新聞にアウト・ドアアドバイザーの寒川一さんが「サボる」ことの大切さを説いていた。
仕事をサボったことで立ち直ることができた体験から、「サボる」ことの大切さを世に知らしめることがライフワークになったという。
今、複雑性、多様化、グルーバル化、曖昧性というカオスの社会にあって魂が傷つきさすくなっている。
私は、そうした意味で社会から少し距離をとって魂を慰めるための「サボる」と捉えている。
また、「サボる」をイギリスの詩人キーツが唱えたネガティブケイパビリティー(※負を前向きにとらえて耐えていく力)でとらえていくと、とても積極的言葉となってくる。
「サボる」は、自ら”積極的に休む”とも捉えることができる。
しかし今も、昭和の時代に育ったリーダーがまだまだ多いためか、「24時間戦えますか」の昭和の考え方が残っている職場に時々驚かされる。
変化とイノベーションを拒んでいる。
いまだに労働時間と成果は正比例すると考えているようだ。
■「休む」が勝ち!!
フレデリック・テーラーの「科学的管理法」に、銃鉄を貨車に積み込む作業の話がある。
一人の男は通常の時間に従い、殆ど休む事をせずに黙々と働き1.2トンを運んだ。
この男はお昼にはすでに疲れ切っていたという。
もう一人の男はテーラーの指示に従い、1時間のうちにおよそ27分休み、33分働いた。
するとこの男は前者の4倍の47トン運ぶことができた。
その後、その男は3年間ケガもなく、休むこともなく、毎日同じように働き続けたとある。
これは人間は疲れる前に”積極的に休む”ことで、劇的に生産性を上げることができることを物語っている。
■「休む」ことで人生に勝利する
休む事は何もしないことと考えがちだが、疲れを予防し、元気を回復し、次の行動に移るための貴重な時間だ。
精神分析医によると、疲労はストレス、恐怖、心配に対しての抵抗力を大幅に低下させてしまうという。
そうした意味で、「24時間戦えますか」という昭和の価値観に引きづられるリーダーの元にあっては、自己防衛のためにも思い切って「サボる」ことも大切だ。
だから、時には「サボる」ことがストレスや悩みを予防する貴重な時間となる。
その積極的行動がその後の成果を保証してくれる。
年を重ねてきた今。
人は積極的に「休む」ことで最後は勝ち、人生に勝利すると確信している。
《令和6年6月のフォローUPセミナー予定》
■第22期SMIビジネス塾 ◇日時令和6年6月18日(火)◇今月のテーマ「市場調査はマーケティングではない」◇会場 新潟ユニゾンプラザ4F小会議室
■第38期SMIモーニングアカデミー◇日時 令和6年6月23日(日)◇今月のテーマ「マーケティングはコミュニケーション」◇会場 東横イン駅前4F小会議室」
《令和6年7月のフォローUPセミナー予定》
■第22期SMIビジネス塾 ◇日時令和6年7月16日(火)◇今月のテーマ「近代日本のイノベーション」◇会場 新潟ユニゾンプラザ4F小会議室
■第38期SMIモーニングアカデミー◇日時 令和6年7月14日(日)◇今月のテーマ「イノベーションは技術ではない」◇会場 東横イン駅前4F小会議室」
※ケースによっては内容の変更があります。ご容赦ください。