新ホテルオープンへの道のり その14. | 水谷孝のブログ「つれづれなるままに」

おはようございます!

 

みなさんご機嫌いかがですか?

 

前回からの続きです、、、

 

ホテルの世界では「フロントはホテルの顔」と言われています。

 

お客さんがホテルに滞在中、快適に過ごせるかどうかは、部屋の清潔さや快適さもさることながら、それ以上にホテルに到着した時の、一番最初のフロントスタッフの応対の良し悪しにかかっている、と言っても過言ではありません。

 

基本的にお客さんの心理は、(心を持つ)自分と(心を持たない)物との関係よりも、(心を持つ)自分と(心を持つ)フロントのスタッフとの関係の方に、より影響を受けやすいのが普通で、もしチェックインの時に、フロントのスタッフの印象が悪かったり、酷い応対をされると、もうそれだけで二度とそのホテルには泊まりたくないと思うのが、お客さんの心理なのです。

 

これはホテルに限らず、一般のお店でも一緒だと思います。

 

洋服を買おうと思って、ちょっとオシャレなブティックに入ったら、店員がとても不親切だったので、何も買いたくなくなり、そのまま何も買わずに出て来たという人は多いと思います。

 

接客態度が素晴らしいフロントスタッフが揃っているようなホテルは(シティホテルであれビジネスホテルであれ)、口コミで評判も良くなり、自然に良質のお客さんが多く集まるようになり、気づいた時には、お客さんはフロントスタッフの素晴らしい人間性を愛するようになり、もう他のホテルには行きたいとは思わなくなってしまうのです。

 

逆に接客態度が悪いフロントスタッフしかいないようなホテルは、口コミで評判も悪くなり、いつしか客層も、質の悪いヤクザやチンピラのようなお客さんしか集らないホテルになってしまうのです。(もっとも、幸いなことにヤクザやチンピラしか来ないような酷いホテルは、そう多くはありませんが。笑)

 

僕が宇都宮でオープンした「ホテル○○ロイヤル宇都宮」が、良質なホテルの典型とするならば(自分で言うのも変ですが。笑)、僕が一番最初に総支配人として赴任した頃の「ホテル○○ロイヤル川崎」というのは、スタッフはチンピラのような人間ばかりで、客層はヤクザ者ばかりで、最悪のホテルでした。(その後僕が良いホテルに変ました。念のため。笑)

 

ということで、ホテルにとって、フロントのスタッフの人間性というのは、とても重要なのです。

 

僕は「ホテル○○ロイヤル宇都宮」の建設工事が始まる前に、事前に宇都宮まで建設予定地を下見に行ったのですが、いっぺんで、宇都宮の土地のエネルギーと近隣住民たちのエネルギーが気に入りました。

 

その時から、僕は宇都宮という土地と、そこに住む人々が好きになりました。

 

その時に僕は決めたのです。

 

「この宇都宮で一番愛されるホテルを作ろう!」と。

 

当時の宇都宮はまだまだ発展途上だったので、僕が初めて下見に行った頃は、JR宇都宮駅周辺には、大きいホテルは、シティホテルが1つと、2つのビジネスホテルくらいしかなく、僕のところの「ホテル○○ロイヤル宇都宮」がJR宇都宮駅周辺では、4番目(150室)に大きいホテルでした。

 

 

「宇都宮で一番愛されるホテルを目指そう!」と決めた時に、迷わず「成功の鍵は、フロントのスタッフだ」と思いました。

 

なので面接の時から気合いが入りました。(笑)

 

宇都宮で一番愛されるホテルを目指した僕が、面接で一番重視したことは、もちろん学歴や職歴や年齢ではなく、とにかく「人から好感を持たれやすい素質を持った人物かどうか」でした。

 

しかしいくら僕が張り切っても、こればかりは応募者次第だったので、運を天に任すしかありませんでした。

 

ところがふたを開けてみれば、ほとんどの応募者が、(男女共通して)一目で好感を持てるような人間性の持ち主だったのです。

 

まるで絵に描いたほどに、川崎とは正反対の人材ばかりでした。

 

これは神様が起こした奇跡だと思いました。

 

もしも夢なら覚めないでくれと思いました。(笑)

 

最終的にフロントスタッフとして、男子4名女子2名の計6名を採用したのですが、この6名を見た時に「この6名なら宇都宮で一番愛されるホテルも夢じゃない!」と確信しました。

 

素材が素晴らしいのですから、あとは僕が彼らを(お客さんたちから愛される)プロのホテルマンに育てるだけでした。

 

前々回のブログでもお話ししましたが、この6名は全員が、採用が決定した瞬間に「このようなホテルのフロントで仕事をするのが夢でした!」と目を輝かせながら(当時、社会現象になるほど大ヒットしたドラマ「金曜日の妻たちへ」の世界への憧れがあったようです)、僕に言ったくらいですから、研修が始まってからも、採用時の感激を失うことなく、それどころか一人ひとりがまるでドラマの中に生きているようなハッピーな気持ちで(なお且つ指導者の僕を憧れの目で見ながら、、、)毎日僕の教育・指導を受けてくれていたので、いつしか僕まで彼らの雰囲気につられて、まるで自分がホテルをテーマにしたドラマの中の総支配人になったような気分で、彼らの教育・指導をするようになっていたのでした。(笑)

 

我ながらドラマの影響がこれほどとは思いませんでした。(笑)

 

続きは次回のお楽しみに!

 

それではまた来週の金曜日にお会いしましょう!

 

みなさんお元気で!スペインのイルンより心を込めて、、、

 

水谷孝