晴れのちコビット 2022.2.28 | 日々幸進(ひびこうしん)

日々幸進(ひびこうしん)

日々、自分が楽しくて生きている事を簡潔に記しておきたいと思います♪
演劇、音楽、TVドラマ、映画、バラエティ、漫画、アニメ、特撮、他を色々自分の視点で面白しろ可笑しくね♪

その日、

僕はコロナウィルス(COVIDE-19)に初めて感染した。

原因に思い当たりはない。

人生で初であった。

 

このコロナ禍の世の中になってから、

日々、感染者数の推移をTvなどで目にしてきたが、

それはすべてブラウン管の中、液晶の中、で起こる非仮想現実であった。

何ならファンタジーぐらいのレベル。

感染対策はきちんと講じていた。

だが自分はその牙城に落ちた。

手洗い、マスク、うがい。

その3種を自分は会社の中でもトップレベルに入るくらいだと自負している。

それなのに、

それなのにだ。

 

思い返せば、

2022年2月22日、

僕の55歳の誕生日である。

無症状の中、

高圧受電設備工事を終えたチーム4人で現場近くのバッティングセンターで振り切った憂さ晴らしをした。

そしてその夜である。

微かな異変が僕に起こったのである。

咽喉に微かな痛み。

すぐに思った。

風邪の前兆である。

そりゃあ55年も人生を生きている。

この感覚は風邪に違いないと即座に判断。

咽喉のケアをしつつ、

寝る前に栄養剤を飲んでマスクをして寝た。

がその次の朝は2月23日祝日で久しぶりの休みである。

だが咽喉の軽い違和感は俄然主張を始めていた。

 

嫌だな。

思っているのも束の間、

久しぶりの休日の朝、

段々と熱が出始めてしまう。

37.2。

まだ大丈夫。

しかし時間が経つ毎にその熱はゆっくりと上昇気流。

あっという間に37.8。

23日は祝日なのでお医者さんはやっていない。

嫁とも相談しつつ、

急患でもないし明日、行こうという事に相成る。

ただやはり時節柄、

最悪の時のことも考えられる。

コロナである。

僕自身はそこまでは心配はしていない。

嫁にも娘にもきちんと手を洗わないからだの何だのと難癖をつけられ、

前回の騒ぎの時に抗体検査キットを購入していたので、

唾液吸引というシステムで既に陰性の免罪符は得ていたのである。

100に近い確率で自分は陰性であると信じて疑わない。

だが嫁も子供も職場での事もあるので医院に行くのは電話で指示を仰いでからと言って、

僕もそりゃそうか時節柄だしね。と受け入れ、かかりつけ医の医院にてPCR検査。

2月24日「陰性」

という決定稿を貰った。

ほらみろや?だいじょうぶやろ?俺の言った通りやろ???

といった気持ではあったが、

熱は26日には下がったが、

ずっと咳が取れず咽喉が痛いままであった。

嫌な感触。

熱が出ていたこともあって会社の連中も気を遣って5日間、23-27日まで休ませてくれたのである。

だが、

それでも咽喉の痛みは取れない。

再度、PCRを受けるべきだと嫁の会社からの指示もあり、

翌28日朝からPCRを受けられる期間を探す。

僕は安易にかかりつけ医さんのところで受ければいいと思っていたが、

まさかの拒否!?

よく分からないシステムだが同時期での同じ人間への検査はダメなのだという。

そんな訳で朝からHPを検索しまくり、何度も電話するがことごとくダメで、

20件以上連絡をするがたらい回し。

そうか、こんなかんじなんだ!!!

ニュースなどで見聞きしていたことが現実に襲い掛かる。

 

家の近辺ではもうないので範囲を通勤路に伸ばす。

ようやく3件目でヒット!

28日17:45の予約がようやく取れた。

そうこうしている間に時間になりクリニックへ車で向かう。

これで休みも終わりか。

澤村も明日の6時30分に会社に来てくれとのLINE。

どうせ花粉症やろ?の憎まれ口を添えた受信メール。

とにかく今から受けますと連絡してクリニックへ入店。

天神橋筋商店街の中にある小奇麗なクリニックで、

清潔感が凄かった。

僕は2階へ通されて軽いパーテーションで区切られたところに座らされて軽く問診。

そして鼻の穴に例の棒を突っ込まれるが結構な勢いで内側をこそいでいる気がするくらいの勢い。

1回だけ身を引いたがきちんと検査を受ける。

で、5分もしないうちに、

「陽性ですね」

え?陰性でしょ?

みたいなノリでいた僕はまさにハトが豆鉄砲みたいな顔をしていたに違いない。

ご覧ください。

そう言われた機器の前に表示された電光掲示。

「陽性」

看護婦さんも慣れたもので陽性者に渡すパンフレットを手渡し、

こちらに連絡をしてくださいと。

他にも日にちの経過がとか、厚生省への連絡がとか、これからの身の振り方などを説明してくれたのだが、

正直、上の空だった。

驚いた。

え?

陰性だったじゃんおれ。

ナンデ?

そこまで考えるよりも先に襲ってきた家族への気持ち。

申し訳ない気持ちが雪崩のように心を覆っていく。

自分一人が陽性になることで計り知れない損失が生まれてしまったのである。

爆誕。

会社にも連絡をしなくてはならない。

だがまず嫁にLINE。

そこでクリニックの外に出る。

ハッとする。

商店街を闊歩する人々は陰性に違いない。

それに反して僕は陽性。

恐らくまだ誰も僕が陽性であることを知る由もなく家路へと急いでいる。

この感覚、

何か知ってる。

そうだ。

童貞を喪失した時の感覚に似ていた。

だがへちゃむくれのノスタルジィに浸っている場合ではない。

一刻も早くこの場から退かねば!!

そして嫁より、

案の定、最悪の落胆劇。

そこで初めて電話。

謝罪から始まるストーリー。

 

僕はとりあえず駐車場から車を出して路上に止めて会社に連絡。

それを終えて放心。

 

僕が世界を変えたわけではない。

僕が変えられたのだ。

 

HELLO

COVID-19

 

望まれぬもの。