ほくろ治療後の傷跡 | 美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

最近は、たくさんの美容皮膚科や美容外科が開業しています。
時々、ほくろをレーザーで取れば傷跡は残りませんと言ってしまう医師がいるのには困ってしまいます。
確かに浅いほくろであれば、殆ど見えない程度の傷跡のみで治療は可能です。しかし少しほくろの細胞が深い所まであるタイプのほくろだと、光の加減などでくぼんで見えてしまうこともあるのです。
まあ、そういった微妙なレベルであれば、あまり大きく問題にはならないでしょうが、時々水疱瘡の痕のように大きくくぼんでしまっているものも見られます。傷跡は残らないと言われて治療したらくぼんでしまったというケースです。これは非常に困ります。元に戻すことができません。レーザーやピーリングなどを多用して何とか改善を図りますが、難しいことも多いのです。
ほくろのレーザー治療では、その傷跡は、ほくろの存在する深さに依存します。浅いほくろは綺麗になりますが、深いほくろは慎重に取らないと酷い痕になり得ますし、事前に患者様にそういったお話をしなければいけません。そんな時は取り切れないで小さくしましょう、平らにしましょうなどと説明することもあります。
正直、レーザーで取るには深すぎて無理なほくろもあります。そういった時は無理せず、取れないと説明するか、保険適応にてメスで切除縫合することも考えるべきです。
レーザーで長らく仕事をしていくほど、レーザーの限界を知ります。
でも、幾つかのクリニックで説明を聞いて回っている患者様に、よそのクリニックでは傷跡は残らないと言われたのに、お宅はこれだけレーザーを主にしているのに傷跡を残すんですか?って言われたら、ちょっと落ち込みます....。