【レビュー】 新次元麻雀 ~場況への実戦的対応とケイテンの極意~ (著者:ASAPIN) | 麻雀本を斬る!麻雀ゲームを斬る!!

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新次元麻雀 
新次元麻雀 ~場況への実戦的対応とケイテンの極意~ (マイナビ麻雀BOOKS)
著者: ASAPIN
単行本: 224ページ
出版社: マイナビ
発売日: 2014年12月23日
価格: 1,609円(税込)

 
 
■ 内容紹介 
 
現代麻雀のカリスマが新次元の扉を開く!
 
「本書は、超精緻麻雀でインプットした内容をどのようにアウトプットしていくかをメインテーマとし、より実戦的な局面を多く選びました」(まえがきより)
 
登録者数300万人を超えるネット麻雀の最高峰「天鳳」の頂点に立つ男、現代麻雀のカリスマASAPINが放つ麻雀戦術書第2弾!
 
第1章では、彼の麻雀哲学を語った処女作「超精緻麻雀」のあとを受け、その思想が実戦の場でどう具現化するかが立体牌図を使って詳細に解説されています。
8ページの手牌からの4ピン切りがいきなりの衝撃です。
ここから4ピンを切れるプレイヤーがこの世に何人いるでしょうか。詳しくは書籍をご覧ください。
 
第2章は、なんとケイテン(形式テンパイ)にまつわる戦術のみで構成。
「アガるための何切る問題や何鳴く問題・牌効率等を真剣に勉強したことのある人でも、ケイテン効率について勉強したことのある人はほとんどいないのではないだろうか?」(本文より)
ケイテンの価値は不当に軽視されているとASAPINは言っています。
ケイテンに向かうときの基準、ケイテンを取る際の視点、ケイテン取りのためのテクニック、状況判断……。
細かい部分を徹底的に分析するのがネット麻雀のカリスマの真骨頂。第2章はASAPINにしか書けない内容といっていいでしょう。

「すぐには生きなくても、必ず麻雀人生のどこかで役に立つ、そんな内容になっていると思います。用法・用量を守って楽しいケイテンライフを!」(あとがきより)
 
初代天鳳位が新次元の扉を開く一冊。
本書で最高レベルの麻雀戦術を、どうぞご堪能ください。
 
 
■目次
 
第1章 超精緻麻雀実戦編 
 1-01 切れない牌を起点に自身の手組み
 1-02 放銃リスクを極限まで下げながらアガリを見るべき場面
 1-03 危険牌コンビネーションの考え方
 1-04 リスクの先追いか後追いか
 コラム(1) 天鳳名人戦
 1-05 相対速度の評価
 1-06 最悪のケースを少しでも回避するために
 1-07 役牌の危険度の微差
 1-08 実戦的可能性の読み
 コラム(2) 雀サクッのお仕事
 1-09 ライバルとは積極的にめくり合いを
 1-10 赤引っ掛け実践例
 1-11 四暗刻はリーチ?
 1-12 大三元を恐れない
 1-13 4トイツからトイトイに向かうケース
 コラム(3) 鳳凰卓RTA
 1-14 安いリーチへの差し込み
 1-15 両面チーのプレッシャーを利用する
 1-16 役ありテンパイを目指す手組み
 1-17 後々付けの生きる場面
 1-18 不要なリスクを回避するために
 1-19 メンゼン効率を求めるか、仕掛けの余地を残すか
 1-20 アガリチャンスよりテンパイチャンスを
 1-21 緊急時には片アガリも恐れずに
 1-22 追い掛けリーチは待ちの良さを最優先に
 コラム(4) リアルトライアル
 
第2章 ケイテンの価値
 2-01 ケイテンの価値
 2-02 ケイテンを取るべき基準
 2-03 打点・受け入れと巡目による判断
 2-04 局内で次々に変わる判断
 ◆ケイテンドリル◆(1)~(5)
 2-05 攻め人数による場合分け(1)1人攻め
 2-06 攻め人数による場合分け(2)2人以上攻め
 2-07 攻め人数による場合分け
 (3)その他のケースと攻め人数まとめ
 ◆ケイテンドリル◆(6)~(10)
 2-08 局数・点数状況による場合分け
 (1)平場のケース
 2-09 局数・点数状況による場合分け
 (2)オーラスのケース
 2-10 局数・点数状況による場合分け
 (3)ラス前のさまざまなパターン
 ◆ケイテンドリル◆(11)~(15)
 2-11 背負えるリスクの見極め
 2-12 切れない牌によるケイテンのビジョン
 2-13 2人攻めに対しては最大限に慎重に
 ◆ケイテンドリル◆(16)~(20)
 コラム(5) 闘牌列伝天鳳祭りでの悲劇
 
第3章 超実戦! 新次元への挑戦
 
   

購入はこちら → amazon.co.jp ・ Kindle版 
 

 
 
■ 管理人の感想
 
2014年4月に発売された『 超精緻麻雀 -多角的思考による盤面把握- 』の続編。
マイナビのHP では、初中級となっていますが、どうみても上級者向けです。
 
第1章 『超精緻麻雀実戦編』は、実戦譜(立体図)を使った解説。
前作で表現しきれなかった麻雀理論、特に個々のケース・システムに応じた守備・攻撃バランス感覚をより追求してもらいたい』とのこと。
 
第2章 『ケイテンの価値』は、ASAPINさんによるケイテン理論。 
全224ページの内、なんと94ページも使っています (「ケイテンドリル」20問含む)
もちろん、ケイテンに関して、これほどのページ数で扱った本は初。 この試みは面白い(*´ω`*)
 
新次元麻雀
  (※クリックで拡大。 ドリル⑩の解答は記事の一番下に掲載)
 
 
・・・が、解説・編集共に微妙(´・ω・`)
 
主に立体図を使って解説してあるのだが、もう少し平面図や表を使って解説してほしい。
解説の間にケイテンドリルを挟んであるのだが、このドリルの挟み方も微妙。
読者を飽きさせないために、このような形を取っていると思われるが、ハッキリ言って読み辛くしているだけ。
 
肝心のドリルも、実戦譜ゆえに、意見が分かれそうな問題がほとんど。
ASAPINさんの意見しか掲載されておらず、あくまでASAPINさん独自の損得勘定である。
 
また、『%』『確率ベース』といった言葉が何度か出てくるのでデジタル的な印象も受けるが、この本に計算式が出てくるわけではなく、実際の解説はイメージの伝達という完全なアナログである。
おそらくASAPINさんの中では、確率的、デジタル的な考え方で構築されているのだと思われるが、個人的には、ミスタージャイアンツ・長嶋茂雄が「球がこうスッと来るだろ」「そこをグゥーッと構えて腰をガッとする」「あとはバァッといってガーンと打つんだ」と言っているのとあまり変わらない(´・ω・`)   (『 長嶋茂雄伝説 』より)
 
あと、ケイテンの技術って、まだ他にもありますよね?
アガるための牌効率ではない『ケイテンのための牌効率』という基礎項目を、まず入れるべきなのでは?
そして、前著『 超精緻麻雀 』に出てきた「海底操作」を何故 扱わないのか?(´・ω・`)
 
 
第3章 『超実戦! 新次元への挑戦』は、現在開催中の”第4期天鳳名人戦”の牌譜解説。
牌譜へのリンクを貼っておくので、牌譜再生しながら読むと解りやすいかと思われる。
  
 第4期天鳳名人戦・第5節3戦目B卓  ASAPIN、多井隆晴、福地誠、渋川難波
 
http://tenhou.net/0/?log=2014101021gm-0009-10011-073e995c 
 
 
完全に上級者向けですね。
管理人レベルでは、理解までは出来ても、実戦で活かせそうにありません(´・ω・`)
 
ブラフ気味なケイテンに向かう仕掛けも、ASAPINさんがやるから意味があるのであって、並レベルの人が真似しても、ナメられて逆効果になると思われます。
 
レベルが高すぎるこの本を、一体 誰にオススメすれば良いのか? 八段、いや九段様ぐらいからですか?
上画像のケイテンドリル⑩を解いて、購入を判断するのも良いかも?
 
厳しい評価になってしまったようだが、ASAPINさんなら、もっと良い本が作れると思うのですよ?
うーん・・・マイナビから出しているうちは無理なのか?(´・ω・`)
 
 
上級者向き 
赤対応: アリ
 
総合評価 68点 
  
購入はこちら → amazon.co.jp ・ Kindle版 
 
 
しかし、供託が枠外に出てるのは、何とかならなかったのか? (※上画像参照) 
あと、白紙ページが4ページもあるってどういうこと?(´・ω・`)
あ、コラムは面白かったです(*´ω`*)
 
  
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ケイテンドリル⑩  
答え : 鳴いて9筒切り
「ノーテンよりは一度保留の仕掛けを」
 下家の仕掛けに対して当たりそうな牌があまりなく、ワンチャンスの3筒ですらかなり危険に映る。
 自力でのメンゼンテンパイは厳しく、ケイテンに向かいたいところだが、この巡目から3筒を押す価値はあまりないように思われる。
 下家に東が暗刻で9筒が当たりになる可能性も完全には否定できないが、いったんポンをして9筒を切って保留しておき、流局が近づいてきた際にもう一度テンパイチャンスがあればそこで勝負する選択をお勧めしたい。
 シャンテン数は同じでも、1索を鳴かない形よりも鳴いてから9筒を切った形の方が遥かにテンパイ率は高いだろう。 
 
「鳴いてテンパイ取りの打3筒」でも「鳴かない」でもなく、「鳴いて打9筒」。
言いたいことは理解出来るのだが、これ正解出来た人いますか?(´・ω・`)