劇74 特攻舞台Baku-団 【病的船団  ships of diseases08】 | 日々幸進(ひびこうしん)

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8月30日(土) 


特攻舞台Baku-団 【病的船団  ships of diseases08】

http://www.baku-danger.com/
シアトリカル應典院
13:00



病的船団1

(強力ツートップ! 鈴木洋平さん × 谷屋俊輔さん)


脚本:水本剛
演出:特攻舞台Baku-団

キャスト
伊藤しのぶ/鈴木洋平/谷屋俊輔/石神禿/阿比留真子/水本剛

上田ダイゴ(Maverick CORE)/本條マキ(France_pan)/中村真利亜(TAKE IT EASY!)/白井宏幸(劇団暇だけどステキ)




二度目の航海(観劇)♪

そして二回目であるにも関わらず更に違う自分の涙腺部分に驚く。

あれから1日を越えているだけなのに舞台は進化を続けている。

凄い。

所々の切れ味が増しているというか、なだらかでありながらハッキリとしている。

切り返しが出来ているからこそ、鈴木洋平さん演じるウミカゼのセリフが芝居全体に旨く作用している箇所がたまらなく快感!

一度目は、ただただ圧倒されていただけだが、2回目ともなると周りに目を向けられて、見落としている部分などに気付けたりして嬉しい。

しかもセリフで納得していたはずなのに、動きの細かい部分にまで目が行き納得を深められたり♪

とにかく素敵なモノで満ち溢れている。

一瞬たりとも目が離す事ができない。



カッケル 役の 【伊藤しのぶ】さん。僕の中では彼女の最高傑作ではないかと思っている。いや本当に凄い。素晴らしい。まずその短く刈った金髪の毛!表現は悪いが可愛い孫悟空のような感じ。伊藤さんは声が響く。それが舞台であるなら尚更。それは一番奥の席、もし戸が開け放たれていれば外部にまで易々と届くであろう。とにかく今回の役のセリフ量は半端ではない。その言葉を自分の中に染み込ませるだけでなく、感情として爆発させられる快感を手にされていると観ていて実感できるし、共感もできた事が嬉しい。ラストの感情の起伏にこちらも奔流となるのが分かった!


ポプリ 役の 【阿比留真子】さん。アドシバ!での爆発凶器も舞台の上では眩いばかりの女優となる。30歳になるまで人と接したことがなく、この船に乗って人と関わり喜びを爆発させる役柄が阿比留さんに抜群に合っている。そして他の方とも話したが、この役は阿比留さん以外の方が演じるのは出来ないかもしれない・・・・・・・と感じた。例えばこの役柄を演じられる僕の知っている役者さんといえば・・・・【sun!】 さんかも・・・・・・いや、この役については阿比留さんを越える事は無理だろう。彼女の笑顔の太陽には誰も敵わない。おまけにあの『○○才なぁのだぁあー!』というポージングとセリフのコンボが出来るのは他に居ない!愛らしく抜群のポプリ!


ゼクソン 役の 【谷屋俊輔】さん。もう・・・・・・谷屋さんのいい部分のオンパレード。まさに谷屋祭り♪状態でした。力技でありながら、アクション!(受け)や、筋肉アピールの美しさや、激情の暴発など、魂から震える素晴らしい演技!猛々しくも弱い内面を持つ男を、これでもか!というくらいの優しさで演じられている。その比率がたまらないほどの黄金率!谷屋さんの舞台を何度も観たがこれは最高峰である。一体何という荒々しい自由さだろうか!役作りの真摯さが、そのまま役に出たのだろう。やはり舞台で綺羅星の如き光を放つ魂に心底震えた。


イズツ 役の 【上田ダイゴ】さん。僕は上田さんの芝居の舞台は4回目である。その他のアドシバ!での司会者である方が観た数は多い。・・・・・でその4回目であるのだが、この役は最高峰だといわざるを得ない。アドシバ!の最高責任者である上田さんが好き放題に出来るシーンが2つある。その内のひとつが半端ではない。そう、半端ではないのだ。僕が観た2回とも少しづつ変えてあったりして全力投球なのである。その鬼気迫るキャラクターの造詣ぶりは感動に値する。こんな弾けた上田さんは初めてだ!めちゃめちゃ素敵だ!ますます大好きになった。


エイン 役の 【中村真利亜】さん。踊れる素敵なお姉さま女優さん。劇中のセリフ(多分アドリブ・・・)にもあったが、化粧品でツバキを使っていそうな、スリムで美しい方だ。まるでデルモ。そのような美貌を持つ彼女が演じるのは、自殺未遂を繰り返す不安定な女性だ。リストカットを繰り返す悲しみ。そうした微妙な立場を取らざるを得ない悲しみのはけ口が破滅。とにかく中村さんの持つオーラを通して弾き出される物語の進行は脚本以上の艶を出されていた。Baku-団色に染められたはずの真利亜さんは、変わらず綺麗で美しいまま。


カイ 役の 【本條マキ】さん。拒食症であるのだが、場を和ませようと気遣う可憐な乙女。そんな微妙な役柄を抜群の透明感で演じられた。言葉が他の演者に比べて柔らかなのが今回ピックアップされた要因だろうか?とにかくマキさんの存在感は、痛々しくも守ってあげたい症候群の胞子を撒き散らしていた。芯が通っているので凛々しくも感じたりする。多分、いい意味でカメレオンな感じがします。カイ役にはピッタリでした!


セッキ 役の 【白井宏幸】さん。白井さんの持つ朴訥としたイメージが今回の役には必要不可欠なファクターだった。当て書き?とも思えるほど純粋培養されたセッキが目の前に居た。彼もまた悩み、悩み、悩みぬいてこの海の上に居るのだ。そうした切実さが胸に迫り、普通にしようとすればするほど船上では滑稽に見え、演出者が意図したように僕らの目に映っているのだ。そうしたリアルを引き出す事に長けた役者は幸せだろう。あの独特の口調すら武器になっている。そして新しい扉はそこにあるかも知れないとも思わせる役者さん。


フルイエ 役の 【水本剛】さん。近年、役者業に精を出されており、僕としても嬉しい。今回の役どころはマニアックで武装強化された引き篭もり君である。ナチュラルな筋肉を持っている自体で、引き篭もりの新たなる地平を目指しているのか?はたまた新たなる神代ユウ(ホーリーランド)の誕生か?とにかく存在自体で圧倒的な存在感を出せるのは凄いことだ。その能力スタンドの名前こそ『説得力』。水本さんが現われるシーンにはいつも笑顔が生まれ、その存在に説得させられる。なくてはならないパイプライン!


ウミカゼ 役の 【鈴木洋平】さん。言わずと知れた劇団ツートップの一人。とにかく順応性が凄い。近年のアクトリーグでの存在は、あきらかに人をさばきつつも前へ出る戦法が確立されてきているように感じる。そんな即興ではなく脚本ありきのガッツリ芝居でのポテンシャルはその比ではない。一度演じていても、2回目、3回目は微妙に違う角度を提示できる稀有な役者さん。今回のウミカゼ役も冷静な堅物でありながらも苦悩する医者を繊細に演じられている。その振り幅に身震いがする。自然。そう、自然体である事が凄い。声を張り上げている訳ではないのに声が届く。そのラインが惚れ惚れとしてしまう要因。やっぱり好き!


リゲル 役の 【石神禿】さん。実は2回目の観劇で石神さんの演技で涙腺を刺激されてしまったのである!1回目では分からなかったリゲル全身の悲しみが驚くほどストレートに演じられている事に易々と気付かなかった自分に腹が立つ!1回目の航海(観劇)は、ただただ楽しんでいたのかも知れない。2回目の航海こそ、自分探しの旅が出来るのかも知れない。リゲルの小さくこぼれるような「ごめんね・・・」。そしてうずくまって泣き濡れるリゲル。あれは僕だ。いやリアルではないが僕だ。様々な壁にぶつかりながらもがいている自分自身。打ちひしがれながら、ああしてうずくまって誰とも話しをしなくて生きていこう!と、若い頃に考えた事もあった!誰からも相手にされずひたすらに泣く。その抜群の演技に僕は頬を濡らしたのだ。知り合いが近くに居なくて良かった。石神さんの間違いない代表作になりましたね!めちゃめちゃ良かったです!!



・・・と後、衣装!

この衣装もめちゃめちゃいい。

白いローブのような作りで、一人一人が性格を蛍光のゴシック体で文字を背負っている。
その性格は文字を背負っているというだけで意味は無い!という意味が込められている・・・・・らしい。

その言葉に胸が熱くなる。

とにかく一人一人の着こなしが微妙に違って性格すら浮き彫りになっている気がしました。


後、音楽。

【西原希蓉美】 さんが主題歌、及び劇中歌を歌われている。

そのソリッドなメロディワークすらこの舞台にベストマッチング!

よくも、このような楽曲があったものだ!と感心する。

オープニング、エンディングと、心を開放されるようなシンプルでいて、サイケであり、ポップで、キャッチーで、ハスキーヴォイスな艶がたまらない。



劇団、最高傑作という呼び名に間違いなし!

これだけ多数の意志が同じ方向へ向いたという事実に嬉しくて地面を蹴りたくなる!

ありがとうBaku-団!


そしてスタッフ、キャストの皆様、素敵な航海をありがとうございました!

また近い内に、新たなる航海を楽しみにしております!!





PS


そうそう、

僕がこの30日の1時に観に来た理由はBaku-団名物の 【おまけ公演】 を心の底から楽しみにしていたからである!

【爆発的紙芝居 Baku-団マスク】

http://www.baku-danger.com/_doc/products/kamishibai/  (第1~10話)

である。

個人的に、これを観て熱くなれる人は幸せである!と断言できる(爆)


いつもその【おまけ公演】をする前に前説明がなされる。

『今観た芝居の余韻を確実にぶち壊します!』

信じられるだろうか?

時間をかけて練り上げ披露された舞台の余韻をぶち壊す?

一番最初に僕の人生を揺るがせた大傑作【3ツ目ル愛ズ】を観終わった後に体験した【爆発的紙芝居Baku-団マスク】のインパクトは芝居創世記の幕開けだった!

長い年月をかけて熟成されたワインに、しょう油を混ぜるが如き所業!

そうした強烈な刺激は人間にある沸点を与えてしまう。

そう。

そうなると普通のものでは物足りなくなる。

物足りなくなるのだ。

そうした症状を病的な言語として、僕は当て嵌めるコトが出来る。

『禁断症状』


第6話「圧巻! ネットのデータ共有ソフトで個人の秘密も共有するリスブーメラン!」

舞台上では勿論、圧巻のステージが展開された。

主人公の 【高井志ダン】 を演じる 水本剛 さんは満身創痍、【病的船団】にて喉が潰れてしまっている。

そう言った手にはマイクが!

当たり前だ。

そこまでして【おまけ公演】を完遂させようという情熱に目頭が熱くなる。

古伊万里郡司 役の鈴木洋平さんも薔薇を手に華麗なる登場をする!

さすがっ!

竜ヶ崎隼人、男1、女1、暗黒司祭、と八面六尾の活躍、谷屋俊輔さん!その変わり身の早さに羨望!垂涎!

そしてリスブーメラン役に何と 【松枝巧】さんがブーメランパンツ一丁で登場!

さっきまで受付に居た爽やかな笑顔は今はもうない。

あるのは目の前に居る憎きBaku-団マスクを倒す事だけにとりつかれた怒りの男!

しなやかなる長身をしならせながら真っ黒いブーメランパンツを突き上げる松枝さん!

嗚呼・・・・・・男だ!


それにしても1公演を終えて尚、30分近く紙芝居をしようという精力さが凄い!

サービス精神もここまで昇華すれば見事である!

何とか、この紙芝居をまとめてDVD化できないものか?


劇団スタッフの皆様どうかよろしくお願い致します!!