都知事選挙に立候補することを表明した小池百合子氏に対する自民党都連の方々の表情は嫌悪感に満ちていました。誰が見ても、すなわち有権者にも、小池氏を個人的に嫌っていることが読み取れました。一方で、小池氏の覚悟に裏付けられた果敢な表情は、有権者に好意的に受け止められています。
「精神は表情筋に宿る」は私の座右の銘ですが、政治家にとって「表情」は政治生命を左右するくらい重要です。
国会議員も地方議員も、議会という狭い社会の中で接していれば、人間ですから好き嫌いがあるのは当然です。しかし、議会内での議員同士の個人的感情は、有権者には関係ありません。有権者は政治家に、少ない税金で、無駄遣いをせずに「よい仕事」をして、生きがいを持てる生活しやすい社会環境にしてくれることを求めています。つまり、ベクトルは議員同士でなく、有権者に向けてほしいのです。
その手段として、有権者は政治的リーダーに対して、創造力と先見性をもって優秀な官僚を統括できる「実務能力」と、尊敬され有権者を納得させることのできる「優れたリーダーシップ」を求めています。候補者には、実現可能性の高い政策をかかげ、選挙という表舞台で人生をかけて正々堂々と闘ってほしいのであって、議員同士の個人的確執など見たくはないのです。
多くの政治家同士の「好き嫌い」を聞き、かつ見てきました。その好き嫌いを露骨に表情に出す人もいれば、能面のような表情あるいは笑顔で表に出さない人もいました。私の印象では、優秀な大物政治家ほど自分の感情と表情をコントロールする術に長けていると感じました。
本日の夕方、小池氏は出馬会見をするようですが、各党には、都民と国民にとってベストな候補者の人選をしてほしいと思います。