和櫛修理① 清掃作業・・・ | 装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

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螺鈿細工、漆芸品、装飾品、工芸品を制作する福岡の工房。
日々の作業の様子、体験談などをご紹介します。

4月にお預かりしてから長期間中断していた和櫛の修理。。。
9月に入ってから突貫作業であります。

もう完成間近のところまで進んでいるのですが、
まずは最初の作業=清掃の様子をアップします。


ビフォー状態。。。

こちらは少しだけ清掃等の作業が進んでおりますが、
まだまだ沢山の汚れがこびり付き、
塗面や螺鈿表面の劣化が著しい様子です。


まずは表側の菊花螺鈿カクニンであります。。。


付着した漆らしき部分を削り取り、、、


彫刻平刀で表面を均して、、、


それでも菊花螺鈿が嵌らないので、
慎重に凹みの外縁部を削ります。

櫛自体が相当ちぢんでいるらしく、
けっこう削りました!(^^;


ようやくピタッとハマり、、、


清掃開始!
まずは最小限度の水を使って、アルコール等の溶剤も使用。


綿棒、カット綿、キムワイプ、竹串、
そして、カッター、サンドペーパーなども駆使して。


櫛の隙間は、製作当初の塗りムラやバリが残っており、清掃しにくい状態でしたので、こちらもついでに研磨です。。。

写真は撮っておりませんが、やはり大量の汚れが付いてましたね~。積年の汚れは凄し、、、です。(^-^;

汚れ以外でも判明したことがありました。やはり、螺鈿接着には膠も使われていたようです。菊花螺鈿の接着面に水を付けると少しベタベタしましたので。。。

昨年から、古い工芸品の修理に共通していたのがこの膠。間違いなく、この和櫛も水洗いは厳禁!!であります(^^;

修理の最後の最後で漆を全体に含浸するまでは、水洗いや大量の水を使った作業はご法度!ということで進めます。


清掃完了~表側。


清掃完了~裏側。

これで次の作業へ進めますね。
古い品の修理は、ともかく最初は徹底した清掃が肝心。清掃、洗浄無くして修理は成らず、、、なのであります。

さぁこれから修理の本番へ向かいましょう。