アモーレパシフィック社訪問〜ヒアルロン酸製剤工場見学と開発陣との討論〜 | 美容外科開業医の独り言

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昨日月曜日は休診させて頂き、日曜から韓国へ出張していました。

 

今回の目的はAESTURA社ヒアルロン酸製剤の工場見学です。

アジア第3位の化粧品メーカー、アモーレパシフィック社の傘下であるAESTURA社はクレビエルという注入用ヒアルロン酸を製造しています。かなり硬いタイプが先行して販売され、私はレディエセ(ハイドロキシアパタイト製剤)の方が気に入っていて使用頻度は高くはなかったのですが、最近少し柔らかいタイプの製品も販売され、その安全性や特性などを知りたいと思っていたところ、訪問のお誘いを頂きました。

今回は注入剤の権威である神田美容外科の征矢野進一先生と同行させて頂くということで、メーカー側が素晴らしい対応をして下さいました。普段は見ることのできない設備も沢山拝見しました。

 

初日は夕方到着なので、韓国料理を。カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)やタコの刺身を。

 

 

 

友人のDr. Rhoも駆けつけてくれ、楽しい会食となりました。

Dr. Rhoはクレビエルのキードクター。メーカーと共同で研究をしています。その経験や様々なデータ、トラブルの対処など実に様々な有益情報を教えてくれました。

 

さて、訪問日。まずはAESTURA社の工場見学です。

かなり立派な工場で、私が今まで見てきたこの手の施設の中ではピカイチ。清潔性・安全性もしっかり確保され、正直、韓国の美容系企業という概念で捉えていたのですが、さすがアモーレパシフィックという大企業。しっかりと設備投資をしています。

私達が内部に入るのにも防護衣を着用。本当にクリーンな領域にはそれでも立ち入りはできません。

微粒子が工場内にどれくらいの数あるかを常にカウントし、製剤内に一切の不純物が混じらないようにコントロールされています。さらに人の目による不良品チェックまで徹底されています。

 

化粧品、サプリなどを主力とするメーカーならではの徹底した品質管理でした。

 

ランチは韓国の伝統的家屋を模したレストランで、プルコギとボリグルビ。

 

ボリグルビは韓国の高級魚イシモチを麦の中で熟成させた味わい深い食品。これを緑茶・ご飯と一緒に(つまりお茶漬けで)食べるものだそうで、美味でした。

午後からはアモーレパシフィック社の研究開発センターへ。

 

 

 

研究者はクリエイティブであるべきという考えのもと、敷地内には沢山のアート作品が展示されていました。研究者のオフィスも見せて頂きましたが、オープンスペースが沢山、壁のガラスに会議のために字を書いたり、籠もりたい人のためには一人になれるスペースがあったり、図書室には日本の学術書も沢山あるなど、まあ素晴らしい、の一言に尽きます。

 

 

さて、一通り見学をした後はメインイベント、討論会です。クレビエルの開発陣がずらり。びっしりと英語のプレゼンを聞かせて頂きました。約2時間少々のディスカッション。他の製剤との比較や文献、提示されたデータの妥当性、今後の新製品などなど、非常に有意義なものでした。

特に征矢野先生の長い経験から導き出された様々なお考えは、拝聴するだけでとても勉強になり、しっかり噛み合った議論となり、予定時間ギリギリまで白熱しました。

 

 

特に観光的なこともせず、そのまま空港へ。とんぼ返りの韓国出張でした。