シネロンキャンデラ社ユーザーズミーティング | 美容外科開業医の独り言

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美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

昨日は大手レーザー機器メーカーのシネロンキャンデラ社のユーザーズミーティング。
ユーザーズ

300名弱の参加申込という、レーザー関連メーカーとしては最大級と言える会です。
メーカーの宣伝ではなく、毎年、ユーザー(医師)の困っている話題や最新のトピックなどをバランスよく組み合わせて、意義ある会になっています。
会議場


ここ10数年ほど、同社からは毎年何らかの講演を依頼されていますが、今回は座長から講演まで幅広くお仕事でした。結構疲れました。
最初はレーザー脱毛で一番難しいとされる硬毛化、つまり照射によって毛が太くなってしまうトラブルについてです。1%以下の確率で起こるとされていますが、頭を悩ませる問題です。このセッションの座長をさせて頂きました。どの機器で実施しても起こる現象であり、生じてしまった場合の解決策も様々な事が報告されています。まだ結論が出ない領域ではあり、少しでも実りあるディスカッションができれば良いなと思いましたが、逆に言えば、これだという結論は出せないので引き続き次年度以降も論議は続くでしょう。

そして東京女子医大成人医学センターの根岸圭先生の「レーザー治療におけるスキンケア指導」という御講演でも座長をさせて頂きました。レーザー治療はただ単に照射すれば済む話ではなく、土台のスキンケアが上手くいかないと治療は台無しです。常日頃患者様にもしっかりそのお話はしておりますが、根岸先生の説得力ある指導の方法などとても参考になりました。相変わらず分かりやすく、切れのある御講演でした。親しくさせて頂いている先生なので、気楽に座長を務めることができました。

最後はピコ秒レーザーpicowayのセッション。東海大学形成外科の河野太郎先生を座長に、クロスクリニックの石川浩一先生、咲くらクリニックの小林直隆先生、赤坂クリニックの吉家弘先生とともにパネリストをさせて頂きました。まだまだ解明されていないことが沢山あるピコ秒レーザーですが、国内外でも入れ墨の治療には画期的な効果を得ています。治療回数が半分以下になり、多色に対応できます。これは革新的なことです。そして最近ではシミの治療にも非常に有効なことが分かってきました。今まで困難だったかなり薄いシミにおいても効果があり、炎症後色素沈着(色戻り)の確率も減りました。さらにはフラクショナルハンドピースresolveを用いる事でシワなどの治療にも期待が持たれています。これらを総合して討論しました。非常に面白かったです。実はこのセッションのバックヤードで、控え室で延々と吉家先生や河野先生とピコ秒レーザーの論議をしていました。この時の話しは学会での理論や証拠がある話ばかりではなく、個人の意見や考え方を主にしており、非常に勉強になりました。

シネロンキャンデラ社の日本法人は会社全体としては非常に真面目で、目先の利益に走ることなく、大きな視野で動いている会社です。アザの治療機器なども取り揃え、大学病院の医師からは古くから信頼されている会社です。私自身も20年くらいのお付き合いになると思います。世界的に業界No.1の座についたサイノシュア社とともに、レーザー業界の双璧です。この2社とも、やはりトップの企業になる訳がありますので、私が非常に信頼をしている会社です。
逆に目先の利益に走ったり、理不尽な行動を取るレーザー機器メーカーもあり、それに迎合すると、医師としての信頼を失い、単なる商売人になるため、このような会社とのお付き合いは私自身はお断りをしています。もちろんビジネスも大事ですが、そのために企業としての良心を失い、医師・患者を金儲けの道具としか思わなくなった企業はいずれ淘汰されていきます。この業界もなかなか大変な時代ですが、企業にはより一層コンプライアンスを守ってほしいと願っています。利益相反なく、業界を綺麗に。