前回記事より、クレアチンについて書いていますが、クレアチンはボディメイク・筋肥大にフォーカスするボディビルダーやフィジーカー選手、爆発的なパワーを必要とするパワーリフター、ウエイトリフター選手、瞬発力や筋力がパフォーマンスに比例する野球、ラグビー、陸上短距離、水泳等の競技選手、強さを追い求める格闘技選手、一般の筋トレ愛好家やフィットネスを日常的に行なっている人達には、欠くことができないサプリメントです。
世のスポーツ栄養学、筋トレ栄養学、一定レベル以上のフィットネストレーナーのプロも、プロテイン以外にどれか一つだけサプリメントを挙げるとしたら、殆どの方がクレアチンを挙げるくらい重要なサプリメントです。
クレアチンが何から出来ていて、どんな働きをしているかについて、前回記事で書きましたので、今回はクレアチンが効果をもたらす仕組について説明致します。
〜クレアチン摂取効果のエビデンスレベルは最高〜
2018年国際栄養学会のレビューによると、30種類以上のサプリメントについて、
①筋肥大
②パフォーマンス向上
というカテゴリーに分けて、エビデンスレベルが発表されました。
各種アミノ酸系やビタミン、オイル系サプリメントを含む5大栄養素に関連した30種類以上の代表的なサプリメントのうち、エビデンスレベルが最高レベルのA=明らかに安全で効果のある強力なエビデンスを示すもの、とされたのは以下でした。
①筋肥大
プロテイン
必須アミノ酸=EAA
クレアチン
HMB
②パフォーマンス向上
水とスポーツドリンク(糖質)
リン酸ナトリウム
重炭酸ナトリウム
炭水化物
カフェイン
クレアチン
ベータアラニン
数多くのサプリメントのうち、エビデンスカテゴリーAに入るのは何とクレアチンだけでした。因みに、皆によく知られるBCAAは【筋肥大】のみカテゴリーB=限定された効果のあるエビデンス示す、【筋肥大】ではエビデンスレベルAの必須アミノ酸(EAA)とHMBも、【パフォーマンス向上】では、カテゴリーBです。
〜クレアチン摂取による爆発的パワー発揮のメカニズム〜
筋肉のエネルギーは、ATP=アデノシン三リン酸から得られるが、ATPから1つのリン酸が離れ、ADP=アデノシン二リン酸に変換される時に、エネルギーが生成される。
しかしながら、ATPは1秒以上の筋収縮でなくなるため、ATPが再合成される。運動を続けるために、ATPを再合成するための仕組が「クレアチンリン酸系、解糖系、有酸素系」の3つ。
グリコーゲンをピルビン酸に代謝する過程でATPが再合成される仕組は、糖を分解することから解糖系=乳酸系と呼ばれ、30秒でエネルギー供給終了。中程度の強度の運動に使われる。
酸素を使ってATPを再合成する有酸素系では、体内の糖質や脂質が残っている限り、無限にエネルギー供給。但し、有酸素運動と言われる低強度の運動に使われる。
クレアチンは、高強度の運動で用いられるクレアチリン酸をつくる成分。総クレアチンの95%が筋肉に貯蔵される。体重50kgで最大80g、体重75kgで最大120g、体重100kgで最大160g貯蔵されるが、能動的にクレアチンを摂取していない殆どの人の貯蔵量は最大の50%以下。またクレアチンは1日2〜3gが排泄される。
それらを考えると、貯蔵量現状維持の為に1日1〜2g、貯蔵量を最大迄増やすには1日4〜6gの摂取が必要で、その半分は体内でアミノ酸から生成されるとしても、残り半分を食事やサプリメントから摂取する必要がある。
クレアチンをサプリメントとして補給することにより、筋肉の総クレアチン貯蔵量を増やすことができ、高強度の運動に貢献するクレアチンリン酸系によるATPの再合成能力を高め、爆発的なパワーを発揮しつつ、パフォーマンス向上、筋肥大が可能となる。
次回以降、クレアチンエビデンスレベルについて掘り下げていきます。