無理した若返り | 美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

美容医療においては、若い顔貌を作ることがかなりのレベルで可能になってきました。

しかしながら多くの方が周囲にあまり気づかれたくないという希望を持っています。これは非常に難しい条件です。

変化したいけど気づかれたくない、何となく矛盾しています。その条件を満たすのが我々の仕事であり、いかに自然に変化させていくかが腕の見せ所です。

写真を撮って比較してもあまり変わりがないようだが、確実に変化している、そのような状態に仕上げることを目指します。

もちろん大きく変化させることも可能です。当院では手術も実施しておりますので、ある程度の対応ができます。

 

さて、この微妙な、自然な変化というのは、喩えるならば髪を切るのと同じです。

美容室で毛先を切るだけなら誰にも分かりません。自己満足です。ロングの髪を5センチ位切ったら,本人ははっきり分かります。でも配偶者は気づかないかもしれません。しかしばっさりショートにしたら誰もが気づきます。丸坊主にしたら変だよとなります。ウィッグをつけててんこ盛りにしたら取って付けたように不自然です。

我々の仕事も同じです。ご自身は変化を分かるけど他人は分からないのが毛先を切る位の変化です。ご自身が変化をはっきり分かり、ちょっと不安になるけど案外周囲は気がつかないのが5センチ位カットです。仲の良い女性は分かってくれます。

つまり「やりすぎ」にならないように、上手く自己満足度を高めることが肝要です。

 

よくヒアルロン酸注入などで、骨の萎縮した状態を膨らませようと注入し、皮膚がしっかり伸びきるまで過剰注入された方がいます。これは明らかに変です。シワは消えたかもしれないけど、顔がパンパンに張りつめてしまい、まん丸になります。

一方で自然な変化は誰もが気づくわけではありません。

「芸能人はみんな何かしている」,そう仰る方もいます。でも自然であれば,この人は何もしていない、いつまでも若いなと思ってくれます。不自然になった時、「あの顔はヒアルロン酸入れているんだ」とか噂になってしまうのです。

不自然になった時、悪い意味で、他人は顔が変わったと認識します。

 

やり過ぎは禁物ですが控えめも満足度が下がります。

このあたりのバランスが重要です。

若返りというよりは、いつまでも綺麗ねと言わしめる、そのような変化をすることが美容医療において最も肝心なことです。

もちろん外科手術をメインにした医師の考えは異なり、何も変わらないじゃないか、そんな治療は意味がない、となります。しかしながら世の中の大半の女性の気持ちを汲み取れば、時には医師の自己満足となってしまうのです。

私自身は非外科、外科両方の医師としてのバランスを持って、患者様の意向に合わせた治療をしているつもりです。逆に言えば,これだけ機器を導入しても、いまだにメスを置くことなく、手術をしています。

 

さて、昨日は東京マラソン。今年も走ってきました。約4時間で完走。今年は結構早くゴールできると思ったのですが、直前に風邪は引くし、途中で脚が攣るし、もうバテバテで思ったタイムにほど遠い成績でした。これもまたマラソンの醍醐味、楽しみでもあります。