劇89 RISU PRODUCE 【「ぼくはだれ」 ~取調室での攻防~】 | 日々幸進(ひびこうしん)

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7月5日(日)  


<ロクソドンタフェスティバル2009参加公演>

RISU PRODUCE 【「ぼくはだれ」 ~取調室での攻防~】

http://web.mac.com/risuproduce/RISU_PRODUCE/Top.html

   

LOXODONTA BLACK(ロクソドンタブラック)

17:00


【作・演出】

松本匠


【出演】

浜谷康幸/44北川/かなやす慶行/松本勝/野元学二/横関健悟/泉知東/松本匠


【感想】

言葉にするのは難しい。

ただ胸を込み上げる『熱』は間違いなく感動によるものである。

敷き詰められた魅力的なシーン。

そして、ひとつづつゆっくりと積み上げた積み木を一気につぶしてしまう醍醐味は、2度目の観劇によるビッグウェーブだ。

嗚呼!

何ということだろう。

8名による密室劇であるにも関わらず、胸を去来するのは膨れ上がってどうしようもない切なさ。


『浜谷康幸』さん。

一体、何という切なさに満ちた涙を流すのだろうか?

母に会いたいという気持ちから派生する全ての罪を引っかぶろうという覚悟があまりにも哀しい。

残酷なまでに研ぎ澄まされた五感が絶望に彩られてゆく。

その眉間に刻まれた皺と、鼻水まで垂らしてしまう涙は、まごうことなき本物。

土臭く人間味溢れる感情のシーソー。

浜谷さんはとんでもなく懐の深い役者である。

また違う顔を観てみたい。

フリーであると言われていた。

また関西に来られるコトがあるのだろうか?

チェックしたい。


『44北川』さん。

全身からにじみ出る禍々しいほどの凶悪なオーラ。

それはあたかも、

〔グラップラー刃牙〕の範馬勇次郎のよう。(最高の褒め言葉です!)

ぐにゃり

空気が歪むのだ。

・・・・・それは勿論、脚本から発生する意図であり、それを表現するのが役者であるのだから当然といえば当然かもしれないが、44さんは脚本以上の仕事をしたのだと僕は声を大にして言いたい。

背中でモノを語る。

よく耳にする言葉だ。

だが、それを実践できる役者がどれほど居るだろうか?

役柄で恐ろしいほどに研ぎ澄まされたナイフの如き感情は僕の心にすっと潜り込んできている。

痛い。

また終演後、僕の顔を見かけると「昨日・・・・も来てくれはりましたよねぇ?ありがとうございます。楽しめましたか?」と声をかけてくださりありがたい限り。

僕はというと一日前に写真を撮らせて貰ったのに、その写真を見て「まるで一世風靡セピアかヤクザ(みたいな貫禄でカッコいいです!)みたいですね」と言ってしまい、()カッコ内の言葉を口にしてない失礼をぶっこいてしまう。

本当に失礼な野郎で申し訳ないです。

それでも「そんな事、何とも思ってないよ。気にする事ないのにぃ!」と言って下さりますますファンに!

本当にありがとうございました!!


『かなやす慶行』さん。

人がいいだけではなく、心の底から真摯なんだろうと感じた。

いつまでもそこに居るだけで安心するような空気を作り出せるのはひとえに、かなやすさんの持たれるエッセンスであろうと思う。

クールでありながら気品があるのだ。

粗暴ではない気品。

また脚本でその最後(死に際)を見せない演出でモノローグでありながら、すっと左端に立っている姿には「凛」としたものがあって胸に迫った!


『松本勝』さん。

今回、公演の集客でもっとも強かったようだ。

2回、公演を観させて頂いたが、毎公演違うお客の顔ぶれを引き連れて来られている。

顔が広いというのもある。地元というのもある。

だが劇団は東京の劇団である。

また大阪公演は初めてであるという。

そんな状況を差っぴいてもこれだけの人数を集められるのは凄い。人柄であると同時に「縁」を大事に大事にされている方なんだということは、オープニングの客入れから、客だしの終演後まで話し続けておられる姿を見てようくわかった。

僕のような初見の客にまできっちりと挨拶をされる姿に胸が熱くなった。

また演技も凄い。きっぷがよく勢いがある。

時代劇での松田さんが一度観てみたいと強く感じた。


『野元学二』さん。

僕とまったく同じ歳の野元さん。

それにしても年輪を感じさせる抜群の演技であった。

物語の性質上、大切な役どころ。

静かなる闘士。

お話しさせて頂いても、穏やかな感じで好感の持てる方。

お芝居の中で一回だけで激昂されるのだが、その声の出し方がとても好き。

『横関健悟』さん。

キャリア組を演じる切れ者。

そのオーラは素敵。

胸に秘めたるマグマに注意!

だからこそ、44さんの暴走をひどく食い止めようともがく。

キャリアだからこそ持つプライドが導くはずの方向が44さんの乱気流に呑まれるのは圧巻!

だからこそ生えるシーンがあるのだ。

見事でした!

『泉知東』さん。

そして44さんの暴力を全面に受けきった若武者!

いや・・・受けきったとはいうものの、そのファーストシーンでのふてぶてしさは最高!

ああ、こんなにうっとッしい奴には極刑しかないな!と思わせるウザさ!

それがウザければウザいほど、そうした観客の気持ちは前向きに腹が立つ。

いや、その意味では120%の犯人像であった。

しかも44さんにはつられる!はつられる!

いや、しかし前回観た時よりもスイングはフルであったが、当たりは少なかったように感じた。

見た目よりも後を引くかもしれないので加減をされたのだろうか。

まぁ・・・・・後の事を考えると懸命かも・・・・・

でも・・・MAXも観たかった!すみません。


『松本匠』さん。

劇団の代表であり、作、演出である。

そしてその飄々とした姿勢が全て真摯であるのだと全身が語っている。

特に今回の役は反則に近い。

実際に脚本で宛書というのもあるのかも知れないが、ぴったり!である。

まさに松本さんの為の役柄であった。

もう・・・・・・・もう・・・・・・・あのような歳であるのに・・・・・・

可愛くて仕方ないのである。

愛すべき人間なのである。

それをあそこまで見事に細やかに演技をされるのを観ながら、「本当に生きているみたいだ」と思わずにいられない。そう、本当に生きているようなのだ。脚本の中で生きているのだと思い込んでも、自分で違和感を持ってしまうのだ。

昨日、まったく同じお芝居を観ているじゃないか?

そう思っているのに視線が外せない。

恐ろしい引力を持っている役者さん。

そして・・・・・・

素敵な人なのだ。

終演後のお話は楽しくて仕方なかった。

「ええ?昨日来てくれはったのに、また来てくれはったんですか?ありがとうございます!」

そう言って千秋楽のプレゼントだと東京公演でのパンフレットをわざわざ手渡しで下さった!

感激である。


とにかくこの笑いの削ぎ落とされた社会派作品をこの大阪でやられた意義を評価したい。

笑いではなく、社会派。

しかしホームページ等を見ると結構笑いを中心としたお芝居も得意らしいので、次回は期待したい!

と言いながら次回12月公演も社会派らしい。

・・・・だが楽しみである。