Sagging eye 症候群。
日常診療で眼科の先生から、「ぼやける」「二重に見える」等の症状を訴える患者がいるが、眼球には問題ないのでMRIで脳外科的に精査してほしい、という依頼が稀に来ます。
脳外科では、動眼神経等の外眼筋を支配する脳神経を障害する頭蓋内疾患の有無、外眼筋自体の異常所見、トルコ鞍部周辺・海綿静脈洞の異常所見などをチェックして眼科医に報告します。
頭部 MRI 冠状断撮像で眼球と外眼筋もチェックするのですが、外眼筋周囲のプーリーというコラーゲンバンドの存在は知りませんでした。このバンドが加齢とともにたるむのがこの症候群の原因とのことです。
数年前、外眼筋麻痺による斜視と複視で苦しんでいた患者さんが、眼科での手術によりすっかりよくなった事例を経験し、驚いたことがあります。
最近、他診療科の進歩に驚かされますし、勉強の必要性を感じています。