宮沢レポート 【AI(人工知能)普及時代の社会開発論 】 その2 | 宮沢たかひと Powered by Ameba

 

    AIの定義と仮定設定

 

 

 AIの定義は専門家の間でも定まらず、多岐にわたる。本レポートでは、「究極には人間と区別がつかない人工的な知能のこと」をAIの定義とする【参考4】。本レポートは思考実験でもあるので、以下のような具体的仮定をおいて、AIロボットがSC健康福祉分野に与える影響を中心として論考を進める参考5】。

【仮定】

今から数十年後、様々な専門分野の解析と意思決定ができ、人間の会話相手となり、人間の気分を害さない程度の感情をもつAIが組み込まれ、人間と同様の皮膚感触・表情・声の抑揚・ある程度の運動機能をもつAIロボットが家庭に普及したと仮定。


 AIロボットが普及した時代に健康福祉環境で起こること

 

1.   住民コミュニティの結束に与える影響

2.   住民間ネットワークに与える影響

3.   事業を推進する強力なリーダーのあり方に与える影響

4.   住民活動をサポートする行政への影響

以上四つの要素について、AIロボット普及により須坂市の健康福祉環境がどのように変化するか、考察する。

 

1.   住民コミュニティの結束に与える影響

 

今、低賃金かつ重労働ゆえに人間に忌避されている「介護職を担う人材」として介護用A Iロボットは確実に普及するであろう。介護用A Iロボットは食事の提供、入浴、掃除、洗濯等をこなし、高齢者の話し相手となり、癒すこともできる。当然、防災や緊急時の対応もしてくれる。つまり、それまで親族あるいは住民同士で行ってきた「助け合い」自体が必要でなくなる。住民同士の会話は残るであろうが、人間関係を煩わしいと感じるような人間の心はAIロボットに向くであろう【図1】。