オフ会?――新ボキャブラリー入手編 | ことのは徒然

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日々の徒然に思いついたことを書き留めてます。

夏の思い出第2弾。

 

紹介の紹介でオンラインでつながった福岡の方と初めてリアルで会食。

これは、もしや「オフ会」というヤツでは???

 

お会いしたのは、国語をメインに子どもたちへの学習支援をしている方です。

「国語」なんてニッチな業界なので

あっというまに意気投合。

初対面とは思えない盛り上がりでした。

やはり。興味が同じというのは大事ですね。

国語オタク2人。

話が尽きません。

 

インターネットは、パソコン通信(な、なつかしい)と言われる時代から、やっていたのですが、「インターネット=危険」みたいな先入観のある世代なので、オンラインで知り合った方と、こんなに短時間でここまで懇意になれるとは思いませんでした。

 

しかも、私のようなニッチな分野の人間は、半径数キロメートルではなかなか仲間がみつからないので、こういうふうにネットワークで遠距離の人と繋がっていけるということが本当に貴重。

 

なかなかよい世の中になったもんです

 

そして、彼女が無事帰宅したという連絡のメールで

新単語発見!

 

「帰福」

 

福岡に帰ることだそうです。

いや、確かにそのとおりだけど!

そんな言葉があるのね?と。

 

帰阪」は聞いたことあるけど、「帰福」かぁ。

ちなみに熊本は「帰熊」だそうです。

なんか強そう。

「きぐま」かと思ったら「きゆう」と読むそうです。

 

私は栃木出身ですが、「帰栃」は聞いたことない。

首都圏だから?

ギリ通勤圏ではあるんだよね。

埼玉とか千葉もなさそう。

 

「上京」に対して「帰●」っていう発想だと思うから、

首都から遠いところに使われる可能性が高いのかな。

 

で、娘は北海道だから、「帰北」なのなかなぁ、と思ったら、

札幌は「帰札」らしい爆  笑

確かに北海道は広いしね。

 

楽しくなっちゃって、ネットで調べてみると、

そんな記事がありました。

 

https://j-town.net/2017/12/27253890.html?p=all

 

どうやら「帰●」は意外とあちこちで使われているらしい。

 

で、「帰●」ではないんだけど、

関連コメントに

「北海道出身者が結婚、住居購入などして本州に定住することを脱北と言っています。」

というのがあって、笑った爆  笑

 

すごいよね。

「脱北」という、たった2文字で

「裏切り者~」感が漂ってる。

 

日本語すご~い! って思う瞬間です。

 

ちなみに英語だと「North Korean defection」。

確かにわかりやすいし、誤解の余地はないけど、そこはかとないニュアンスもない。

これは漢字という表意文字の持つ威力だと思います。

 

でも、漢字だけでもだめなんだよね。

漢字を和読みしちゃったことで、

漢字の意味がイメージで頭に入ってくるのがミソだと思ってる。

 

例えば「ダツ」って言われても

は?

って感じだけど、

「ぬぐ・ぬげる」って言われたら

服がするりとぬげる感じが伝わるじゃないですか。

だから「脱」という漢字のイメージがしっかり定着するんですよね。なんか、あるべきところから抜け出る感じ。あるいは抜き出す感じ。

 

脱獄

脱税

脱走

脱落

脱出

逸脱

解脱

 

で。

そこで「脱北」。

北朝鮮から、いろんなものを捨てて逃げ出てくる感じ。

泣く泣く脱ぎ捨てて、本国に残してきたものがいっぱいあるんだろうな、ってところで、

この「北」を「北海道」に掛けて「脱北」。

 

北海道を捨ておって~、裏切り者~!!!

 

となる。

 

文字のイメージが定着しているからこそ、こういう言葉を生み出したり、おもしろく転用したりできる。

文字をどう選んで、どう組み合わせるか。

すごく詩的な作業を、ごく日常的にやってるんですよね。

 

私は、言語学者ではないので、世界にどんな言葉があるのかよくわかっていないけど、

表音文字が2種類(ひらがな・カタカナ)あって、

表意文字(漢字)もあって、

なんならローマ字もOKみたいな、

なんでもありありな言語って、そう多くはないと思うんです。

 

いろんな言葉遊びができるの、文字のバリエーションが多い日本語の特権だよなぁ、って、つい思ってしまう。

 

いたい

イタイ

痛い

itai

 

同じ言葉なのに、どの文字を使うかで伝わり方がぜんぜん違う。

 

実は私、マンガ・アニメが好きで、ときどき若い人たちの投稿を覗きに行ったりしてるんですが、若い人たちは本当に上手なんですよね。そういう文字の使い方とか、言葉遊びとか。「やられた」と思うこと多いです。

 

で。

どんな言葉を「おもしろい」と感じるかは、人それぞれですが、なんであれ、まずは「おもしろい」と感じることが大事。

なぜなら

「おもしろい」→「真似したい」→「使ってみる」

が、言語習得の最短距離だからです。

日常何気なく使っている言葉の中に、学びのタネがたくさんあります。

ぜひ、皆さんの周りにあるタネを探してみてください。

 

そして、なんかおもしろい言葉があったら、是非ワタクシにネタ提供お願いしますニコニコ