日経メディカルONCOLOGYで、岩田広治先生
(愛知県がんセンター中央病院、
私はセカンドオピニオンの著作を拝読
させていただいたことがあります、
以前の記事で、言及しました)
が、ASCO 2017(米国臨床腫瘍学会)の発表を
受けてHER2陽性乳癌の治療に関して
見解を書かれています。
以下、ポイントを要約します。
ーーー
⬛パージェタの術後補助療法
APHINITY試験結果で、主要評価項目を
達成しており、大規模な臨床試験結果だから
今後、世界各国レベルで、ペルツズマブ
(パージェタ)を術後補助療法として承認
する方向になることは間違いない。
差が当初設計より小さかったが、
基本的に
再発すると完治しない
という観点から考えれば
(再発しても治癒する患者が
HER2陽性乳癌には
出てきていますが)
再発させないことが大事になる。
そのためには、
リスクの高い患者には
ペルツズマブを使う
というのが正しい姿勢。
リスクの高い患者をどうやって見極める
かが重要。
高リスク候補
・リンパ節転移あり患者群では、
明らかにペルツズマブの効果あり。
※リンパ節転移陰性では、プラセボ群と
差がなかった。
・ホルモン陽性では全く差がなかった。
ホルモン陰性では少し差があった。
![下矢印](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/121.png)
・リンパ節転移がなく、ホルモン陽性で
あれば、使わない可能性が高い。
・リンパ節転移があり、ホルモン陰性で
あれば、併用投与を検討すべき。
※正に、私は当てはまったじゃん。
悔しいなぁ。
・リンパ節転移がなく、ホルモン陰性は
微妙。腫瘍径が3cm以上の患者で、
リスクを考えて使うことになろう。
※腫瘍径が2cm以下で
リンパ節転移陰性であれは、
アドリアマイシンを
使わずに
7年の全生存期間が96%あった
臨床試験結果あり。
・ホルモン陽性患者の場合、3年より
後になってからの再発もあるので、
臨床試験結果について、もう少し様子を
見ないと分からない。
・リンパ節転移ありで、ホルモン陰性の
患者は、再発は3年までに多く起きる
から、今回の結果を基に、
ペルツズマブ併用を行う対象になると
考える。
※ ねっ。やっぱり。 悔しいなぁ。
ーーーーー
⬛neratinibはホルモン陽性にしか効かない
・米国で、ハイリスク患者に、
ハーセプチン投与後にneratinibを投与する
という動きが進んでいる。
・neratinibは、ホルモン陽性にしか
効いていない。
※私には、残念 ![!!](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
![!!](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
・ExteNET臨床試験には日本人データあり。
全体と同じ効果を示す。
・副作用の下痢は予防的にロペラミドを
使うことでかなり管理可能。
・まだ、日本の提携製薬会社が決まって
いないみたい。
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