Petri Halfシリーズの調査 | 見よう見まねのブログ

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前回、2023-12-09付ブログ「Konica Eyeシリーズ」に続き、今回は「Petri Halfシリーズ」の調査結果です。

 

 

■Petriの歴史とカメラ

ペトリはコニカに次ぐ最古参のカメラメーカーです。

1885年(明治15年)、小西屋六兵衛店(コニカの最初の社名)がカメラの製造開始。

1917年(大正6年)、栗林写真機械製作所(ペトリの旧社名)がカメラの製造を開始。

 

「ペトリ」は初代ローマ教皇の聖ペトロにちなみ命名されたそうですが、神のご加護も期待?

戦後は35mmカメラ、二眼レフ、スプリングカメラ等を他社より安価に製造、販売しましたが、

故障が多く「安かろう、悪かろう」のイメージが定着しました。

故障が多い要因は、設計不良、材質強度不足、加工精度、品質管理等で、低コスト化の影響があります。

加えて、他社との技術競争に遅れを取り、労働争議などの影響で1977年10月に倒産しました。

 

しかし、中には構造的にユニークな製品もあります。

(1)一眼レフは自動車のエンジンシャフトのような機構を採用。

(2)Petri ColorシリーズはRollei 35を意識したコンパクト設計。

(3)Petri Halfシリーズはチェーンを用いた巻き上げ機構、「Green-O-Matic「の緑のファインダー。

 

■Petri Halfシリーズ調査結果のまとめ

【1】機種

試作機を除くと、4機種(Petri 17は海外専用)です。

ハーフサイズとしては、Olympus Pen(1959年)に次ぎ、2番目の1960年発売です。

 

【2】製造番号調査結果

 

500台余りの調査結果一覧表です。Body#は無く、Lens#の製造番号です。

Petri Half(1960)からPetri Compact E(1961)への移行期に、シャッターが新旧混在しています。

1962年社名変更に伴い、レンズ銘、シャッター銘が「Petri」に変更されています。

HalfとCompact Eは同じレンズ(Orikkor 28/2.8)なのに、何故か製造番号体系が同じで区別できせん。

 

推定製造台数は、

Petri Half(含む、海外OEM) 約50,000台

Petri Compact E 約50,000台。

Petri 17とPetri Half 7のレンズ製造番号は重複しているので、合計約30,000台と推定。

 

【3】各機種の詳細

【3-1】Petri Half

 

Lens#50,226〜98,692

Lens# 50,358の銘板は「PETRI HALF E」。何故「PETRI HALF」に「E」を加えた理由は不明。

後期は「CARPERU-S」と「PETRI-S(Compact Eに搭載)」が混在。

<EP>マーック付きもあり。

箱とマニュアル

広告と価格表示(本体7,600円+ケース他1,200円)

 

【3-2】Petri Halfの海外OEM

【PTERI COMPACT】

 

【DeJUR PETRI COMPACT】

 

 

【PETRI JUNIOR】

 

【3-3】Petri Compact E

Petri Halfに非連動セレン露出計内蔵。

一部、琉球製(Product of Ryukyu Island)もあり。

Lens#50,214〜98,375

初期はシャッターがCarperu-S(Petri Half用)とPetri-Sが混在。

箱とマニュアル、価格。

マニュアルは2種類あり。

 

【3-4】Petri Compact S(試作機)

1961年12月に発表されるも、国内未発売。一部改造して、海外にPetri 17として販売。

 

【3-5】Petri 17(海外専用)

巻き上げがレバーから円筒形にに変更されました。ファインダーも普通の形式に。

ロゴは2種類あり。

Lens#351,219〜361,516。Petri Half 7と番号が重なっている。

箱とマニュアル

英文広告

 

【3-6】Petri Half 7

1962年発売はクロームのみ。

1964年にBlackを追加発売。

Petri-Sプログラムシャッターの動作グラフ。

Lens#353611(マニュアル写真)〜383,668。Petri 28mm F2.8(3群4枚)。

マニュアル(日、英)は同じデザイン。

広告、価格は本体8,800円+ケース1,000円。

 

【4】最後に

Petri HalfシリーズはOlympus Penに遅れること1年で、2番目のハーフサイズカメラです。

しかし、僅か3年の1962年発売のHalf 7が最終機種となりました。

強力なライバル(Olympus Pen、Rioh Auo Half)もあり、仕様面、使い易さ、故障の多さ等が敗退理由でしょうか?

 

デザイン的には、初代のPetri Halfが秀逸と思います。

Petri Compact Eは露出計を収納した為背が高くなり、左右バランスも崩れた。

Petri 17 & Half 7はありきたりのデザイン。

 

金かけず奮闘虚しご加護無く