琵琶螺鈿修理①・・・ | 装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

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螺鈿細工、漆芸品、装飾品、工芸品を制作する福岡の工房。
日々の作業の様子、体験談などをご紹介します。



夏の終わりに届いた琵琶。
梱包を解いて、、、だいぶ古い琵琶のようですね。

今回は螺鈿修理のご依頼であります。
割れや欠損した白蝶貝のパーツを直して行きます。。。


大きい箱で届き、立派な袋に入っておりました(^.^)


まずは弦を結ぶ覆手(ふくじゅ)部分を確認。。。
前板の螺鈿が取り外されております。


次に糸巻との接続部分を確認。。。
螺鈿の先端が割れて欠損しております。


取り外された覆手前板の螺鈿は、
右側が割れて二つに分かれていたものをセロハンテープで仮固定。
他の部品もアリ。。。


覆手前板螺鈿を仮置きしてみました。。。


まずはピッタリと嵌りますね。
しっかり修理して行きましょう。


前板の裏側に取り付けられていた爪(小さな固定薄板)と、
正体不明の波型螺鈿、、、


御依頼主様に確認したところ、
琵琶の中で何かが動いてカラカラと鳴っていたらしく、
躯体修理をご担当された琵琶職人の方が、
胴の中からこの波型螺鈿を取り出されたそうです。

この波型部品は、恐らく製作者が作り置きしていたものを
胴の中に落としてしまったものでしょう。
覆手前板の波螺鈿に似た箇所があります。

興味深いことに、貝殻切り出し用の図(和紙)が
片方の表面に糊付けされたままになってますね。

当方でも、以前お預かりした琵琶で同様のことがありまして、
わたくしも何とか木片を取り出した記憶があります~(^^;

さぁこれから型取りなどして、
螺鈿の修理をしっかりして行きましょう。
つづく。。。