4月21日(土)
空想組曲 【深海のカンパネルラ】
| 赤坂RED/THEATER |
赤坂RED/THEATER
19:30
作、演出
ほさか よう
出演
多田直人(演劇集団キャラメルボックス).篤海, 古川悦史.川田希.二瓶拓也(花組芝居).石黒圭一郎(ゲキバカ).小玉久仁子(ホチキス).渡邉とかげ(クロムモリブデン).牛水里美(黒色綺譚カナリア派).鶴町憲.内山正則.上田理絵(A-LIGHT), 中田顕史郎
【あらすじ】
『僕たちは誰も、あの頃には戻れない』
「絶対に引き返さない」
決意と闇を胸に少年はカンパネルラとともに銀河鉄道に乗り込んだ。
だけど誰も教えてくれなかった。
幸せの難しさも、永遠のおそろしさもーー。
【感想】
石田1967 @LINXS1967
空想組曲【深海のカンパネルラ】観劇。いきなりトップギアのローダウン。かなりの圧力が深層意識に喰い込む。主人公がイジメなどで妄想に逃げ込む為のプロットは見るに耐えない。たったひとつの希望すら踏みにじりそうな深海。息苦しくも、
愛しい。
さて、個人的な感想を書こうと思う。
まずチラシである。
「東京幻想」という方が紡がれたらしいのだが、その圧倒的イメージは脳内を刺激する。
なんという素晴らしいチラシなのだろうか?
新しい提示をされたのだと感じてしまう。
そして、
劇団名はずっと目にしており、観劇仲間からもその名は聞き及んでいた。
いつかのタイミングで観れたら・・・とは考えていたが、まさかこのタイミングでとは自分でも驚く。
個人プロデュースという意味では関西で言うなら、ピースピットさんのようなものだろうか?
ほさか よう という方が立ち上げて全てをまかなって行われている個人ユニットであるという。
それがこのように大きく指示されているのは、ひとえにその世界観の提示ができている事に他ならない。
そんな事をつらつらと考えつつの観劇であった。
が、
それらの想像を易々と踏み越える心像風景であった。
主人公の内面的宇宙をパーソナルに、そして意固地に狭めながら、自己顕示欲ではない、内向的宇宙にのみ自分達を沈めて沈めて沈めて、
その暗く深い深海をたゆたう物語だった。
正直、
何とも息苦しいものであった。
あの赤坂レッドシアター(名前は大阪でも鳴り響いており、素敵な劇場であった!)のタッパの有る空間に圧し掛かる重圧といったら・・・・・
それほどの緊張感を客席に届ける事が出来た公演なのである。
またキャストはほとんどが初見の方ばかりだったが素晴らしかった!
拝見した事があるのは、わずかに3名。
石黒さん、小玉さん、渡邉さんくらいで、面識が有るのは先の二人だけだ。
石黒さんはザネリといういじめっ子役を好演されていた。
ガッツリ、ジャイアンのようなものではなく、
「何、何?俺がどうしたって?いじめ?バぁカ言わないでよー、そーんなことある訳ないじゃんー」
そんな言葉を口に、いじめられっこの肩を組んで笑う、そんなキャラ作り。
だから、
本当にうっとしい奴、そんなキャラを、
サラッと演じられており、そこが凄いのだ。
弾ける!ではなく、終始圧力をへそに向けている感じ。。。圧巻だった。
小玉さんに関しては2ヶ月前に観た『カムヰヤッセン』でのキャラと丸かぶりで、一瞬思考がズレたのかと思ったほど(笑)
東京の客演で求められているのが同じポジションなのかと思った。
ということは、そのキャラのクオリティが格段に高い事である証明だ。
上から目線、自己顕示欲の塊の女王キャラ、心の底では弱腰!
またそれが、格別に上手い!はまっている!
ありゃあ飛び道具に近いが、至高の芸であると思った。
もしかして、いつでもこんな感じなのかと終演後に伺ったが、「たまたまですよ」と言われ安心。
そこだけに特化するのもですもんね。
(まったく、この存在感よ!小玉さん!!)
篤海さん。
初見だが、聞けば「ごくせん」などに出ているタレントさんだという。
恐ろしいほどのイケメンで、しかも愛らしい。
愛される要素をたんまりと持っている。
色んな計算もされているだろうけど、ジョバンニ役がこんなに似合う一生懸命さはかいだ!
また終演後、ほさかさんと少しお話しをさせて頂いたのだが、繊細そうな方だった。
物語の引力に、導かれたものが具現化したような感触。
「ああだから素敵な人が吸い寄せられるのだろうな」
と、普通に思えた。
それにしても、
息苦しいまでの暗い物語。
深海、人の最も暗い部分に引きずり込まされた物語だった。
『空想組曲』
また見逃せない劇団が増えてしまい非常に困る。

