アマチュアスポーツガバナンス | 宮沢たかひと Powered by Ameba

昨今、レスリング協会内紛、日大アメフト事件、ボクシング協会内紛とアマチュアスポーツ競技団体内での問題が噴出し、そして全日本剣道連盟居合道部門での金銭授受問題(https://www.sankei.com/affairs/news/180817/afr1808170006-n1.html)へと続きます。スポーツ界のパワハラ、セクハラ事件も断続的に報道されています。

 

アマチュアスポーツガバナンスは、野球のリトルリーグ・サッカースポーツ少年団・学校スポーツ部活から始まり、一人の若者の人格形成に重要であるばかりでなく、社会に出てから各職場におけるガバナンス行動規範を左右するという意味でも重要です。結果として、日本人全体のガバナンス意識と方法論に大きな影響を与え、日本社会の質と方向性を決めると言っても過言ではないでしょう。

 

アマチュアスポーツガバナンスの質を高めるには、スポーツを通して若者を指導する大人(指導者)が正当な倫理観、リーダーシップ論、ガバナンス力、それぞれのスポーツに関する科学的知識を備えることが要求されます。さらに、アマチュアスポーツでも会費徴収・備品購入・練習場および競技会場確保・資格審査などの面で金銭が動きますので、正当な倫理観に基づく金銭感覚とビジネスマインドも要求されます。アマチュアスポーツであっても指導者のボランティアマインドに依存せず、正当な透明性の下であれば各種アマチュアスポーツ団体で働き尽力する大人に対してはしかるべき報酬を支払うべきと私は考えます。

 

また、プロスポーツを介して高額の報酬と名声を得ることがアマチュアスポーツ選手のモチベーションの源になっているのでしょうから、またオリンピック等の国際大会での日本選手の活躍を促進するために、緊密なアマ-プロ関係があって当然とは思いますが、アマ-プロ関係の倫理的正当性と金銭的透明性が求められます。

 

さらに、アマであれプロであれ、スポーツ選手が現役選手として活躍して生計を立てる期間は極めて限られますし、引退後にメディア界や政界等で生計を立てられる人材と期間も限られます。かつてのスポーツ選手が生活に困窮して犯罪を犯すという報道も稀にあります。一定の期間を安心してスポーツに打ち込める環境をつくるために、引退後の生計を立てるための資格と技術を獲得するノウハウを供与することも重要です。

 

以上より、日本アマチュアスポーツ界のガバナンスを刷新するために、日本中のアマチュアスポーツ競技団体の指導者を教育および啓蒙する組織と資格を与える機関(日本オリンピック委員会?、スポーツ庁?、内閣府?)の役割は重要です。そして、学校部活を含めたすべてのアマチュアスポーツ競技団体の指導者とOB/OGは、この機会に改めて襟を正す必要があります。