0217の

続きのお話です。





午後のフィールドワークは

富士山の南側の

『水ヶ塚』


富士山は、

フィリピン海プレートに押されて

北北東ー南南西

という方向に

割れ目噴火口が口を開けているのですが、




本日のフィールドワークは

この矢印のあたり。


午前中の山口先生のレクチャーでも、

こんな

甘栗の図が。



(こちらより)


押される方向に平行に

割れ目ができて

噴火する、

というわけなのです。


で、

そのひとつの

三千年前に噴火をした

腰切塚周辺が

本日のターゲット。




水ヶ塚駐車場から

スタートいたします。



例年なら 

真っ白な雪に覆われているはずなのに、



連日の暖かさで

かなり雪は溶けていました。



だけど、

どなたかが作った

雪だるまがあり、



おそらく

雪を生まれて初めて見る?

外国の方々が

標高1444mまでいらして

記念写真を撮っていました。



ゆっきー君たち、

だいぶ溶けてしまったのかな?



さてさて、

フィールドワークの始まりです。



今泉先生を中心に

歩き始めますが、


すっかり溶けてしまった雪原に、

なかなか動物の足跡探しは難しい。


午前中に見せてくださったクマの動画は

この近く。


今年はクマも冬眠をしていないので

クマの足跡🐾が見れるかしらん、

期待したけど、

それは叶わず。



それでも、



シカの足跡がたくさん!



メスの大人のシカだそう。


同じ偶蹄目のイノシシとの違いは、

シカの方が先端が尖っているのだと。


あたりには

笹がたくさん生えていて、



シカは

笹はあまり好きではないけど

食べるものが無いと

仕方なく食べるのだとか。


これは?



丸いのは犬。


キツネならもっと細長い。

そして

前足と後ろ足が重なる、

そんな歩き方。


これはリスクを二分の一にする。


『シートンも言ってました。』

と、今泉先生。


今年80歳になられる先生も

子供のころは夢中になって

シートン動物記を読んだのだろうな…,


シカはほとんど寝ないのだそうです。


脳みそが小さい動物は

脳が疲れないので寝なくても良いのだと。


『キリンは20分しか寝ないんです。しかも、立ったまま。』


えええ?そうなの?


今泉先生のお話は面白い。


じゃあ、犬や猫が眠るのは

脳みそが少し大きいからですか?


いやいや、彼らは暇なんです。

ほんとうに寝ているんじゃないんですよ。


確かに、

犬や猫は

一晩中寝る場所を変えながら

あっちに行ったりこっちに行ったり。


わたしたち人間の睡眠とは

どうやら違うのだと。



この日

今泉先生と同じくらい

お話が面白かったのは、



菅常雄先生。


鳥の専門家です。


午前中のレクチャーでも、



マミチャジナイと

アカハラの目撃比較。



ハイタカがアトリをとらえて食べる瞬間の

カメラ目線の画像など、


素晴らしい画像を紹介してくださったけど、


この日、

フィールドの途中で

ウソが鳴いて、


ウソのお話を。


口笛みたいに

フィーフィーと。


ウソは漂鳥なんですが

(標高の高いところで繁殖して冬になると低いところで越冬する。)

お腹の紅色のウソは

シベリアから渡ってくる冬鳥なんです。


つまり、

ウソは2種類いるんです。


ほんとうですか!


わたしはどちらも見たことがあるわ。


河口湖に住んでいたとき、

紅色の腹のウソ。


菅先生が

写真を見せてくださった!



おお!

これです、これです!




ウソは

日本に一年中いる『ウソ』と

渡り鳥として北からやってくる

アカウソやベニバラウソが冬には普通に見られるというのです。



(ベニバラウソ、画像はお借りしました。)


こんなお話は

野鳥が好きな人でなければ

全く興味を示さないのでしょうが、

これだけ好きものが集まっていると、

先生のお話にも

気合いが入るというもの。


ここの先生方はほんとうにお話上手で個性的な面々なのですが、

他の自然観察会にはあまり無い

『フィールドアート』という専門部会があって


総会にはその部門の作品も拝見出来るので

それもまた楽しみなのです。


絵画教室を山中湖で開かれている木村修氏の

作品は、



森のたおやかな空気感まで

見事に表現されていて、


奥さまの木村奈保子さんの作品は、




女性らしい感性でこちらもまた素晴らしいのですが、

コメントが心に刺さりました。


『(精密画は)対象をじっくり観察して写実的にデッサンをしているが、富士山に限っては『見て描かない』といい、イメージや残像、その時の印象で描いていく。『多くの人たちが富士山を見ているが、私は逆に富士山に見られていると感じる。人間の心のありようを見られ、そして(富士山と)対話している。』


ああ、

わかるわかる!

という方も多いのではないでしょうか?


いつも富士山がわたしを見ている…

いつも富士山と対話している…


おそらく

例えば、お月さま🌕がいつもこちらを見ているように感じるのと同じ

富士山て、そんな存在なのではないかしら?




こちらの団体にある方から誘われて

もう10年近くになりますが、



こんな先生方も

だんだんお年を召されて来て、


もちろんわたしたちも

ゆっくりと同じように

年を取っていく。


この団体も

会長と副会長が今年は

揃って相談役となって、

新会長のもとに活動することになりました。



あと何年

わたしだって

フィールドワークを続けられるのだろうか?



わたしたちのわんこも

すでに2代目となっています。


(車の運転中は、わんこは後ろにいてくださいね。危険なので。)


今泉先生は

『犬は堕落しているから足跡が丸い!』

と仰っていましたね。


大地を疾走することは一日のうちに一度あれば満足で

ドライブして高みの見物をしている

堕落しているワンコたちとともに


今日も富士山にフォーカスする日となりました。