●巧妙が辻
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/komyogatsuji/ (ドラマ最終回、新聞記事)
大河ドラマの最終回。
一年というスパンの長いドラマは最早ここだけしかない。
他のドラマは3ヶ月、長くて半年などで切ってしまうのが大半ではなかろうか?
まぁ 『渡る世間は鬼ばかり』 や 『シリーズ物』 というカテゴリーはありますけどね。
とにかくスタッフは一年をかけ、この膨大な尺を埋めていく作業を進められた。
しかも、それが時代考証から、その時代にあった美術、背景、小物、髪型、服装を網羅しつつ毎週45分の映像を放送していくのを1年間続けるのだ。並大抵の努力ではない。それこそスタッフ総動員の作業だったに違いない。
それでも最終回から3回前ぐらい・・・?の話しだったか時代考証が5年間違ってセリフとして口にしてしまったと問題があった。
仕方がないと一言では済まないな・・・・こりゃ。
あうう。
主人公、山内一豊役を演じた 【上川隆也】 。
彼がこの主人公を演じるにあたり、ある雑誌でインタビューを受けていた事を今でも思い出す。
雑誌 『山内一豊とは、どのような人物です?』
上川 『あの時代には珍しい人物ですね。自分ではなく嫁さんに色々と教わり家(山内家)を、あの戦国時代に守った訳ですから』
雑誌 『そうですね。もう撮影も大分、進みましたが、印象に残っているセリフはありますか?』
上川 『うむ・・・・ですね。あの時代の人間にしては、一豊は珍しく人の意見を聞き入れられる人間だったんです』
ああ、なるほどと思った。
僕はその記事を念頭に一年の放映を観させてもらった。
なるほど、一豊は嫁の千代にも家臣にも 『うむ・・・』 というセリフを連発していた。
自信がない、というのではない。
それだけの器と度量があるのだ。
受け入れる気持ちがあるのだ。
心の広い人物像である事に上川は一豊をいたく気に入ったという。
ストーリーの起伏はあるが、出てくる人物の中で僕が最も好きなキャラクターが一人居る。
六平太 役の 【香川照之】 である。
主人公の千代(仲間由紀恵)を心の底から恋い慕う下男役を真っ向から真っ正直に演じられた。
僕は彼が腹にイチモツを持ちながら、健気に千代に尽くしぬく姿が、あまりにも素晴らしく何度も胸を締め付けられた。
あれ以上の演技はない!
香川照之は昔、売れない役者時代、もう役者を辞めようとした時、あの 【松田優作】 に諭され役者を続ける事を決めたと 『静かなるドン』 のインタビュー時に語っていた。
この鋭利な演技の昇華を見据えての言葉だったのかも知れない、と思うと胸が熱くなる。
他にもそうそうたるメンバーがこの作品を彩っているが、やはり 【西田敏行】 かも知れない。
同じ出演者である 【武田鉄也】 が西田の演技を大絶賛したラジオがあった。
よくは覚えていないが要約すると確かこのような事を言っていた。
『よくもあの役を西田さんの今のあの歳で巡りあえたかと思いますね。素晴らしい。あんな艶のある徳川家康、見た事ない』
本当に、その通りだ。
あの徳川家康のタヌキぶりは、今までの徳川家康像の集大生ではないだろうか?
西田の演技を観て僕も唸ってしまった。鬼気迫り、のらりくらり、全てを知った上で心理戦は、見事に掌で皆を遊ばせるお釈迦様のようであった。
とにもかくにも一年。
いつか書こう、書こうとしてドラマは最終回を迎えてしまった。
正直、途中、何度か抜けてしまったが、ドラマの質やテンションは一度も落ちることなく走りきったスタッフ、キャストに拍手を送りたい!
どうも、御苦労様でした!!
http://www.nhk.or.jp/taiga/tsuji/index.html (巧妙が辻 HP)