宮沢隆仁 オフィシャルブログ 100年後の子どもたちのために」Powered by Ameba

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■ 現代観光事業の問題点
 
今、日本全国の観光地は観光客の減少による地域活力の減退に頭を痛めている。山下【参考1】によればその原因は、
①定住人口の減少、すなわち支えてくれる地域住民や県内人口の減少
②旅行の型の変化、すなわち心の豊かさを求め、団体旅行よりも個人旅行を嗜好
➂インターネット普及による観光申し込み手続き方法の変化
等が挙げられる。
 
また、従来型観光による中央主導地域振興策の問題点として高坂【参考2】は以下の二点を指摘した。
①基本方針の不在
観光振興を目的とした政府の全取り組みのうち、国内向けの振興策の主要な担い手は官公庁以外の14省庁が分散的に施策・事業をしており、全体を総括する司令塔あるいは方針が不在である。
②観光振興以外の目的が混在した事業
14省庁の行う事業の多くは観光振興以外の目的を併せ持つ。すなわち、「必ずしも観光振興に焦点を絞っていないが、各省庁の所管範囲で観光との関連の深い事業」が各地で実施されており、政策資源が分散し事業効果が薄まる。これらの事業を支援の受け手である地域側からみると、観光振興上の効果や地元にとっての意義・メリットが不明なケースが多く、使い勝手が悪い。
 
以上の現代観光事業の問題点を踏まえた上で、山下【参考2】による提言「地域の観光化と地域活性化のこつ」と、山田による提言「地域資源を活用した観光振興 観光・地域振興が目指すもの 観光から感幸へ」【参考3】を参考にしながら、これからの日本の観光事業のあり方について考察を試みる。
 
■ 観光による地域活性化
 
今、大量生産されたものでなく、「ほんもの」を求める人が増えているため、地域が持つ素晴らしい価値を踏まえた、地域からのライフスタイルの提案が重要となりつつある。観光振興そのものはあくまでも地域ブランドづくりの一つのプロセスであり、観光客数を増やすこと自体は必ずしも目的にはならない。【参考2】
持続可能な観光地域とするには、①地域で最も大事なものは何か、②観光振興によりどのような成果を出すべきか、➂地域の30年後の理想の姿、以上の三つを問い直しつつ、地域内に観光を基軸としたマテリアルフローとマネーフローの仕組みを構築すべきである【参考3】。観光により雇用を生み、家庭を持ち、子育てし、地域に根づいてもらえるような仕組みと態勢、住民の生活満足度を最優先にする地域づくりが肝心となる【参考3】。
観光振興のためには、地域の観光素材を地元住民が知り、維持管理を行いながら活用し、自ら責任をもって決断・実行することが成功するための基本条件である【参考3】。高坂も指摘したように【参考1】、外部の人間だけ、観光事業者だけによるビジョン・コンセプトづくりや事業運営は失敗する。イベントも、入り込み数ばかりでなく、滞在時間や、宿泊者数、リピーター数を増やすなどの収益性を踏まえた事業にしなければならない。そのためには、「らしさ」と「ならでは」が重要となる。「らしさ」とはその地域にある魅力ある素材・コンテンツの性質と性格。「ならでは」は、他では得難い満足を与える商品そのもの。そして、重要な要素はリアリティであり、それを支えるのがその地域の 暮らし・歴史・伝統・生活・文化である【参考3】。
既存の地域資源をどう活用し、現代の旅行者ニーズに合わせた様々なストーリー(物語)で地域資源をつなぎ合わせることで、新たな魅力を創造することが重要であることは論を待たない。特に、観光客に対して「五感に訴えるシナリオづくり」による旅の創造し、「モノ」ではなく「コト」を提案する。地域の風土の中で暮らす地域住民のライフスタイルも観光資源となりうるので、「観光地」である前に「生活地」として魅力的であるか否かが重要となる。さらに、地域の人間力を向上させ、観光を通じて体験してもらうことで、「精神的価値」に結び付けることが重要であると山田は指摘する【参考3】。
 
■ 「知的挑戦観光」の提言
 
私はこの「精神的価値」に加え「知的価値」が観光事業のもう一つの魅力になっていくのではないかと考える。なぜヒトは旅に出るのかを考えると、まず浮かぶのは普段の喧騒を忘れて「リラックスできること」と「未知との遭遇」の二つが挙げられる。その手段と対象となるのが「地域資源」である食べ物、景色、温泉、地域住民との交流であるが、今後はそれだけでは他の地域と差別化して観光客を呼び込むことはできないであろう。では何を地域の新たな魅力とすべきか?それは、「知的価値への挑戦」であり、これが新しい「未知との遭遇」となる。ヒトは日常生活の中ではなかなか新しいことに挑戦する機会を得ることはできない。しかし、ヒト特に日本人は、自身の知力を高めたいという潜在 的欲求を持つ。そうであれば、「心地よく学習し、議論し、知力を高められる場」を提供すれば、「知的興奮」を求めて観光客は集うのではないか?これは観光客にとっても、観光客を呼び込もうとする地域にとっても「知的挑戦の観光」となる。例えば、「哲学」を好んで学習する人々を呼び込むために、地域住民自身がある程度哲学の勉強をした上で、年に数回哲学の専門家を読んで講義をしてもらい、その後地域住民を交えて哲学議論をしてみてはどうであろうか?当然、地域住民も普段から哲学を勉強する必要に迫られ、観光客との知的競争意識が芽生えるかもしれない。毎回フォーカスする哲学者を変えれば、来訪者は常連となり何年も続く。その他の学問分野でも実施し、地域住民と観光客が相互に知力 を高めることができる上に、高齢者にとっては認知症予防にもなる。世代や性別により随時テーマ設定を変え、若者の場合はゲームソフトとその攻略法についての議論でもよい。さらに発展型として、公用言語を英語とし、外国人を交えてあるテーマについて国際的知的議論を観光地で行えば、日本人の英語力向上にも役立つ。
 
■ おわりに
 
 以上、「知的好奇心」を観光ターゲットに設定し、観光地で、それぞれの地域に根ざした「知力」を育み、新しい観光資源とする「知的挑戦観光」は未来の観光事業と地域活性化の起爆剤になると考え、提言した。
 
 
【参考資料】
 
1. 山下真輝 (JTB 旅行事業本部 観光戦略室 観光立国推進担当マネージャー)これからの観光振興による地域活性化の考え方“ツーリズムデザイン”~地域のタカラを、日本のチカラへ~ ぶぎんレポートNo.182 2014年11月号 p9-16
2. 高坂晶子 (日本総研 調査部主任研究員)Research Focus 地域活性化を実現する観光振興策のあり方 2014年2月13日 No.2013-037 p1-8
3. 山田桂一郎 (JTIC.SWISS 代表) 地域資源を活用した観光振興 観光・地域振興が目指すもの 観光から感幸へ 国際文化研修2011 vol.70 p25-32
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