「全ては愛の中のことだった」を前提に、自分史を書いています。

 

(自己満足で、半生を振り返ってつらつらと書いていますので、

ご興味ある方だけお付き合いくださいね(^-^))

 

自分史(序章)

自分史①

 

家庭での生活は、大変でした。

当時の私が知る由もなかったけれど、

おそらくこの頃の母は、父との結婚前から鬱的な症状に苛まれていたのだと思います。

(その事実は、数年前に分かる時を迎えました。)

 

母の気分はジェットコースターのように

はたまた乱気流のように脈絡なく大きく変化し

それは幼い私ではどうすることもできず、突如吞み込まれるような日々。

一日をとにかく、無事に生き延びることに精一杯でした。

 

母もまた苦しんでいました。

夜、寝ている(実際には眠れていない)私の傍で「ごめんね」と泣いていることもしばしば...。

おでこに当たる母の手の温もりに、束の間の母の愛を感じました。

(しかし、そんな母の手の温もりを思い出したのは、私が大人になってこれらの体験で味わったものを昇華してからのことでした。昇華の前には完全に消失していて、記憶にも残っていませんでした。何かを封印すると、あらゆるものが消失してしまうのですね。)

 

しかし、衝動が抑えられないときは

母の目は別人のように憎しみをたたえ

敵を打ちのめす勢いで、容赦なく私に拳を降ろし、

どこここ構わず蹴り、髪をひきずり回します。

私の頭には常にこぶがあり、身体の痣が消えてはまた出来ての繰り返しでした。

またある時は、何時間も正座をさせ、とうとうと話す(怒る)のです。

少しでも動いたり、聞いていない様子が見えると暴力に変わります。

絶対に気が抜けません。

食事を貰えないことも日常茶飯事で、

昼夜季節問わず外に放り出されることもしょっちゅうです。

 

母は手を上げながら

「私がバカだから、教えてあげているんだ。

ちゃんと躾をすることが親の役目だから。

こういうことを自分(母)にさせる私が悪い。

したくないことをさせられて、自分(母)の方が被害者だ。辛い。」

と、泣きながら怒鳴るのです。

 

私は、

「自分はバカなのだ。

だから相当努力しなくてはならない。

次こそは、お母さんを怒らせないようにしよう。

なのに、またすぐに怒らせてしまう。

どうしてなんだろう。

やっぱりバカだからなのだ。

それに、親を泣かせるなんて、私は相当悪い子なのだ。」

と、自分はバカで、そのうえ極めつけの悪であるという思いが

どんどん上塗りされるように厚くなっていきました。

 

今思えば、分かります。

母はその時の気分で怒っていて、決まった何かはないのです。

どうあろうと、気分次第でそれは始まるのです。

 

分からないという感覚は、混乱を招きます。

私の身体の中は、いつもカオスな状態でした。

その状態で、いつ痛い目に合うか分からないという

極度に緊張した状態を生きていました。

そういう状態が続くと、いつの間にか緊張の解き方をも分からなくなるんですよね。


「私はバカだ。」「私は悪だ。」という思いは、その後大人になるまで

ずっと馴染みある、そして絶対隠しておきたい恥ずべき私でした。

また、母の中に見たこの得体の知れない怖さは、

他でもない私自身の内にある波打つようなエネルギーそのものでした。

ただ、この時は自分は絶対こんな大人にならないと

固く決心して生きるのが精いっぱいだったのです。

 

 

自分史③ につづく