定期的な検診を受け、
栄養のチェックもし、
適度な運動をして、
タバコは吸わない、
アルコールも節制する、
砂糖と塩分は控えめ。
そんな生活習慣を送ったら、将来病気になりそうなリスクのある人でも改善して病気にかかりにくくなりそうですよね?
ところが、この常識を覆す、驚くべき研究結果が報告されているのです。
1970年代に、フィンランドで行われた研究で、
・将来、心筋梗塞などの心血管疾患にかかるリスクのある会社役員
・40~45歳
・1200人
を集め、600人ずつの2グループに分けます。
そして片方のグループには先ほど挙げたように、定期検診、栄養チェック、運動、タバコ、アルコール、砂糖・塩分制限を5年間指導します。
一方、もう片方のグループには何もしません。
そしてその後10年間を追跡して経過を追いました。
するとどうなったか。
なんと、何もしなかったグループに比べて、検診や食事指導を行ったグループの方が心臓病で亡くなる人が多かったのです!
常識的に考えると、しっかり生活を節制して明らかに理想的な生活習慣を送っていたにもかかわらず、予想と真逆の結果が出たことに研究者は首をかしげたことでしょう。
そして、こんな声も聞こえてきそうです。
「なんだ。無理して禁煙したり禁酒したりしても意味ないんじゃんか。いや、むしろ無理して我慢するとストレスで早死するってことじゃないか」
たしかに、見方によってはそういうふうにも捉えることができます。
しかし、研究者の考察では、別の要因が示唆されていました。
それは、薬だったのです。
実は食事指導などを行ったグループでは必要に応じて高血圧や高コレステロールに対する投薬が行われていました。
もう片方のグループではそれすら行われていなかった。
この差が病気による死亡につながっているのではないかということが言われています。
もしかしたら、薬によるいい効果よりも、副作用の方が大きいということをこの研究結果は示しているのかもしれません。
たしかに私も病院で働いている時、脂質異常症の薬の副作用で苦しんでいる患者さんに出会ったことがあります。
薬はたしかに有効な治療手段かもしれませんが、その使用の可否や程度の判断を誤ると逆効果になることもあると思います。
ちなみに僕は栄養士として仕事を始めてから一度も薬を飲んだことがありません。
薬に頼るのではなく、人間が本来持っている自然治癒力を高める生き方をもっと多くの方が実践する世の中にしていきたいですね。
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