3月8日(土)
芝居小舎 【新羅生門】
http://www.oct.zaq.ne.jp/shibaigoya/framepage2.html
ワッハ上方5階ワッハホール
16:30~
【作】横内謙介
【演出】芝本正
【出演】
芝本正、小西由貴、松のりひこ
柳沼周平(芝居小舎・舞夢プロ)
安積艶香、関本聖、朝見浩代、宮津絵美子、中谷昌代
古元利英、石田真梨、明田奈緒美、依田朋子
魚津孝明、川上愛
河西秀樹(劇団アルファ)、中谷樹(OSM)
伊藤一壮(舞夢プロ)、松本大志郎(舞夢プロ)
上中裕之(舞夢プロ)
永田哲也(舞夢プロ)
物語が持つ中心が、どうするべきなのか揺れていた気がする。
ポップで行くのか、アングラで行くのか?
非常に微妙なボーダーラインに立った作品ではある。
現代の人間に訪れる鬱屈した叫び、御伽噺から抜け出してきた主人公達の赤裸々な行動。
その相まみえる部分があまりにもボーダレスで、気持ちをどちらに向ける方がいいのか迷った。
しかし、それを吹っ飛ばす演技というものはやはりあった!!
鬼のゴロウ役の 【柳沼周平】 さんは、前回の『裸の街エレジー』での渋い逃亡者夫婦役をやられていたお方!あの時のストイックさはどこへやら、全面に鬼の形相と唸りと叫びを、雄叫びを上げ僕らを恐怖に突き落とす抜群の芝居を提示された。しかも今回は渡辺綱に羅生門で斬られた腕・・・・という設定なので、最後まで右腕をジャンバーの下に隠したまま立ち回り芝居を続けられた!素晴らしい。
岡元信也役の 【松のりひこ】 さんは、相も変わらず飄々としている役を確実に自分のものとし、誰からも愛される朴訥としながら厭らしい人間の欲深さを見事に演じ分けられていた。この方の演技は瞬間に切り替わるスイッチの箇所が観客に分からないコトがあるのでトリッキーに楽しませてくれる方で好きだなー♪
山路勝昭役の 【松本大志郎】 さん。前半のおどけてオドオドした煮え切らなさ間の悪さが、全て後半にひるがえる感情の爆発に繋がっているとは!一体どこまでキャパが広いのか?そのアップダウンのギャップがうまい。アップな感情とダウンな感情を併せ持つ難役!うまい!そして初めてお話しをさせて頂き、めちゃめちゃ見た目通りに優しそうな好青年でビックリ。一番起伏のある役でしたよね♪凄い。
今回は性悪女でも、ストリッパーでもない真正面なキャラ姫役の 【安積艶香】 さん、正直、本当に同じ方なのかビックリするほど違う・・・・・というのは演技力があるという事に置き換えられるのだろう。まぁ、男の本能として前回のキャラの方が好き・・・・と言ってしまえば語弊があるが、それほどに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
可憐だった!!!
駄目駄目な口だけ番長の桃太郎役の 【関本聖】 さん。物静かな役からかっ飛びな今回の役。典型的な口先男を完璧に演じられた。威勢が良くてペラペラの性格をあれだけ、おっぱっぴーに演じられると小気味良くて嬉しくなる。
舌切り雀、洗濯女役の 【中谷昌代】 さん。流石である。彼女の言葉には重みがある。それは真実というヤスリで研いだぶんだけ人の心に簡単に滑り込む効力を発する。途中、独白するシーンがあるのだが、その重みと鋭さが共存して観客に届く妙技に僕は酔いしれる。ありがとうございます。
桃太郎の従者 犬役 【上中裕之】さん。雉役 【依田朋子】さん。猿役 【明田奈緒美】さん。元気一杯の三位一体!微笑ましくなる。
一寸法師役の 【永田哲也】 さん。の出現にそれまでの見えなかったギャップがキリリ♪
金太郎役の 【伊藤一壮】さん。「俺の強さは・・・泣けるでぇ!」的なものとは無縁の我が侭放題の甘えん坊を力一杯演じられていた。僕的にはもっともっと舌足らずな甘え言葉も盛り込んで欲しかったけど・・・
浦島太郎役の 【魚津孝明】さん。あれだけの方が・・・・・これだけだなんて!本当に勿体無い。どうにかできないものか?もっと有効に使う役が後からでも盛り込めるのに!と、つくづく思う。次回に期待。
渡辺綱役の 【河西秀樹】さん。声が太く、よく通る。存在感とそれらを呑み込む許容量の深さを感じた。惜しむらくは鎧(ヨロイ)。紙・・・・・なのは動くので仕方がないのだが、欲を言えばカチャカチャと金属音の摩り合わせる音が音が欲しかった。あれだけの重厚な演技をされるのに勿体無い。
飯島サエ役の 【小西由貴】さん。別格。こういうのを別格というのだろう。飄々とした言葉を操ったと思ったら一転してトーンを落とすだけでオーラを瞬時にまとえるのである。これを別格といわずして何を指すのか?まったくもってスバらしい役者魂である。
それにしても・・・・・・・
これだけのゴールデンメンバーを活かせる脚本はないものか?
勿体無いにも程がある。
あれだけ綺羅星の如き実力者が群れで居るのに・・・・・・返す返すも・・・・・と思わずにはいられない。
物語を食い破るような物語。
そのような勢いあるものが欲しいと感じる.。