感じになっちゃった気がする
で。結局。
「丁寧なご連絡ありがとうございます。」
に落ち着いたのでした
「丁寧」に「ご」をつけて「ご丁寧」とすると、マイナスのニュアンスがでてくることがあるので、とっても危険。
「丁寧」って言葉がそもそも相手への深い配慮を表す言葉だから、それに「ご」をつけると、過剰になって、そこからマイナスの意味が派生しやすかったのでしょうね。
だから、使い方を間違うと「ばか丁寧」というマイナスな意味を帯びてしまい、「余計なことしやがって」みたいな感じになっちゃう。
例えば、
「まったく、ご丁寧なことです。」
みたいにしたら、「余計なことすんなよ」感が出ますよね。
「まったく」というマイナスを表す言葉が一緒に使われてるからなんです。
つまり、一緒に使う言葉に注意しないと、誤解を生みやすい表現だということです。
で。
今回私が気になった冒頭の文。
「ご丁寧なご連絡ありがとうございます。」
文法的には正しいんですよ。
これまでも多分使ってたと思うし、
まあ、普通に出回っているビジネス例文だと思う。
ただ、「ご」が2つ続くことで、過剰な敬語表現になっている。
丁寧すぎるんだと思います。
だから、マイナスのニュアンスに転びやすい。
ということで、解決方法としては、
どっちかの「ご」を取ればいいのだけど、
「ご丁寧な連絡」
「丁寧なご連絡」
って並べるとわかるように、
プラスにもマイナスにも取れる「ご丁寧」を残すより、
誤解のない「ご連絡」を残したほうが、スッキリするな、という結論。
さらに、
「ご丁寧に連絡してくださって、ありがとうございます。」
と、「丁寧」を連用修飾語で使うのは、基本的に避けたほうが良さそう。
連用修飾語というのは、動詞などの用言を修飾する働き。
つまり、相手の動作を直接修飾するので、良くも悪くも相手の行為への評価として響きやすい。だから皮肉のニュアンスも出やすくなるんだと思います。
ということで「丁寧」は「連絡」を修飾する連体修飾語として使い、
誤解のない「連絡」のほうに「ご」をつけるということで、一件落着したということです
敬語の使い方にある程度のルールはあるけど、
ルールを守っていれば大丈夫というわけでもないところが難しい。
今回の「ご丁寧」のような言葉。きっと他にもありそう。
アンテナ張って、「ご丁寧」の仲間の言葉を探してみようと思う。いや、探したところで何の役に立つのかというのはあるんだけど……。
細かいところ気にしすぎかなぁ。
まったく、ご丁寧なことですね