スペイン出発前の最後の仕事  その3. | 水谷孝のブログ「つれづれなるままに」

おはようございます!

 

みなさんご機嫌いかがですか?

 

前回からの続きです、、、

 

僕の後任に決まった兄は、2週間後に着任できることになりました。

 

前回のブログでもお話ししたように、社長に強く懇願され、僕があと1ヶ月ほどで退職するということを、退職直前までスタッフ全員に秘密にしなくてはいけなくなったので、スタッフたちに兄が僕の後任だということを悟られないように、急遽もっともらしい兄の入社理由を考えねばなりませんでした。

 

社長と二人で、いろいろもっともらしい理由を考えてみたのですが、真実を言えないので、全ての説明が説得力不足なのは否めませんでした。

 

最終的に「宇都宮もオープンし、会社も大きくなってきたので、ホテル経験の豊富な総支配人の兄を、総支配人の上司として招聘することになった。」という説明をすることにしました。

 

当時社内での僕の立場は、社長に次いでナンバー2でしたが、当時はまだまだ会社が個人経営の小さな会社だったことと、僕が入社した時は、社長にとって、僕はどこの馬の骨ともわからない程度の人間だったので、たとえ僕の地位は社長に次ぐナンバー2であっても、待遇は平の課長待遇でした。

 

しかしその後、川崎のホテルを支配していた広域暴力団の「稲○会山○一家」を追出したことと、その他関西方面から来ていた全てのヤクザも追出し、100%客層を変え、チンピラスタッフたちも総入れ替えして、川崎のホテルを「ヤクザ御用達ホテル」から、100%健全で明るいホテルにした功績と、宇都宮のホテルを無事にオープンさせた功績によって、社長の方から、僕を部長に昇格させたいという打診を受けていたのですが、僕はもうすぐで退職する身だったので、「今さら部長になっても、部長らしいことは何も出来ないので、課長待遇のままでけっこうです」と断っていた経緯があったので、それならばホテル経験豊富な兄を部長待遇のナンバー2として招聘し、僕は課長待遇のまま、社長と部長に次いでナンバー3になる、という説明をスタッフ全員にしようと思ったのです。

 

少なくとも半分は嘘(実際は兄は僕の上司ではなく、僕の後任として来るので)でも、半分は本当(僕は課長待遇のままですが、兄は部長待遇で来るので、表面上は僕の上司となります。)なので「これでスタッフに僕が退職することを隠している心苦しさも少しは半減するかもしれない、、、」と思ったのですが、嘘が混じった説明では、僕が退職することを隠していた心苦しさは全く変わりませんでした。

 

早速スタッフ全員に、「会社が大きくなってきたので、私よりもホテル経験豊富な私の兄が、2週間後に部長として着任することになりました。今後は部長が指示系統のトップになるので、みなさんもそのつもりでいてください。」と説明したところ、案の定スタッフ全員から「今まで総支配人が指示系統のトップで、何も問題はなかったのに、どうして突然総支配人のお兄さんが指示系統のトップとして来るのですか?そんな必要があるのですか?」と突っ込まれてしまいました。

 

僕が彼らでも同じ疑問を持ったと思います。

 

説明している張本人の僕が、説明しながら「この説明は説得力に乏しいなぁ、、、」と思っていたのですから。(苦笑)

 

川崎のスタッフも宇都宮のスタッフも、僕が社長の代わりに指示系統のトップとして全ての業務を切り盛りしてきたのを見てきていましたから、怪訝に思うのも当然だったのです。

 

それでもいくら突っ込まれても、本当のこと(兄は僕の後任として来る)は言えなかったので、ただ「社長の方針なので、、、」と言うしかありませんでした。

 

スタッフに嘘をついて、申し訳ないと思いましたが、僕は総支配人として「ホテルを宇都宮で一番愛されるホテル」にするために、退職する最後の日まで、自分がやるべきことに100%集中しなければなりませんでした。

 

嬉しいことに、ホテルをオープンして間もないころから、何人かのお客さんから「このホテルは評判がいいよ」ということは聞かされていたのですが、ハッキリと僕たちの頑張りの成果が一つの形として現れたのが、ホテルをオープンして、ちょうど1ヶ月が経った頃(兄が着任して1週間が経った頃)でした。

 

続きは次回のお楽しみに!

 

それではまた来週の金曜日にお会いしましょう!

 

みなさんお元気で!

 

スペインのイルンより心を込めて、、、

 

水谷孝