先月のモーニング・アカデミーで、長年通ってこられる歯科医のT先生が

「先日、うちの医院でやった小杉さんのセミナーの『ありがとう』という言葉がとても役立ちました」と言って、

 

飛び出してきた犬との衝突事故の話をされた。

■”ありがとう”が道を開く

T先生は新潟市内の赤道という4車線の道路を走行中に、犬と正面衝突してしまった。

その犬は飼い主から逃げ出した犬だった。

青信号の交差点に近づいたところ、犬が交差する車線を渡っているのが見えた。

そのまま渡ると思ったら突然方向を変えて先生の車に向かってきた。

向かってきたというより突進状態だったという。

慌ててブレーキを掛けたが間に合わず正面衝突してしまった。

その瞬間に先生の口から「ありがとう」という言葉が出たという。

そして何度か「ありがとう」とつぶやきながら犬を見た。

スピードからして死んでしまうであろうと思っていたら、犬は立ち上がることができ、結果は骨折ですんだ。

また愛車レクサスのボンネットが衝突の衝撃で立ち上がってしまい、これは修理代も大変だなと覚悟した。

ところがボンネットが立ち上がったのは衝撃を和らげるための車自体の反応で、簡単に直せるとのことだった。

先生は、

「やはり、”ありがとう”という言葉で、この事態を受け入れるという態度が全ての結果を良い方へと導いてくれたんでしょうか」

と言っておられた。

■“ありがとう”は魔法の言葉

先述のT先生の歯科医院での私のセミナーは、

20年ほど前に話題になった『ツキを呼ぶ魔法の言葉』(※五日市剛著)よりとったものだった。
 
それは著者の五日市氏が学生時代に、

イスラエルを一人旅した時、宿がなくてある晩泊めてもらった、おばあちゃんが教えてくれた話だった。

『‥‥ツキを呼ぶ魔法の言葉があるのよ。

それはね何かイヤなことがあった時、

例えば車を運転していて事故っちゃった時、

あなたの親が亡くなったような時も歯を食いしばって、“ありがとう”というのよ。

どうしてかというとね、イヤなことが起こるとイヤなことを考えるでしょう。

そうすると、またイヤなことが起こるの。

これはこの世の法則なのよ。

そこで、“ありがとう”と言うことで、不幸の流れを断ち切ることができるの。

それだけでなく、“ありがとう”と言っていると「禍転じて福となす」という諺の通り、逆に良いことが起こっちゃうの。

だから「ありがとう」は魔法の言葉なのよ。‥‥‥‥』

正にT先生はこのところ、

そのおばあちゃんの”ありがとう”という言葉が心に残り、

いつも意識するようになっていたという。

その結果、犬と衝突した瞬間に、

思わず「ありがとう」という言葉が出たとのことだった。

そして、

「私は今回の事故を反省しています。

あの犬がなぜ突然方向を変えて自分の車に突進してきたのかと考えてみると、

やはり私の運転の仕方や私の心の状態に問題があったのではないかと、

考えてしまうのです。」

と言われた。

私はその言葉を聞かせて頂き、

T先生はありがとうという言葉の実践によって

一つ上の学びのステージに立たれたのだなと感じた。

 

 

《令和6年7月のフォローUPセミナー予定》
■第22期SMIビジネス塾 ◇日時令和6年7月16日(火)◇今月のテーマ「近代日本のイノベーション」◇会場 新潟ユニゾンプラザ4F小会議室
■第38期SMIモーニングアカデミー◇日時 令和6年7月14日(日)◇今月のテーマ「イノベーションは技術ではない」◇会場 東横イン駅前4F小会議室」

※ケースによっては内容の変更があります。ご容赦ください。


 

過日、税務署に決算のことで相談に行ったら、担当者より「会社を30年も続けてこられたんですね、すばらしいですね」と褒められた。

税務署にあまり褒められることはないから、少し嬉しかった。

時々仕事を続けてこれた理由を考えることがある。

心構えという見方からすると、SMIベーシックトレーニングで仕事を続けていく上で、とても大切な考え方を最初に教えてもらったことも大きかった。

それは、「仕事で起きる心配事の100の内、97は決して起きない」という考え方だ。

 

今ではこれは経験上考え方というより真理と思っている。

■「あすのことを思い煩うな・・・」

長年お付き合いさせて頂いている会社で、Oさんという方が現場から営業に変わっていた。

先日、Oさんに面談した。

やはり営業としての不安を話してこられた。

営業になって3ヶ月ということもあってか、関係する全てのこと

『伝えたことをお客さんはちゃんと理解してくれただろうか?』

『あの現場は指示したとおり進めてくれているだろうか?』

『事務に伝えたことがきちんと伝わり正しい材料が届くだろうか?』

といつも心配とのことだった。

私は先述の「そうした心配事の100の内、97は決して起きません」をお伝えした。

また聖書の

「あすのことを思いわずらうな。

 

あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう。

 

今日の苦労は、今日一日だけで十分である。」

という言葉もお伝えした。

これは一言で言うと「明日を憂えず、今日一日を一所懸命生きよ」ということだ。

■「今日一日の枠の中で生きる」

問題解決やストレス予防に役立つ名著としてデール・カーネギーの『道は開ける』がある。

この「道は開ける」は、第一章を「今日一日の枠の中で生きる」というタイトルで、先ずは今日一日を生きる事だけを考えよ、としている。

そして章の最後に、次の問いかけをすることを提唱する。

①あなたは、未来に不安を感じたり、魔法のバラ園に憧れたりして、現実から逃避しようとしていないか。

②あなたは、既に決着のついたことを後悔し、現実を傷つけていないか。

③あなたは、朝起きて、「今日をつかまえて、この24時間を最大に活用しよう」と心に誓っているか。

④あなたは、「今日一日の枠の中で生きる」ことで、人生を豊かにしようと誓っているか。

⑤あなたは、上記の4つのことを、今すぐやろうとしているか。
                                        
※デール・カーネギー著「道は開ける」より

この5つの問いかけをしながら毎日を生きたなら、確実に今日一日の枠の中で生きる事ができるようになる。

すると“97”の心配事は無くなり、残りの“三つの心配事”に対して、真正面から取り組めるようになる。

その結果、充実した毎日を送れることは確実だ。

 

 

 

《令和6年7月のフォローUPセミナー予定》
■第22期SMIビジネス塾 ◇日時令和6年7月16日(火)◇今月のテーマ「近代日本のイノベーション」◇会場 新潟ユニゾンプラザ4F小会議室
■第38期SMIモーニングアカデミー◇日時 令和6年7月14日(日)◇今月のテーマ「イノベーションは技術ではない」◇会場 東横イン駅前4F小会議室」

※ケースによっては内容の変更があります。ご容赦ください。



 

新聞にアウト・ドアアドバイザーの寒川一さんが「サボる」ことの大切さを説いていた。

仕事をサボったことで立ち直ることができた体験から、「サボる」ことの大切さを世に知らしめることがライフワークになったという。

 

今、複雑性、多様化、グルーバル化、曖昧性というカオスの社会にあって魂が傷つきさすくなっている。

 

私は、そうした意味で社会から少し距離をとって魂を慰めるための「サボる」と捉えている。

 

また、「サボる」をイギリスの詩人キーツが唱えたネガティブケイパビリティー(※負を前向きにとらえて耐えていく力)でとらえていくと、とても積極的言葉となってくる。

 

「サボる」は、自ら”積極的に休む”とも捉えることができる。

しかし今も、昭和の時代に育ったリーダーがまだまだ多いためか、「24時間戦えますか」の昭和の考え方が残っている職場に時々驚かされる。

変化とイノベーションを拒んでいる。

いまだに労働時間と成果は正比例すると考えているようだ。

 

■「休む」が勝ち!!

フレデリック・テーラーの「科学的管理法」に、銃鉄を貨車に積み込む作業の話がある。

一人の男は通常の時間に従い、殆ど休む事をせずに黙々と働き1.2トンを運んだ。

 

この男はお昼にはすでに疲れ切っていたという。

もう一人の男はテーラーの指示に従い、1時間のうちにおよそ27分休み、33分働いた。

 

するとこの男は前者の4倍の47トン運ぶことができた。

その後、その男は3年間ケガもなく、休むこともなく、毎日同じように働き続けたとある。

これは人間は疲れる前に”積極的に休む”ことで、劇的に生産性を上げることができることを物語っている。

 

■「休む」ことで人生に勝利する

 

休む事は何もしないことと考えがちだが、疲れを予防し、元気を回復し、次の行動に移るための貴重な時間だ。

 

精神分析医によると、疲労はストレス、恐怖、心配に対しての抵抗力を大幅に低下させてしまうという。

 

そうした意味で、「24時間戦えますか」という昭和の価値観に引きづられるリーダーの元にあっては、自己防衛のためにも思い切って「サボる」ことも大切だ。

だから、時には「サボる」ことがストレスや悩みを予防する貴重な時間となる。

 

その積極的行動がその後の成果を保証してくれる。

 

年を重ねてきた今。

 

人は積極的に「休む」ことで最後は勝ち、人生に勝利すると確信している。

 

 

 

《令和6年6月のフォローUPセミナー予定》
■第22期SMIビジネス塾 ◇日時令和6年6月18日(火)◇今月のテーマ「市場調査はマーケティングではない」◇会場 新潟ユニゾンプラザ4F小会議室
■第38期SMIモーニングアカデミー◇日時 令和6年6月23日(日)◇今月のテーマ「マーケティングはコミュニケーション」◇会場 東横イン駅前4F小会議室」

 

《令和6年7月のフォローUPセミナー予定》
■第22期SMIビジネス塾 ◇日時令和6年7月16日(火)◇今月のテーマ「近代日本のイノベーション」◇会場 新潟ユニゾンプラザ4F小会議室
■第38期SMIモーニングアカデミー◇日時 令和6年7月14日(日)◇今月のテーマ「イノベーションは技術ではない」◇会場 東横イン駅前4F小会議室」

※ケースによっては内容の変更があります。ご容赦ください。