スペイン出発前の最後の仕事 その4. | 水谷孝のブログ「つれづれなるままに」

おはようございます!

 

みなさんご機嫌いかがですか?

 

前回からの続きです、、、

 

ホテルをオープンして、1ヶ月ほど経った頃でした。

 

宇都宮のラジオ局のディレクターが、僕を訪ねてホテルにやって来ました。

 

フロントから「宇都宮のラジオ局のディレクターだと言う人が、総支配人と話しがしたいと、今フロントに見えてますが、、、」と連絡をもらったので、「ラジオ局のディレクターが僕に一体何のようだ?」と怪訝に思いながら、フロントに行ってみると、そこにAさんと名乗る、宇都宮のラジオ局の某番組のディレクターがいました。

 

僕「私が総支配人の水谷ですが、、、」

 

Aさん「ああ、あなたが水谷総支配人さんですか。初めまして。私は宇都宮ラジオのAと申します。実は水谷総支配人さんに、私共の番組にご出演いただきたくお願いに参りました。」

 

僕「私がラジオの番組にですか?どうして私なのですか?」

 

Aさん「私共の番組は、毎週1回、宇都宮の著名人をお客様にお迎えして、30分間お話を伺うという番組でして、2週間後のお客様として、水谷総支配人さんをお招きしたいと思いまして、本日お願いに伺った次第です。」

 

僕「申し訳ありませんが、私は著名人ではありません。私はこのホテルの総支配人にすぎません。」

 

Aさん「いえいえ、水谷総支配人さんは、もう宇都宮では立派な著名人です。こちらのホテルの評判がとても良いのです。オープンされてまだ1ヶ月くらいと伺いましたが、とにかく評判がとても良いので、是非とも水谷総支配人さんを、私共の番組にお招きして、どういう経緯で宇都宮に、これだけの規模のビジネスホテルを建てられ、どういうお考えを持ってオープンされ、どうやって1ヶ月ほどの短い期間に、これほどまでの評判のホテルにすることができたのか、そのあたりのことを、ぜひ私共の番組でお話しいただきたいのです。視聴者も興味があると思います。」

 

僕「困りましたねえ。私の代わりに私共の社長ではいかがでしょうか?」

 

Aさん「本当は水谷総支配人さんにご出演いただきたいのですが、もしどうしても水谷総支配人さんが無理でしたら、社長さんでもけっこうです。」

 

僕「わかりました。早速社長に話してみます。折り返し、すぐにご返事いたします。」

 

ということで、その場はひとまずAさんに引き取ってもらい、社長に電話をかけて、Aさんの話をしたのです。

 

社長とのやり取りは次のようなものでした。

 

僕「社長、たった今、宇都宮のラジオ局のディレクターと言う人が来まして、私に30分のラジオの番組の中で、「ホテル○○ロイヤル宇都宮」ついて、いろいろ話して欲しいという依頼があったのですが、その番組には毎週宇都宮の著名人が出演しているそうなので、私よりも社長の方が適任だと思うのですが、、、」

 

社長「君に出て欲しいと言ってきたんだろう?だったら君が行くべきだろう。」

 

僕「私は行きません。社長が行かれないのでしたら、この話しは断ります。」

 

社長「何を言ってるんだ。せっかく向こうから出て欲しいと言ってきているのに、断る馬鹿がどこにいる。(ここにいます。笑)」

 

僕「社長、私はラジオとかテレビに出て話すのは好きではないのです。社長が行かれないのでしたら、この話しは断わらせてください。」

 

社長「総支配人、君はラジオでホテルのコマーシャルを30分流したら、一体どれくらいの金がかかるか知っているのか?君がその番組に出れば、タダで30分間もホテルの宣伝が出来るんだぞ。こんなうまい話はないだろ。これは社長命令だ。君が行って、ホテルの宣伝をたくさんしてくるように。」

 

僕「わかりました。社長命令では仕方がありません。行きます。行きますが上手く喋れるか保証できませんよ。それでもかまいませんね?」

 

社長「かまわないよ。とにかくホテルの名前を何度も出してくれればいいから。」

 

ということで、突然ラジオに出演することになってしまったのでした。

 

僕はテレビとかラジオのようなところで話しをするのは、とても苦手なのです。

 

苦手と言うよりも、はっきり言って好きではないのです。

 

テレビとかラジオに出て話しをするような人たちは、みんな頭の回転が速く、ほとんど考えずにお喋りが出来る人たちというイメージがあります。(徹子の部屋の黒柳徹子さんが良い例です。)

 

僕は、昔から頭の回転が速い方ではないので(自慢ではありませんが。笑)、誰かに何か質問をされても、すぐに答えられないのです。

 

質問を受けたら、まず最初に一度頭の中で質問の内容を自分なりに良く理解して、次に自分なりの答えを考え、そして一つひとつ言葉を選びながら、責任を持って相手に答える、というプロセスが必要なので、質問を受けてから答えるまで、どうしても30秒から1分くらいはかかってしまうのです。

 

僕のように話すのが遅い人間が、テレビとかラジオのような、時間との勝負の公共電波の番組に出れば、関係者(ラジオ局の人たちや視聴者たち)全員をがっかりさせてしまうことは目に見えていました。

 

ですから、宇都宮のラジオ局のディレクターから、出演依頼を受けた時は、一度は断ったのです。

 

しかし最後は社長命令ということになってしまい、120%気が進まなかったのですが、仕方なく僕が出演すると、ディレクターのAさんに返事をしたのです。

 

その際Aさんに「私は頭の回転があまり早い方ではないので、みなさんのような、スムーズな受け答えはできませんが、それでもいいですか?」と、確認したところ「心配しないでください。」と言ってくれたので、もうどうにでもなれ(笑)、と思いました。

 

番組は生放送で、僕の出演日は2月13日と決まりました。

 

ラジオ出演の件は気が重くて仕方がありませんでしたが、ただディレクターのAさんから「こちらのホテルの評判がとても良いので、、、」と言われた時は、オープン1ヶ月にして、すでにラジオ局の人たちの耳にまで、ホテルの評判が伝わっていたことを知り、とても嬉しい気持ちになりました。

 

僕の目標が「ホテルサン○○ロイヤル宇都宮を、宇都宮で一番愛されるホテルにする。」というものだったので、少しは目標に近づけたような気がしました。

 

「我々のホテルが評判になっているので、宇都宮のラジオ局から、総支配人の私に番組出演依頼がきた」とスタッフ全員に説明したところ、スタッフ全員で大喜びとなったのでした。

 

神様は僕たちの仕事を見てくれていたと思いました。

 

続きは次回のお楽しみに!

 

それではまた来週の金曜日にお会いしましょう!

 

みなさんお元気で!

 

スペインのイルンより心を込めて、、、

 

水谷孝