「100年後の子どものために」、宮沢隆仁氏(日本維新の会) 第7回 医療現場では何も解決できない | 宮沢たかひと Powered by Ameba

2013年当時、m3.com のインタビュー記事。
我ながら、なかなか良いことを言ってます。
今の日本維新の会に期待します!

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日本維新の会 比例北陸信越区選出 宮沢隆仁氏の回答

Q.1 医学部を志した時期、経緯

 医学部を志したのは高校2年生のころ。父親が外科医として開業していたこともあり、ごく自然に医師を志したように思う。

Q.2 医師と仕事をした中で一番印象に残ったエピソード

 様々な年齢および職業の患者さんやご家族とともに病気と闘う中で、死生観、家族観、人の生き様などについて考えさせられ、医師は社会学、経済学、法学、政治学など、幅広い教養を持たなければならないと痛感した。

Q.3 国会議員を志した時期、経緯

 約30年間、脳神経外科医として救急医療の現場に従事する中で、制度疲労を起こし、医療崩壊を招きつつある日本の医療政策を改革するには、医療現場にいたのでは何も解決できないと判断した。今まで勉強してきた法学、経営学(MBA)の知識を生かしながら、日本維新の会が主張する「統治機構改革」の中で「医療統治機構改革」を一緒に実施するのが、最も近道と考えた。

Q.4 現在の医療界の最大の問題点

 IT技術がこれだけ発達している中で、医療現場で使用されるハードもソフトも病院ごと、地域ごとに異なり、相互の連携もできず、デジタル情報が生かされていない。その結果、検査の無駄が減らず、患者さんのデジタル情報が病院間で共有されず、膨大な医療情報が臨床研究に生かされず、医療の質向上に直結していない。病院内では、診療科間、部門間での情報の流れが滞り、情報共有も不十分。

 病院経営においても経営感覚は必要なはず。アメリカ並みに、経営学修士(MBA)の資格を持った医師でないと病院長になれないような制度にすべきではないか。

Q.5 特に力を入れたい政策(13の選択肢から複数回答)

診療報酬改定  ○TPP参加交渉の議論  消費税問題  社会保障と税の一体改革  医師の勤務環境問題  ○高齢者医療制度改革  柔道整復の療養費見直し  ○専門医制度の見直し  次期医療法改正  ○医療版マイナンバー制度の検討  再生医療の推進  ○尊厳死議論の推進  その他

 

○TPP参加について

 今の日米関係、日本の財政状況を考えると、まずは交渉に参加すべきではないか。そこでの交渉力が重要。日本に交渉力がないという意見もあるが、これを機会に交渉力を強化すれば良い。TPP交渉に参加しないことに対する代替案がないならば、いつまでも逃げ回るべきでない。

 

○高齢者医療制度改革、医療版マイナンバー制度の検討について

 今の実労働年齢層と子どもたち、そして未来の子どもたちのために、今の高齢者は多少痛みを伴っても、応分の負担をすべき。「所得」に応じた医療費自己負担ではなく、「資産」に応じた医療費自己負担にすれば良い。それには、国民総背番号制(+医療版マイナンバー制度)導入と歳入庁の設置が必要。少なくとも、低所得で子育てをしなければならない実労働世代が、裕福な高齢者を支えるような制度は早急に改革しなければならない。

 

○専門医制度の見直しについて

 「専門医」の定義に対する理解が、医師側と患者側でかい離しているように思う。例えば、「心臓外科専門医」とは、「心臓の標準的手術が安全に行え、技術を維持するために、また後輩を指導するために、年間一定数以上の手術をこなしている外科医」でなければならない。各医師と病院の治療成績は学会が厳密にチェックし、ホームページなどでオープンにすべき。

 

○尊厳死議論について

 「戦後、急激な長寿社会となり、日本人は「長寿の意味」を考えず、ただ「長寿になること」だけを求めてきた。ここでじっくりと、「長寿の意味」と「死に方」について深く考え、高齢者医療と終末期医療の在り方を考え、哲学的議論をすべき。そうすれば、おのずと医療政策の在り方も定まる。

 

Q.6 対GDP費で見た日本の医療費の方向性(3択)

 抑制 維持 増加 (*選択なし)

 少なくとも維持すべき。将来可能であれば抑制。

 2010年の社会医療費37兆円は、もう限界と考える。医療を産業にすると言っても、ほとんどを公費でまかなっている限り活性化は難しい。医療内容の質を監視しながら、少しずつ市場競争に委ねれば、医療サービスの質と安全の向上が見込めると考える。病院および医療従事者に、もっと競争原理が働いてもいいのではないか。未来の子どもたちのために、また日本という国を残すために、限られた医療費をどの世代にどのように配分するのか、率直に議論する必要がある。同時に医療行為はもともとリスクを包含するのであるから、無過失補償制度を確立し、リスクが高い医療現場で働く医療従事者を法的に保護することも必要。

Q.7 医師数の不足、偏在問題(4択)

○医師数は十分、偏在あり

 地方に比べると、大都市に医師が集中しすぎではないか。医療政策により医師の偏在を解消する必要がある。

Q.8 現場の医師の声の、政治への反映(2択)

 されている ○されていない

 特に勤務医の声は反映されていないではないか?「救命」に関わり、激務に従事する医師を優遇する。女医が出産後も容易に職場に復帰できる環境づくり、医師が本来の医療行為に専念し、勉強時間を割くことができるような職場環境が重要。

Q.9 今後の医師としての活動

 国会議員も医師も片手間にできる仕事ではない。国会議員でいる間は、国会議員の仕事と勉強に集中する。ただし、脳神経外科や脳卒中関連の学会には参加し、最新の知識をキャッチアップしていきたい。手術はいつでも再開できる自信がある。

Q.10 座右の銘、好きな言葉、2013年の抱負等

 「100年後の子どもたちのために、今こそ維新を」

 このフレーズで選挙を戦った。「真の弱者」とは、今ものが言えない未来世代の子どもたちや動植物ではないか?制度の成熟以上に国民の意識の成熟が重要。現役世代の利益のみでなく、未来の世代の利益も同時に考えられる国民と政治であるべき。そうすれば、自然に地球環境と子孫に優しい政策が生まれるはず。