『Faeries Friend』

ギルバート・ウィリアムズ

(1995年)

 

 

 

***2019年8月29日の日記***

 

 

学校を卒業したあとは、

銀座でOLをやっていました。

 

金融のお仕事です。

 

 

あの頃は

金融や不動産業界は、

とても勢いがありました。

 

あとは、

自動車メーカーなども

盛り上がっていました。

 

 

入社した会社は、

 国際貿易取引での

手形なども扱っていたので、

 

英語が活かせると思って

選んだのですが、

 

私の配属された部署では、

英語を使う機会は

ほとんどなく。

 

 

一体何のために

あの学校に行ったのやら。

 

・・・とぼけー

 

もう、入社初期の頃から

転職を考えていたりしましたにやり

 

 

そんなわけで、

会社での仕事自体はまったく

つまらなかったのですが。

 

「OL時代」というものは、

 

私にとっては、

とても楽しい時代でも

ありました。

 

 

当時はバブル真っ只中。

 

街は原色で、

浮かれだっていました。

 

すべてがとても、

キラキラしていました。

 

 

そんな中、

あの頃は私も。

 

派手に楽しく

遊んでいましたニコニコ

 

 

なんだかもう、

いろいろと。

 

浮かれまくった世界で。

 

今思うと、

馬鹿みたいでしたけどほんわか

 

あれはあれでまた、

楽しかったなぁ。とも

思いますおやすみ

 

 

*******

 

 

そんな楽しい時間も、

 

あまり長くは

続きませんでした。

 

すぐに結婚が

決まってしまったからです。

 

 

自分がこんなに早くに

結婚するとは思っても

いなかったので。

 

自分でも驚きでした。

 

 

結婚に関しては。

 

夫がひとりで

どんどん話を進めてしまい。

 

なので私は、

その準備とか結婚式とか。

 

その渦中にいる時でさえ

なんだかずっと、

 

現実感がなかったような

気がします。

 

「これって本当に。

今、起こってることだよね?」

 

・・・みたいに無気力

 

 

母とか隣の伯母たちは、

古い時代の人達でしたから。

 

私も知らず知らずのうちに

そういう人たちの影響を

受けていて。

 

考え方が少し、

古風なところがありました。

 

 

時代。

 

・・・というものも

あったのでしょうけれども。

 

結婚したら仕事はやめて、

家に入らないといけない。と。

 

当たり前のように、

何の疑いも持たずに。

 

そう思っていたような

気がします真顔

 

 

当時、夫はお義父さんと一緒に

自営業をやっていたので。

 

結婚後は夫の家で

完全同居。

 

・・・ということが

決められていました。

 

 

だから尚更。

 

その家のお嫁さんを、

「ちゃんと」やらないと

ダメなんだな。と。

 

そんな風に

思いこんでいました。

 

あの頃は。

 

 

今の私でしたら。

 

そこにはもっとたくさんの

選択肢があったことが

解るのですが。

 

若ければ若いほど。

 

素直であればあるほど。

 

視野。というか、

自分の世界というものは。

 

本当に狭いもので。

 

 

あの頃は、

自分はもう大人だと

思っていましたが。

 

今にしてみると、

当時の自分はまだまだ。

 

その考え方も、

行動も。

 

良くも悪くも、

親とか身近な大人たちの

影響下にあったのだなぁ。と

思います。

 

 

*******

 

 

結婚後。

 

夫の家に入りましたが、

 

まぁ。

 

大変でした絶望

 

 

夫は。

親が年をとってから

生まれた子でしたので。

 

夫の両親は

私とは下手をしたら、

 

祖父母と孫。

 

・・・くらいの年の

ひらきがありました。

 

 

でも。

本当にきつかったのは、

 

そういった

ジェネレーションギャップ

ではなく。

 

夫の家の在り方。で。

 

 

私の実家も、

けっこう古いしきたりに

縛られた家でしたが、

 

夫の家は、

そこに更に輪をかけた

ような感じでしたので。

 

 

20代に入ったばかりの。

 

まだまだ遊びたい盛りの

子供だった私が。

 

そういう古い家の中に

「嫁」として閉じ込められるのは、

息が詰まりそうでした。

 

 

今となってみれば、

 

 実際は、

「閉じ込められていた」

のではなく。

 

自らわざわざ、

自分を閉じ込めていたのだと

いうことも解るのですがおやすみ

 

あの頃の私はまだまだ、

現状を冷静に分析するほどの

余裕などありませんでしたから、

 

ただただ、

 

出口の見えない

真っ暗なトンネルの中に、

 

放り込まれてしまった

気分になっていました悲しい

 

 

幸か不幸か。

 

子供ができる気配も

ありませんでしたし、

 

家の中にいるのが

耐え難かった私は。

 

また、

外に出て働くことにしました。

 

 

*******

 

 

当時は今と違って。

 

「結婚している」というだけで、

女性は働く場所が

狭められていました。

 

しかもその頃はもう、

日本の経済もだんだん勢いが

なくなり始めていて、

 

バブルがはじけるか、

はじけないかの

そんな頃だったので、

 

職探しは難航しました。

 

 

最終的には、

そこそこ大きな設計会社に

バイトとして入ることが

できたのですが。

 

その職場がもう。

 

とんでもなく

楽しいところだったのですニコニコ

 

 

仕事自体は、

雑用のようなものでしたが。

 

周りにいる人達が本当に、

愉快な人ばかりで。

 

そこでイヤな思いをした。

 

・・・という記憶は、

まったくありません。

 

 

あの頃は。

 

夫の実家での同居生活が

「苦味」だとすると、

 

その職場が「甘味」

 

・・・みたいな感じでした。

 

 

そんな愉快な会社にいた時の

ことです。

 

 

同僚の、主に女性たちの間で

 

「前世を体験できるCD」

 

・・・というものが

流行ったのは。。。

 

 

*******

 

 

19歳の時の

あの体験以来、

 

「前世はないもの」

 

・・・だと

信じていた私は。

 

周囲で流行り始めていた

そのCDにも。

 

まったく興味が

ありませんでした。

 

 

あの時、

みんなで盛り上がっていた

CDは、これです。

 

 

 

 

 

 

これは、

前世退行催眠のCDで。

 

ある時一人の女の子が

会社に持ってきました。

 

それが、

フロア中に出回りはじめて。

 

 

みんなは、

 

「何が見えた~?ラブラブ

「こんなの見えた~音譜

 

 ・・・と楽しそうに

やっていましたが。

 

どうしてもみんなとは、

同じテンションになれなくて爆笑

 

 

勧められてもずっと、

断り続けていましたが。

 

そのうち

逃げられなくなりニコニコ

 

まぁ。

話のネタ程度に。と。

 

観念して、

そのCDを受け取りました。

 

 

自分は暗示にも

かかりにくいほうだし。

 

何も見ないだろうと。

 

 

そうやって、

まったく何も期待せずに

そのCDを聴いたのですが。

 

 

なぜだかあの時。

 

妙なものが見えたのです。

 

 

その時に

どんなものを見たのかは。

 

昔のブログに

詳しく書きました。

 

 

********

 

 

 

 

 

 

鮮やかな緑の草原に

私は立っています。

 

とても強い風が

吹いています。

 

風はとても強いので、

私の髪はすごく

流されているのを感じますが、

 

でもやっぱり、

湿った風ではなかったです。。

 

 

風に吹かれて

その草原に立っている時、

 

なんとも物悲しい

気持ちだったのを

覚えています。

 

 

その時は、

空は曇っていました。

 

 

草原の先はとても高い

断崖絶壁になっていて、

その下は海になっています。  

 

私の立っている位置からは

海は見えませんが、

 

でも、そこには海がある。。

と感じています。    

 

その時は見えていないけれど、

でも知っている。。  

 

その海は深い深い青。。

紺色に近い青。

 

そして波は

とても荒いのです。

 

 

その草原に

白っぽい石でできた

高い高い塔のような

建物が建っています。

 

その一番上に、

部屋があります。

  

 

「あなたの死の場面を

見て下さい。」

 

…と催眠誘導する人の

声が聞こえました。

 

その時にみた場面。。

 

 

その部屋にはとても大きな

窓がありました。

 

でも、その窓にガラスは

はまっていません。

 

外の景色も見えません。

 

 

私は女性で、

その部屋にある

石のようなものでできた

寝心地の悪い寝台に

横たわっています。

 

私の近くに男性が

ひとりいます。

 

そして大きな窓のそばに

女性がひとり立っていて、

 

彼女は窓の外を

見ていました。

 

 

死の場面のはずなのに、

私の心はとても穏やかで

 

 

「ちょっと行ってくるけれど。。

すぐに戻ってくるから。。」

 

 

と思っていました。  

 

 

私も、そしてその男性も

なぜか微笑んでいました。

 

 

********

 

 

催眠から戻ってきた時は、

正直言うと少し、

 

神妙な気持ちに

なりました。

 

絶対に何も見ないだろうと

思っていたのに。

 

こんなにハッキリと

何かを見たことに。

 

とても驚きました。

 

 

けれども

「前世はない」と。

 

それを疑っていなかった

当時の私は、

 

こういうものはきっと。

 

自分で考えて作った

妄想のようなものなのだろう。と。

 

そう思っていました。

 

 

そしてその後は。

 

そのことは完全に

忘れていました。

 

 

それからもう10年くらいの

長い時間が経ってから。

 

ケルトの風景を見た瞬間に、

突然そのヴィジョンを

思い出した時は。

 

こういう流れって、

 

なんだか不思議で

面白い。と。

 

感じていました。

 

 

いろいろなことが、

繋がっているような感じが

したのです。

 

 

それでもまだ。

 

それを「前世」と

結びつけようとは

していませんでした。

 

 

それほど強固に、

 

「前世はない」

 

・・・と。 

 

そう信じていたからです。

 

 

 

つづく

 

 

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